Web予稿集

Tuesday, 12 September
9月12日(火)
 

技術・芸術展示 12:20 - 14:00 技術・芸術展示1

1G-01
楽器音別に同調する振動呈示が音楽聴取体験に与える影響
〇増田 智也(京都産業大学)、御手洗 彰(京都大学)、棟方 渚(京都産業大学)
本研究では,楽器音別に同調する振動を呈示することで,音楽聴取体験に変化を与えることを試みる.従来より楽曲全体の音源波形に準じた振動刺激によって体感的な臨場感を付与する研究は多く行われている一方,振動刺激を楽器音別に呈示する効果は知られていない.演奏経験や趣味嗜好の違いなどによって,ボーカルやベース等の特定の音に注意を向けて楽曲を楽しむことがある点に着目し,楽器音別振動がその注意を向けるきっかけとなり,音楽聴取体験を多様化できると考えた.本稿では,楽器音を分離し振動として呈示可能なシステムを提案し,それが有する効果について報告する.
1G-02
ボタン型インターフェイスにおける木材を介した触覚フィードバックのデザイン
〇清水 将矢(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、堀江 新(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、花光 宣尚(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、南澤 孝太(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)
建築と触覚の関連性は深く,多くの建築家が素材の選択・形状・使用法に工夫を凝らしてきた.一方,質感や実感を表現できる触覚技術は建築空間に十分に活用されていない.そこで建築への触覚技術導入の可能性について模索する.本研究では,木材とボタンの組み合わせに注目し従来の物理ボタンと試作した振動触感を提示するボタンとの比較検証を行う.また検証結果やインタビューから建築領域における触覚技術の適用可能性について議論する.
1G-03
耳孔摩擦刺激による聴覚コンテンツの感情変化
〇後藤 優太(東京都立大学)、岡本 正吾(東京都立大学)
私たちは、聴覚コンテンツ視聴中の外耳孔付近への擦り刺激の感情的な影響について調査した。本研究では、音単体の評価実験と、音のみ条件・音+触刺激条件の2条件を体験してどちらの条件である感情をより強く感じたかを選択するという2つの実験を行った。2つの実験の結果、耳へ擦り刺激を加えることで聴覚コンテンツは、不快かつ覚醒的もしくは快かつ非覚醒的により感じられることが分かった。
1G-04
薄型直動アクチュエータを用いた異部位触覚提示デバイスの検討
〇秋葉 優馬(電気通信大学)、中山 翔太(電気通信大学)、溝口 泉(電気通信大学)、梶本 裕之(電気通信大学)
VR体験における触覚を簡便に表現する手法として,本来指先で感じる触覚を手首に提示する異部位触覚提示が多数提案されている.しかしながらこれらの多くは,持続的な圧迫から振動までの広帯域な触覚をコンパクトに実現することが難しいという問題がある.そこで本稿では,小型かつ圧覚と振動の両方を提示可能な薄型直動アクチュエータを用いた腕時計型デバイスを提案し,VR体験における有効性を検証する.
1G-05
Combining suction and electrotactile stimulation for a stable touch sensation
〇張 延学(電気通信大学)、齋藤 大雅(電気通信大学)、亀岡 嵩幸(筑波大学)、溝口 泉(電気通信大学)、梶本 裕之(電気通信大学)
To create a compact haptic device to enhance interactivity, this study combined the high spatial and temporal resolution of electrotactile stimulation and the stable pressure sensation of suction pressure. It can of presenting enhanced contact sensation with surface area distribution with minimal discomfort.
1G-06
二眼カメラ立体映像を大型裸眼立体視ディスプレイで直ちに閲覧できるシステムの開発
〇板宮 朋基(神奈川歯科大学 総合歯学教育学講座 教養教育学分野)、中野 亜希人(神奈川歯科大学 総合歯学教育学講座 教養教育学分野)、高才 東(神奈川歯科大学 口腔外科学講座 口腔外科学分野)、小松 紀子(神奈川歯科大学 口腔外科学講座 口腔外科学分野)、沢井 奈津子(神奈川歯科大学 教育企画部)、安部 貴大(神奈川歯科大学 口腔外科学講座 口腔外科学分野)
本研究では,二眼カメラで撮影した立体映像を自動変換し27インチの大型裸眼立体視ディスプレイで直ちに閲覧できるシステムを開発した.タブレットnubia Pad 3Dの二眼カメラで撮影した映像を独自に開発したソフトで変換し,ソニー空間再現ディスプレイELF-SR2における裸眼立体視を可能にした.ELF-SR2で立体映像を再生できるソフトも開発した.歯科手技教材の作成と供覧において有用性が示唆された.
1G-07
視触覚提示による床の踏み心地への介入に向けた基礎検討
〇辻田 喜琉(慶應義塾大学)、堀江 新(慶應義塾大学)、神山 洋一(慶應義塾大学)、花光 宣尚(慶應義塾大学)、湯川 光(名古屋工業大学)、田中 由浩(名古屋工業大学、稲盛科学研究機構)、南澤 孝太(慶應義塾大学)
人は日常的に床を踏み生活している.しかし,踏み心地という床に対する印象が感覚モードとしてどのように構成されているかは明らかではない.本研究では踏み心地に対して視覚及び触覚の寄与に着目する.ヘッドマウントディスプレイによる視覚刺激と振動床による触覚刺激の踏み心地に対する影響を調査し,結果を二要因分散分析する.得られた知見に基づいて床の硬さの違いを提示可能なシステムを設計する.
1G-08
マイクを利用した模擬刀と身体の接触判定システムの提案
〇前田 裕作(電気通信大学大学院)、佐藤 神威(電気通信大学)、櫻井 翔(電気通信大学)、広田 光一(電気通信大学)、野嶋 琢也(電気通信大学)
スポーツにおいて身体運動能力はプレイヤー間の差の要因となる.Augmented Sportsはスポーツとゲーム技術を融合し,身体運動能力によらず楽しめるように拡張したスポーツの形態である.著者らは剣術競技にバーチャルパラメータ(VP)を導入し,身体運動能力をバーチャルに補えるようにした競技Parabladeを提案した.本研究では剣術競技におけるパラメータの付与がユーザの戦術に及ぼす影響を調査するとともに,基礎技術としてマイクを用いた模擬刀の高速接触判定技術の開発を行った.
1G-09
装着型Skin-Stretchデバイスを用いた物体の重量感提示に関する基礎検討
〇梅原 路旦(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、堀江 新(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、南澤 孝太(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)
xR体験において,物体の重量感を感じることは体験の質の向上に繋がる.皮膚のせん断による皮膚変形分布を提示するシステムが提案されている.一方,どのような皮膚変形分布を前腕部に提示することが重量感を生み出すかは自明でない.本研究では皮膚変形分布を提示可能な装着型Skin-Stretchデバイスを用いてバーチャルな物体の重量感を提示することを目指す.本稿では重量感を生み出す皮膚変形分布の基礎検討を行う.
1G-10
Dynamic Split Body: 身体分裂と半身位置の操作による身体知覚と自己位置の変容
〇近藤 亮太(慶應義塾大学)、杉本 麻樹(慶應義塾大学)
本研究では、1体のアバタを左右に分裂させ,参加者がその位置を動的に操作できるようにすることで、自分の身体が分裂し,異なる位置にいるような体験を提供する。また,分裂した身体の配置によって,1つのまとまった身体として知覚され1箇所にいるような感覚や,独立した2つの身体として知覚され2箇所にいるような感覚が生起する。
1G-11
裸眼立体視とモーションセンサーを併用したブラッシング指導支援システムの開発
〇中野 亜希人(神奈川歯科大学総合歯学教育学講座)、板宮 朋基(神奈川歯科大学総合歯学教育学講座)、藤崎 みのり(神奈川歯科大学歯科診療支援学講座歯科メンテナンス学分野)、鈴木 美南子(神奈川歯科大学歯科診療支援学講座歯科メンテナンス学分野)、井上 允(神奈川歯科大学歯科補綴学講座)、川西 範繁(神奈川歯科大学歯科補綴学講座)、星 憲幸(神奈川歯科大学教育企画部)、木本 克彦(神奈川歯科大学歯科補綴学講座)
本研究では,裸眼立体視技術とモーションセンサーを併用し,患者に自身の口腔全体の3D-CGと歯ブラシの動きを立体的に見せながら,自身の手の動きで歯磨きを効果的に指導できるシステムを開発した.歯列の3D-CGモデルと歯ブラシの三次元的な位置と角度を立体的に表示でき,実際の手の動きを反映した歯磨き動作のリアルタイム再現が可能である.歯科医師と歯科衛生士による評価の結果,本システムの有用性が示唆された.
1G-12
アバターの腕の移動速度の変化による疑似触覚の生起を利用した風速知覚の操作
〇鷹觜 慧(東京大学)、伊東 健一(東京大学)、子系 卓(東京大学)、伴 祐樹(東京大学)、割澤 伸一(東京大学)
クロスモーダル効果による風速知覚の操作に関し、従来の研究では実際より強い風速を知覚させる効果は確認されていない。また、疑似触覚を利用した風速知覚の変化に関する研究は少ない。本研究では、アバターの腕の移動速度の操作から生じる疑似触力覚と風から受ける力を組み合わせることで風速知覚が変化するか検証した。その結果、風速が十分大きい場合には風と同方向の疑似触力覚により風速が強く知覚されることが示唆された。
1G-13
アバターと環境のレンダースタイルの関係性がVR体験に与える影響の検討
〇子系 卓(東京大学)、細井 十楽(東京大学)、伴 祐樹(東京大学)、割澤 伸一(東京大学)
近年、アバターを用いたVR体験は更なる広がりを見せている。一方で、アバターと環境の関係性、特に環境表現に多用されるレンダースタイルが体験に与える影響については十分に検討されていない。本研究では、アバターと環境のレンダースタイルの一致不一致が、臨場感や身体化感覚に与える影響について調査した。その結果、レンダースタイルの一致度合いが臨場感・身体化感覚の構成要素に影響を与えることが分かった。
1G-14
バーチャルハンドの接触における視触覚間の空間的距離・感覚野的距離が身体所有感に及ぼす効果
〇亀岡 嵩幸(筑波大学)、蜂須 拓(筑波大学)
我々はHMDに触覚提示装置を内蔵し、バーチャルハンドの接触に対して顔へ機械刺激を提示することでハンズフリーな触覚を伴うVR体験を提案してきた。本稿ではこのような視触覚での刺激の提示位置の空間的整合性がアバタに対する身体所有感に及ぼす影響を検証するため、バーチャルハンドの接触に対し様々な部位へ振動刺激を提示するシステムの開発と所有感の評価について報告する。
1G-15
指先のSED分布を計算する触覚分布シミュレータ
〇佐瀬 一弥(東北学院大学)、加藤 明樹(東北学院大学)、一條 暁生(東北大学)、昆陽 雅司(東北大学)、永野 光(神戸大学)
近年,様々なアプローチで指先への触覚分布の提示が試みられている.本展示では,剛体凹凸面に対し示指が接触した際の,指腹の変形およびSED(ひずみエネルギ密度)分布を計算し可視化するシミュレータを展示する.ユーザが手をかざして動かすと,シミュレータ内のVR指が同期して動き,指とVR物体との接触に基づきリアルタイムで計算が行われる.SED分布の計算結果は画面上に表示され,提示されるべき触覚分布を確認できる.
1G-17
髪の毛の形状変化による身体拡張体験の提案
〇山村 浩穂(慶應義塾大学)、杉本 麻樹(慶應義塾大学)
本研究では,髪の毛を通じた新たな身体拡張体験を提案する.著者らは,髪の毛が持つアイデンティティを示す強いシンボル性と他の身体部位とは異なる高い柔軟性に着目し,ユーザーの状態に応じて,形状をインタラクティブに変化させるヘアインタラクションデバイスを開発した.本展示では,形状記憶合金を活用した髪の毛の形状変化による,新たなヘアインタラクションの可能性を探り,ユーザー体験の調査を行う.
1G-18
Phantom Walls : 聴覚刺激を用いた感覚代替による空間知覚とナビゲーション手法の提案
〇池田 匠(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、脇坂 崇平(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、南澤 孝太(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)
滑らかな空間知覚を確立するための新しい手法であるPhantom Wallsを提案する。バーチャル空間内にスピーカーが配置されており、体験者の位置や向きに応じて動的に、スピーカーの配置・音量・音の高低を調整することにより、目に見えない"phantom"な壁を聴覚により表現している。体験者は聴覚の世界を聴くことにより目に見えない"phantom"な壁を知覚し、避けて歩き回ることができる。
1G-19
PhysX 5を用いた変形可能なVR指先の試作
〇古迫 将希(東京農工大学)、藤田 欣也(東京農工大学)
運動・変形シミュレーションを両立可能なPhysX 5を使用し,有限要素法でシミュレートされる四面体メッシュで構成された変形物体を用いてVR指先を試作した.PhysX 5では反復法の計算回数に上限を設けることでリアルタイム変形シミュレーションを実現しているが,十分に収束していない解を用いることで結果に誤差が生じ,変形物体と剛体間で十分な摩擦力が生じて静止すると想定される状況でも相対運動を許すことが明らかになった.
1G-20
バーチャル物体との接触に対する触覚刺激のもっともらしさを評価するストループ課題システムの基礎検討
〇石川 遼太郎(筑波大学)、亀岡 嵩幸(筑波大学)、蜂須 拓(筑波大学)
バーチャル世界での接触に対し機械刺激により触覚提示する技術において,刺激のデフォルメにより物理現象とは異なるものの表現を拡張しもっともらしい体験を提供する手法が研究されてきた.物体との接触時に生じる振動を対象に刺激のもっともらしさの客観的評価を目的に,前報ではストループ課題に基づく実験システムの基礎検討を行った.本稿では,視覚・触覚刺激に三次元映像・実物体を利用することを検討する.
1G-21
パークスケールナビゲーションのための触覚デバイスの基礎検討
〇前田 智祐(株式会社豊田中央研究所)、山本 絢之介(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、吉村 貴克(株式会社豊田中央研究所)、堺 浩之(株式会社豊田中央研究所)、南澤 孝太(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)
疑似力覚触覚デバイスは、ナビゲーションへの応用が期待される。我々はナビゲーション応用に向け、デバイスの可搬性を高めた自己完結型の触覚デバイスを提案する。本デバイスは、2つの振動アクチュエータと制御回路、バッテリーを片手に収まる筐体に内包し、重さは約60 gである。従来研究と同様に、本デバイスは2つの振動アクチュエータに非対称振動を与えることで、並進・回転の疑似力覚を提示することができる。振動アクチュエータ間の距離が識別率や把持の強さに影響を与える可能性があるため、我々は評価実験を行った。結果、振動アクチュエータ間の距離による有意差は得られなかったが、識別率と持ちやすさの兼ね合いで70 mmが妥当であることが示唆された。
1G-22
触覚による曲面知覚における強度に対する接触位置の優位性
〇曽明 然(東京大学)、森崎 汰雄(東京大学)、鈴木 颯(東京大学)、牧野 泰才(東京大学)、篠田 裕之(東京大学)
指でなでるように曲面を触る際、その形状知覚に特に必要な情報は「接触位置」であることが分かった。本研究では、ヒトが曲面を知覚するに当たって特に重要と思われる、「接触位置」と「強度」のみを抜き出したバーチャル凸・凹面を空中超音波で再現し、3つの観点で比較した。結果、曲面知覚に重要な因子は「接触位置」を同期した、つまり指の移動に応じて接触位置を適宜ずらすことで充分に曲面を知覚できることが分かった。
1G-23
Texture Swapping: 皮膚質感の上書きによる自己身体認知の変容
〇松原 雅敏(慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科)、脇坂 崇平(慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科)、南澤 孝太(慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科)
我々は自分の肌の質感が風船や毛皮、葉などの異なる質感に変化しているように感じられる「Texture Swapping」という錯覚を発見した。本研究ではこの錯覚を手軽に、そして非現実的な質感にも対応するため、ディスプレイ型の装置を開発した。この装置を使用することで、3Dモデルに対応したアバターの手の質感を体感することができる。これにより、自身の身体性の変異を感じるトリガーとして機能させる。
1G-24
BrickDisplay: 視差映像ディスプレイの分散配置による欠損を許した巨大空中像提示
〇三河 祐梨(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)、篠田 裕之(東京大学)
巨大立体空中像が提示できることは、バーチャルリアリティの分野で求められている。そして、それがより多くの場面で使用してもらうために、機材には接触時の危険性の無さや屋外で使用できること、また価格や設置・保管コストが低いことが求められる。本研究では、複数個の汎用モニタを、異なる種類を混ぜても良いという条件で寄せ集め、分散配置することで、手軽に巨大な立体空中像提示を可能とする手法を提案する。ディスプレイの枠、あるいはディスプレイ間の隙間により映像に欠けが生じるが、従来の学術研究によりその影響が少ないと仮定した上で、本ディスプレイを製作した。
1G-27
叩け!カラダドラム
〇島田 晃(慶應義塾大学)、森田 圭亮(慶應義塾大学)、飯塚 創太(慶應義塾大学)、神戸 大知(慶應義塾大学)、遠山 魁一(慶應義塾大学)、板垣 崇史(慶應義塾大学)、荒木 達彦(慶應義塾大学)、新井 達紀(慶應義塾大学)、中林 優樹(慶應義塾大学)、松谷 侑紀(慶應義塾大学)
「叩け!カラダドラム」は,体が楽器になったら楽しい!という誰もが感じるであろう憧れを形にする企画である.本企画では,ベルト型モジュールを取り付けるだけで体がドラム(楽器)になる感覚を誰でも体験できる.取り付けられたモジュールを叩くことで,ドラムが鳴ると同時にドラムの振動が叩いた箇所に伝わり,体のドラムを叩く感覚を体験する.複数人での体験も可能であり,ドラムの振動を共有しながら演奏体験を行う.