Sept. 18 2025
9月18日
口頭発表 09:50-10:30 嗅覚・味覚
座長:野間 春生(立命館大学)
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炭酸飲料における嗅覚刺激が味覚認知に与える影響の評価
〇聶 子荷(東京工科大学)、羽田 久一(東京工科大学) - 本研究はVR環境で嗅覚注入技術を用い、原味飲料の模擬体験の可能性を検討した。コーラ・レモネード・ラムネの3種で原味飲料と香料注入飲料のリアリティや没入感を比較した結果、炭酸飲料を頻繁に飲む被験者は識別が速く、酸味再現が難しいレモネードは特に容易に区別された。

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しゅわっとしソーダ:電気刺激と空中像によるクロスモーダル炭酸増強装置の実装
〇秋山 凜太朗(法政大学 大学院情報科学研究科)、山口 彩歩(法政大学 情報科学部)、小池 崇文(法政大学 情報科学部) - 我々は,炭酸感を電気で増強するコップと空中像提示技術とを組み合わせ,口腔内への刺激および視覚刺激という複数の感覚刺激によって炭酸感を増強する装置を実装した.飲料の味の評価には視覚情報も影響することが示唆されているが,電気味覚により炭酸感を増強する既存研究においては,視覚情報の提示はなされていない.本研究では,泡の空中像をコップ内に表示することで,炭酸飲料の刺激感やおいしさを高める手法を提案する.

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非軸対称速度分布を持つ渦輪挙動の数値解析
〇岡本 航紀(豊田工業大学 大学院)、渡邉 保真(豊田工業大学 大学院) - 近年のVR技術の発展に伴い、香りを人間の嗅覚に提示する「嗅覚ディスプレイ」に関する<#%BR%#>研究が活発化している。空気砲から発射される渦輪に香りを取り込んで搬送する手法は、<#%BR%#>香りを局所的に提示できる点で有力な技術とされている。先行研究では、主に軸対称な速<#%BR%#>度分布を持つ渦輪が採用されてきたが、本研究では、非軸対称の速度分布を与えた渦輪の<#%BR%#>渦崩壊に伴う挙動を利用した輸送手法について数値解析を用いて検討した。

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舌部電気刺激と嗅覚刺激を用いた清涼感増強手法の提案
〇大野 雅貴(東京大学、立命館大学)、田中 叡(電気通信大学)、青山 一真(東京工科大学)、和田 有史(立命館大学)、鳴海 拓志(東京大学) - 飲食物の清涼感は、消費者の購買意欲や快感情の向上に寄与し、飲食体験の重要な役割を担う。一方、清涼成分メントールは高濃度で不快感を惹起させるため、濃度増加による清涼感向上には限界がある。本研究では、化学物質に依存しない食品の清涼感増強手法として、舌部電気刺激と嗅覚刺激を併せて提示する方法を提案・検証した。その結果、舌部電気刺激とレモン香の同時提示により清涼感が増強して感じられることが示唆された。

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摂食行動に応じた環境の視聴覚刺激の低減による風味知覚の向上
〇日塔 諒太(東京大学)、小宮 晨一(東京大学)、伴 祐樹(東京大学)、割澤 伸一(東京大学) - 食事環境の視聴覚刺激は風味の期待を形成する一方,口腔内感覚への注意を妨げる課題があった.本研究では,摂食行動に応じて環境の視聴覚刺激を動的に低減し風味知覚を向上させる手法を提案する.カフェを模した環境で食品摂取時の風味評価を3条件(低減なし・咀嚼中低減・常時低減)で比較した.結果,咀嚼中に刺激を低減した条件でのみ,いちごの風味が有意に向上した.よって,摂食行動に合わせた動的な環境制御が風味向上に有効であると示唆された.

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A Wearable Olfactory Display: Driving Circuit Optimization for Supplying Fragrances
〇Zou Zhe(東京科学大学)、中本 高道(東京科学大学)、長谷川 晶一(東京科学大学) - We proposed a wearable olfactory display for VR, featuring the custom circuit to control the electroosmotic pump and micro dispenser in a fragrance supply unit for precise odor generation. The prototype's performance was validated by sensor tests and user feedback.

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アバタの想起させる風味イメージが飲料の風味知覚に与える影響
〇有川 由祐(東京大学)、小関 裕介(東京大学)、中野 萌士(東京大学)、鳴海 拓志(東京大学)、葛岡 英明(東京大学) - VR空間内での飲食体験の設計におけるアバタの利用の可能性を探索するため、アバタが喚起する風味イメージが飲料の風味知覚に与える影響を検証した。参加者は重厚さ、さわやかさ、甘さ・まろやかさの印象を持つ3種のアバタを用いてコーラを飲み、風味を評価した。その結果、甘さ・まろやかさを想起させるアバタでは口当たりのまろやかさが強調され、アバタの印象が対応する風味知覚を増強する可能性が示唆された。

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イオン性界面活性剤を用いた非電解質の呈する化学感覚制御手法の予備的検討
〇原 彰良(大阪大学大学院情報科学研究科、脳情報通信融合研究センター)、前田 叡一(KDDIアジャイル開発センター株式会社)、大村 悠斗(大阪大学大学院情報科学研究科)、古川 正紘(大阪大学大学院情報科学研究科、脳情報通信融合研究センター)、前田 太郎(大阪大学大学院情報科学研究科、脳情報通信融合研究センター) - 電気泳動を用いた化学感覚変調技術は、味覚と嗅覚の即時的な強度変調を実現している。しかし、当該技術は電解質の呈する化学感覚にしか適用できない。そこで本報告ではイオン性界面活性剤を用いたコロイド粒子を形成することで、非電解質の呈する化学感覚制御手法を提案する。この結果、電気刺激による化学感覚変調が生じなかった非電解質に対し、コロイド化した非電解質では化学感覚の変調が認められた。

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経皮電気刺激による味覚と嗅覚の独立制御可能性の検証
〇大村 悠斗(大阪大学大学院情報科学研究科)、原 彰良(大阪大学大学院情報科学研究科、脳情報通信融合研究センター)、前田 叡一(KDDIアジャイル開発センター株式会社)、古川 正紘(大阪大学大学院情報科学研究科、脳情報通信融合研究センター)、前田 太郎(大阪大学大学院情報科学研究科、脳情報通信融合研究センター) - 食体験において味覚と嗅覚の相互作用は重要であり、感覚を独立に制御することは体験向上に寄与する。近年、電気刺激を用いた味覚・嗅覚の即時的な変調手法が提案されているが、舌と鼻腔の経皮上の距離が近いことにより、両変調手法の配置電極が近接し、両感覚を独立に制御できない可能性が懸念される。本報告では、両感覚の独立制御の可否を検証した。その結果、味覚と嗅覚の独立制御が可能であることが示された。

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クラスタ型デジタル空気砲における渦輪通過位置の自動検出とキャリブレーション手法の検討
〇森田 尚樹(名城大学)、安藤 潤人(立命館大学)、野間 春生(立命館大学)、柳田 康幸(名城大学) - 香りプロジェクタとして用いられるクラスタ型デジタル空気砲(CDA)にて柔軟素材の偏向ノズルによって渦輪の方向制御が可能になった.一方で過去の研究では目標とした方向と実際に渦輪が進行した方向のずれが問題となった.本研究では短冊状の紙が並べられたスクリーンに渦輪が当たった位置を,紙の揺れから画像認識により自動検出し,これを用いた射出方向の自動キャリブレーション手法の検討を行った.

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陰極電気刺激を用いた辛味制御技術の提案
〇小野 有沙(大阪大学大学院情報科学研究科)、原 彰良(大阪大学大学院情報科学研究科、脳情報通信融合研究センター)、宮本 拓(大阪大学大学院情報科学研究科、株式会社エルシオ)、古川 正紘(大阪大学大学院情報科学研究科、脳情報通信融合研究センター)、前田 太郎(大阪大学大学院情報科学研究科、脳情報通信融合研究センター) - 従来の電気刺激における辛味制御においては、陽極電気刺激を用いているため、純粋な辛味提示を電気味が妨げている可能性がある。これを抑制するに、本報告では、辛味受容体のTRPV1の発火がカプサイシンと酸に対し相互作用をもつことに着目し、電気味が少ない陰極電気刺激を用いた辛味制御手法を提案する。

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Olfactory Whiteを活用した匂い再現装置の研究―日常生活臭の再現に向けた基礎的検討―
〇吉田 悠希(東京農工大学)、千田 隆介(東京農工大学)、野村 陸(東京農工大学)、松倉 悠(電気通信大学)、石田 寛(東京農工大学) - 30種類程度の匂いを混合すると,ある一定の匂いに近づくOlfactory Whiteと呼ばれる現象を活用し,その混合比を変更することで幅広い匂いの再現を可能にする装置の実現を目指す.これまで日常生活臭を18に分類した類型のうち,食品と花に関する8類型9種の匂いの再現を試みた.今回,新たに草木の類型を中心に8種の匂いの再現を試み,石鹸を除く7種で目標の匂いと類似した匂いセンサ応答パターンが得られた.
