Thursday, 14 September
9月14日(木)
口頭発表 09:50 - 10:30 触覚5
座長:牧野 泰才(東京大学)
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歯根膜受容器の選択的刺激にむけた口腔感覚情報の調査
〇金 佑相(電気通信大学)、岩濱 汐里(電気通信大学)、櫻井 翔(電気通信大学)、広田 光一(電気通信大学)、野嶋 琢也(電気通信大学) - 食感は豊かな食事体験に欠かせない感覚であり、咀嚼筋と歯根膜からの感覚情報により生成される。しかし、古くから着目されてきた咀嚼筋と比べ、歯根膜に関する研究や提案は少ない。本研究では経皮電気刺激による歯根膜の触覚受容器の選択的な活動を誘発し、歯ごたえ感覚の生成を目指す。本報告ではその準備として、電極の位置調整によって生成される感覚の種類とともに、その感覚の位置分布について報告する。
- 3A2-02
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球面配置型超音波触覚ディスプレイの曲率変化による焦点奥行移動の予備的検討
〇今 笙羽(電気通信大学)、成田 叡賦(電気通信大学)、溝口 泉(電気通信大学)、梶本 裕之(電気通信大学) - 集束超音波による圧覚提示において、位相制御を必要としない球面の焦点を利用した手法が知られている。しかし超音波素子が静的な球面上に固定されるため、圧覚点の移動が制限される。そこで我々は、素子を取り付ける曲面の曲率を動的に変化させることで、奥行方向における圧覚点の移動を実現する手法を提案する。本稿ではその予備検討として、曲率の異なる二つの曲面について音響放射圧による温度変化を計測した。
- 3A2-03
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温冷感を利用した直感的に使えるリモコンのデザイン
〇信田 聖果(法政大学)、ソン ヨンア(法政大学) - 人間の温冷感覚を利用した直感的に操作できるプロダクトの開発を目指し、ワークショップを行った。日常的に触れる多様な素材を用意し、触覚に関するアンケート調査と素材を利用した簡易的なリモコンのモックアップ製作を行った。<#%BR%#>その結果、素材が持つ柔らかさなどの触覚的特徴が温冷感と関係している事が示唆された。また、温冷感に影響する要素は、素材の触覚だけではなく、リモコン自体の硬さや形状、色、配置などもあることが分かった。
- 3A2-04
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単一モータで動作する巻物型触覚提示装置
〇太田 裕紀(奈良先端科学技術大学院大学)、平尾 悠太朗(奈良先端科学技術大学院大学)、ペルスキアエルナンデス モニカ(奈良先端科学技術大学院大学)、内山 英昭(奈良先端科学技術大学院大学)、清川 清(奈良先端科学技術大学院大学) - 巻物は一連のシート上に様々な情報を配置できる.また,シートを巻き取ることによって把持部の太さが変化する.これらの性質に着想を得た触覚提示装置を提案する.提案する装置は巻物と同様に,2つの軸とシートを備える.シート上に穴や物体を配置し,把持部へと移動させることで,多様な触覚を提示する.提示可能な触覚の例として,質感,柔らかさ,大きさ,形状などが挙げられる.
- 3A2-05
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足首への触覚刺激を介した遠隔コミュニケーションに関する基礎研究
〇伊藤 万由子(名古屋工業大学)、渡邊 淳司(日本電信電話株式会社)、田中 由浩(名古屋工業大学) - Covid-19の影響により遠隔コミュニケーション技術が注目され、遠隔での身体的コミュニケーションに関する研究も行われている。<#%BR%#>本研究では特に「存在感」に対する黙示的な身体性情報の役割に着目し、相手の動きに応じ足首に触覚刺激を提示するシステムを開発した。<#%BR%#>本システムの構成および、触覚伝送による心理的影響に関する調査の結果を報告する。
- 3A2-06
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腕や手の皮膚上での2点または直線刺激の長さ知覚特性の検討
〇隅田 莉香子(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)、黒木 忍(NTTコミュニケーション科学基礎研究所) - 触覚を通じた意思伝達手段の一つとして,他者の身体に指で文字を書く方法がある.先行研究では,アルファベットを被験者の手に書いて,その認識精度を調査したものはあるが,直線や曲線などの軌跡そのものをどう知覚しているかは未だ不明瞭である.そこで本研究では,直線でのなぞり刺激の長さ知覚特性が,刺激の速度や時間などの影響を受けるかについて,2点刺激と比較しながら観測をした.
- 3A2-07
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演奏者の内観を鑑賞者に伝える音楽視聴環境のデザイン
〇宇山 葵(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、脇坂 崇平(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、堀江 新(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、齋藤 達也(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、南澤 孝太(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科) - 音楽は演奏者の身体表現であり、演奏者は聴覚では捉えられない特有の音楽性を持っている。この研究ではそのような演奏者の個々の音楽性を身体情報から解析し、鑑賞者に振動と圧力による触覚提示を用いて新たなチャンネルとして伝える音楽鑑賞体験を提案する。これにより鑑賞の自由度の向上ともに、演奏者の表現の幅の広がりなど従来の鑑賞体験に変化をもたらすことを目指す。
- 3A2-09
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自己回帰過程のスペクトル分解に基づく筆記振動合成
渡辺 凌大(関西学院大学)、山﨑 陽一(関西学院大学)、〇井村 誠孝(関西学院大学) - タブレット上の筆記において紙上の筆記感を再現するペン型インタフェースの研究がなされている.本研究では,計測された複数の筆記振動の自己回帰(AR)モデルに対して,ARスペクトル分解を行い,対応する成分間でパラメータを補間することにより,筆記振動間の合成を整合性高く行う手法を提案する.少数の異なる筆記速度における振動を計測し,提案手法を適用することで,任意の筆記速度に応じた筆記感の提示を実現した.
- 3A2-10
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ウェアラブルな多チャンネル触覚計測・提示による触覚共有基盤
〇田口 晴信(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、鞠 玉蘭(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、神山 洋一(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、菅 健太(株式会社DALIFILMS)、堀江 新(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、田中 由浩(名古屋工業大学)、石川 博規(株式会社NTTドコモ)、南澤 孝太(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科) - 我々はネットワークを通じて感覚を共有するためにFEEL TECH™という触覚共有技術の開発に取り組んでいる。解像度の高い触体験を提供するには、多チャンネル化が一つの方法であるが、デバイスの重量化やコンテンツ開発の煩雑さが課題となる。そこで本研究では、このトレードオフを極力解消しながら高解像度な触体験を生み出すための指先振動触覚センシング・ディスプレイ、コンテンツ開発ワークフローを提案する。