プログラム

Open Virtual Exhibition プログラム詳細

発表番号は 部屋(A~C) + 番号 + (発表日) を表します。
全日程  9月16日(水)16:00-18:00  9月17日(木)17:00-19:00  9月18日(金)17:00-19:00    タイトルのみ
ポスター会場は、Hubs VRの各部屋ですが、体験デモ ライブデモはDiscordの「OVE発表別」エリアのチャンネルが中心です(Discordの入り方)
OVEはYouTube Live(16日 17日 18日)で中継します。1分発表1分質疑です。

HCI・モデル・シミュレーション

A01-(1)  ポスター 
  運之掌上:リアルとバーチャル間で対戦可能なマルチモーダルMRインタラクション  野村柾貴,森﨑慶人,脇田航 (広島市立大学)
近年、HMDを装着せずともVR体験者とともにVR体験を行えたり、リアルからバーチャルへと干渉できたりといった、リアルとバーチャル間でインタラクションできるようなシステムの研究がいくつかなされてきている。リアルとバーチャル間でインタラクションできることによって、VR体験などで生じる待機列で待っている人やHMDの使用に抵抗がある人でも一緒にVR体験を楽しむことができると期待される。しかしながら、リアルとバーチャル間でユーザ同士インタラクション可能な従来研究は視覚と聴覚を用いたものが大半であり、力覚などのほかの感覚を用いた事例についてはあまり報告されていない。そこで我々は、リアル側のユーザの入力に応じてバーチャル側のユーザに前庭感覚・体性感覚を呈示可能な対戦型MRコンテンツを提案する。
 

A02-(2)  ポスター 
  ARコンテンツに活用可能なスタンプ型デバイスの提案  羽賀夢馬, 橋口哲志 (龍谷大学)
デバイスの制作過程まとめ 
ライブ動画の配信が仕様上不可能であったため動画を配置することにします。
ARコンテンツにおいて,ジェスチャやコントローラーによる操作は現実世界と異なる体験である.特に操作する仮想物体への触感がなく,操作の心地よさが現実世界とは乖離している.よって,本研究ではARコンテンツで現実世界の自然な操作感と触覚的な心地よさを付与できるインタフェースとして,スタンプに着目した.スタンプは自然な動作で正確な位置を指定でき,さらにスタンプを押す動作,触感,音は心地よさを伴う.そこで,このスタンプを利用したデバイスを作製し,ARゴーグルと連動させるシステムを構築してARコンテンツへの活用を提案する.
 

A03-(1)  ライブデモ
  直感的な物体操作のための5指VRハンド  松木倫太郎 (東京農工大学藤田欣也研究室)
本研究では、現実の人の手と同様の構造や機能を持ち直感的な操作が可能なVR手の実現を目標に、リンク構造を持つ5指VR手を物理シミュレータを用いて実装した。ここで、VR指を実指に追従させる方法としてはVirtual Couplingが一般的であるが、単純にVR指と実指の各指節(リンク)の姿勢角をVCによって結合すると、各指節の角度誤差が蓄積されるため、実指とVR指の指先位置の差が大きくなりやすい。そこで本研究では、VR指と実指の指先位置のみをVCで結合し、VR指の他の指節は、各関節にバネを設置してInverse Kinematics法によって決定することで、より直感的な指先位置の制御を実現した。
 

A04-(2)  ポスター 
  有向グラフによるAUTOSAR定義の俯瞰をVR空間で行う試み  芦岡 徳之 (名古屋大学大学院情報学研究科附属組込みシステム研究センターAPToolコンソーシアム)
要素技術検証アプリ操作
自動車業界で多くの企業が導入を進めている「AUTOSAR」。その定義ファイル(AUTOSAR仕様のXMLフォーマット)は参照が多く、近年の車載ソフトウェアの大規模化により複雑さを増している。 前年度の研究では、有向グラフを使用して参照の表現を簡略化し、全体像を俯瞰できる独自の表記法を使ったPC上で動く試作ツールを開発したが、定義ファイルの情報量が多い場合、グラフがディスプレイの枠内に収まらず「俯瞰しづらくなる」という課題が残った。 今年度は上記の対策として、ユーザーの周囲を広く使えるVR空間上に有向グラフを自動生成し、その有効性の検証(可読性)を試みる。 ※ユースケースとしてはVRを利用した企業内レビュー(マルチユーザー)を想定している
 

A05-(3)  ポスター 
  OpenVSLAMを用いたデバイス・OSに依存しない自己位置推定システム  大森和斗, 清水啓太郎 (博報堂DYホールディングス)
ARCloud体験のデバイスやOSの制限を解決するために我々はOpenVSLAMを用いてデバイスやOSに依存しない自己位置推定システムを開発した.本システムによって,スマートフォンなどだけではなく,例えばWebカメラやドローンなど,カメラの搭載されたデバイスであれば自己位置推定・仮想空間の共有が可能になる.本システムはUnityで開発されたクライアントシステムと,OpenVSLAMを用いたサーバサイドシステムで構築される.クライアントから画像と相対座標値を送信し,サーバサイドで自己位置を認識し,相対座標値と絶対座標値のオフセットを返却することでこれを実現する.
 

A06-(3)  体験デモ 
  バーチャル空間を用いたAI学習  石川 大樹, 田村 貴紀, 成松 和輝 (株式会社理経)
【画像認識によるAI開発に必要な教師データを,バーチャル空間を利用して生成】 精巧な3Dモデルや周辺空間を製作しライティングなどの調整を行うことで,現実に近いフォトリアルなバーチャル空間を製作することが可能となる。現在,これを応用してバーチャル空間を用いたAIの教師用データ生成を行っており,自動運転車のAI学習や製造業における外観検査AIの学習などの用途で活用できている。更に本バーチャル空間を他のシミュレーションエンジンと連動させることで,この空間内でのオブジェクトの振る舞いについても現実と相違ないものとして再現ができている。
 

視覚(HMD)

A07-(1)  ポスター 
  視差式立体ディスプレイにおける融像困難問題に対する焦点深度情報削除の効果  稲守一晃, 木島竜吾 (岐阜大学 自然科学技術研究科)
HMD などの視差式ディスプレイでは,水晶体調節が固定された状態で輻輳の変化を利用して深 さを提示するため,両者に齟齬が生じ,これが近距離における融像困難の原因であると指摘されている. 本研究では,マクスウェル視を用いて調節固定を排除した視差式ディスプレイを製作し,融像の困難性 を定量的に測る被験者実験を行った.実験の結果は,調節が固定されない状態でも融像困難は解決でき ない可能性を示した.

A08-(1)  ポスター 
  対光反射を用いた定常視覚刺激型注視物体認識システムの研究  佐藤有理生 (鳥取大学持続性社会創生科学研究科 制御・ロボティクス研究室)
近年,アイトラッキング可能なHMDが登場しているが,頻繁なキャリブレーションが必要であるなど応用への課題もある.そこで注視点が点滅した際に引き起こされる瞳孔反応から人の注視点を解読する手法に着目し,キャリブレーション不要な注視物体認識を実現した.本研究では,さらにヘッドマウントディスプレイを用いてこの注視物体認識システムのMR空間への拡張を行った.これにより仮想と現実,人と機械とをよりシームレスに繋ぐMR空間におけるヒューマンマシンインターフェースとしての応用が期待できる.
 

A09-(2)  ポスター 
  視角提示におけるフレームレートと動体視力の関係  南部志門, 海田力, 木島竜吾 (岐阜大学 木島研究室)
現実空間に比べて仮想空間では動体視力が落ちる。単純には、HMD などのディスプレイでは、 フレーム期間中は表示内容が変わらないため、運動する物体をパースートすると生じるブラーのためと 考えられるが、被験者実験の結果はこの説明とは異なり、動体視力が視角速度とフレームレートの線形 結合の関数であることを示した。これは静止視力における指標サイズのような仮想空間における動体視 力の軸であると考えられる
 

A10-(2)  ライブデモ
  HMD光学系の光線空間プロジェクタによる収差補償の評価  犬飼悟, 木島竜吾 (岐阜大学)
光学シースルーHMDを単純な光学系で作る場合,広視野を得るためにワイドコンバージョン鏡を使用すると収差のため十分な解像度が得られない.3次元像を結像することができる光線空間プロジェクタを収差補償に用いれば,解像度制約を解消できると考えるが理論的には未整備である.本研究では,観察像の解像度を光線追跡シミュレーションと実測値によって求め,光線空間プロジェクタによる収差補償の効果を評価した.
 

A11-(3)  ポスター 
  HMD視点映像のプロジェクタ投影によるVR体験の共有  亀井 郁夫, 韓 燦教 (東京大学), 平木 剛史 (大阪大学), 福嶋 政期, 苗村 健 (東京大学)
HMDの普及により、個人がVR空間に没入して実空間とは乖離した体験をすることが容易になってきた。 しかしながら、HMDを装着してVRを体験する際には同じ実空間にいる他者にはその体験が伝わりにくいため、VR体験の共有やコミュニケーションが難しい。そこで、HMDにレーザースキャンプロジェクタを装着してVRプレイヤーの視野を実空間の壁面に投影することで、周囲の人の注視の方向が同期しかつ没入感のある体験を可能にすること提案する。その際の映像投影や描画の工夫や周囲の人が方向指示を通してVR空間に介入する手法を提案し、その実装および応用例を示す。

A12-(3)  ライブデモ
  HMDの解像度品質がユーザの重心動揺に与える影響を調べる重心動揺実験  浅野優, 三木萌花, 三輪光一郎, 木島竜吾 (岐阜大学工学部)
人間が仮想空間と実空間において同様な体験をするためには,HMDの解像度は重要である.解像度の変化がユーザに与える影響を調査するために,人間の平衡を指標として重心動揺実験により調査した.解像度の変化は,空間周波数帯域とその副産物であるジャギ―の運動を変化させる.特にジャギーの運動は人間の重心動揺に大きな影響を与えるが,その影響がどれほどであるかを知るためには実際に体験する必要がある. 本展示では,重心動揺実験の配信を通して,解像度という視覚情報の変化が人間に与える影響がどれほどのものか体験してもらうことを目的とする.実験の様子と被験者の視点,その重心動揺の軌跡をライブストリーミングにより提示する.
 

A13-(3)  ポスター 
  光学シースルーとビデオシースルーを用いた複合型HMDの提案  今村達哉 (大阪工業大学 大学院 ロボティクス&デザイン工学研究科), 中泉文隆, 大須賀美恵子 (大阪工業大学 ロボティクス&デザイン工学研究科)
既存の光学シースルー型HMD(Optical See Through HMD:以下OST-HMDと略す)には2つの課題がある.1つ目は中心視野に生じる輻輳と調節の矛盾である.これが生じると装着者にストレスを与えてしまう.2つ目は視野角が狭いことである.OST-HMDの理想は人間の視野角を満たすことであるが,現在は中心視野のみにしか提示することができない.よって輻輳と調節の矛盾が生じない広視野なOST-HMDを開発することが求められている.そこで今回の発表では,2つの課題を解決する複合型HMDを提案する.中心視野で生じる輻輳と調節の矛盾に対しては,ビデオシースルーを用いることで解決する.視野角の狭さに対しては,周辺視野には光学シースルー提示を行うことで視野角を広げる.

視覚(立体ディスプレイ)・ロコモーション

A14-(1)  ポスター 
  組み立て作業支援のためのARシステム設計補助ツール  田井中渓志 (奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科), 藤本雄一郎, 神原誠之, 加藤博一, 茂木厚憲, 倉木健介, 長村 一樹, 吉武敏幸, 福岡俊之 (株式会社 富士通研究所)
ARは様々な組み立て作業の支援に有効であることが知られている一方で,高品質なARシステムの設計には,情報デザインに関する知識や経験が必要となる.本研究では,不慣れな人でも効果の高い作業支援ARシステムを設計できるように補助するためのガイドラインを作成するとともに,そのアイデアをウェブツールとして公開している.今後多くの人々に利用してもらうことで,このガイドラインを検証・改善を行う予定である.

A15-(2)  ポスター 
  再帰透過光学素子を用いた光学系設計のための レイトレーシング法によるシミュレーションの応用検討  木内舜司, 小泉直也 (電気通信大学大学院 情報学専攻 小泉研究室)
再帰透過光学素子の活用は,視域や迷光,光源サイズなどの検討のため,実際の光学系を組み立 てる必要があり,多くの労力を要する.そこで,レイトレーシング法によるシミュレーションを検討す る.再帰透過光学素子を用いた既存の光学系を再現し,その性質に対する追試をシミュレーション内で 行った.実験の結果,シミュレーションの応用可能な場面と限界が判明した.
 

A16-(2)  ポスター 
  回転するペッパーズゴーストによる立体像提示シミュレーション  柴田 龍一、橋本 渉 (大阪工業大学 情報科学部)
ペッパーズゴーストによって表示される空中像を回転させ、全方位から観測可能な立体像を生成することが目的である。ペッパーズゴーストの視域を制限するため、視野角制御フィルムと組み合わせて立体像の表示を目指している。試作にあたってUnityでシミュレーションを作成し確認を行っている。立体像表示に適した視野角制御フィルムの性能や、回転速度を調査している。
 

A17-(3)  ポスター 
  再帰性反射光の広がりによる空中結像を利用した光源拡張手法  早川智彦, 柯毓珊, 石川正俊 (東京大学 情報基盤センター)
本展示では,再帰性反射材に対する点光源の反射光が広がりを持つことを利用し,光源に空中像を生じさせることでスマートフォンのディスプレイ空間拡張並びに照明装置への応用を提案する.本展示を行うにあたり,LED光源と再帰性反射材間の距離及びLED 光源の角度をパラメーターとした実験を行い,150 度で最も大きく空中像を生じさせることが可能だとわかった.その知見を利用し,スマートフォンでも空中像が生じさせ,ディスプレイ空間の外側での情報提示を実現した.今後の応用として,交通案内や照明・インスタレーション等への活用が期待される.
 

A18-(3)  ポスター 
  圧力低下時における霧型3次元ディスプレイの基礎検討  松野裕生, 木島竜吾 (岐阜大学)
霧箱の原理と超音波の圧力変化を使用した3次元ディスプレイを検討したが, ディスプレイの画素に相当する白い雲の発生時間が長かったことなど様々な課題が残った. 本内容では細長い容器に変更することで装置の容積を減らし, 事前に容器内の圧力低下をすることで減圧沸騰を起こしエタノール蒸気を容器内に充満させる. そして, 超音波を使用することで定在波の位置に圧縮・膨張が発生し, 圧力変化が起こることでエタノール蒸気が液体へと凝縮し白い雲が発生するのか, また, そのときの気圧はどれほどなのか, 調べることにした.

A19-(1)  ライブデモ
  現実空間の物体分布と人の行動特性を反映したVR空間のリアルタイム構築  松尾直紀 (関西学院大学大学院 理工学研究科), 井村誠孝 (関西学院大学 理工学部)
HMDを装着したユーザは,自身の周辺状況を知ることができないため,HMDを利用したVR体験は障害物のない空間を必要とするのが現状である.本研究では,あらゆる現実環境でVR体験を可能とすることを目標として,距離カメラから現実空間の障害物位置を計測し,同じ位置にVR空間でもバーチャル物体を設置することで,現実空間の物体分布を反映したVR空間をリアルタイムに構築する.人が実物体同様にバーチャル物体を回避するか定かではないため,バーチャル物体に対する人の回避行動の特性について実物体に対する行動と対比して調査し,得られた知見に基づいて,障害物のある空間でも世界観を損なわない現実空間の物体分布を反映したVR空間のリアルタイム構築システムを実装する.

A20-(2)  ポスター 
  ユーザ視点の加速度に基づいた描画面移動と拡大縮小による移動感覚提示の試み  山下知也,橋本渉 (大阪工業大学 情報科学部)
コンテンツ内のユーザ視点の加速度に応じて描画面を移動,拡大縮小させることで臨場感を高め,移動感覚を提示することができないかと考えた.これを検証するために,Unityを用いてシミュレーションを行った.自動車を題材として,自動車の加速度をリアルタイムで取得することで,様々な運転操作による加速度の変化に対応させ,描画面を移動,拡大縮小させることができた.
 

医療・健康・心理

B01-(1)  ポスター 
  妊婦体験と胎児体験を繋ぐ触覚相互コミュニケーションシステムTouch Loveの開発  木村正子 (北陸先端科学技術大学院大学), 藤井綺香 (東京大学), 伊東健一, 田中浩由 (名古屋工業大学)
胎児体験VR「Into the Womb」の拡張として,母親と胎児のインタラクションを模した触覚伝送システム「Touch Love」を開発した.本システムでは,母親役が腹部に巻いた加速度センサを備えた妊婦ベルトを触ると胎児役が着たジャケットの背中側の振動子を通じて触れられた感覚が伝わるとともに,胎児役が加速度センサを装着して足を動かすと妊婦ベルトの振動子を通じて胎児に蹴られたような感覚が伝わる.

B02-(1)  ポスター 
  VRを用いた体幹機能アセスメント・トレーニングコンテンツの開発  記田くるみ, 加藤士雄 (北海道科学大学大学院保健医療学研究科), 中島康博 (北海道立総合研究機構 産業技術環境研究本部 工業試験場 産業システム部), 田中敏明 (北海道科学大学大学院保健医療学研究科、東京大学高齢社会総合研究機構)
昨今、介護予防の意識の高まりから、在宅リハビリテーションの重要性が謳われている。しかし過疎地域ではセラピストの不足により実施が難しいため、これを補う手段として遠隔リハビリテーションが期待されている。本研究ではVR空間と現実空間の情報をリンクさせることで、在宅でもトレーニングできるゲームを試作した。座位、歩行、姿勢保持などに重要な体幹機能に着目し、体の動きによってプレイヤーを操作するゲームで、骨盤を前後に傾けたり、体幹を左右に動かすことで体幹筋群のトレーニングを行う。これらの動きをトラッキングすることで体幹機能を移動量や角度で数値化し、遠隔でも効果的な評価が可能である。
 

B03-(2)  ポスター 
  VRを用いた視空間認知障害者向けの評価ツールの開発  八木泉樹, 加藤士雄 (北海道科学大学大学院保健医療学研究科), 中島康博 (北海道立総合研究機構 産業技術環境研究本部 工業試験場 産業システム部), 工藤章, 杉原俊一 (医療法人札幌秀友会病院), 田中敏明 (北海道科学大学大学院保健医療学研究科、東京大学高齢社会総合研究機構)
 視空間認知障害は脳卒中に合併する高次機能障害である. 代表的なものは左半側空間無視で,自身の左空間を認識できず,左側の障害物に衝突するなどの現象がみられる.臨床における障害度の判定は紙面上の検査で行われるが,3次元空間では、その障害特性は見出せない場合がある.  そこで,本研究では3次元空間内での障害特性を把握するためにVRを用いた新たな評価ツールを開発した.このツールではHMDを用いて仮想空間内で物体の探索課題をおこない,正しく認識できない領域を判定する.また,課題遂行中の眼球の動きをトラッキングし,視線による探索動作も分析に使用することができるため,視空間認知障害の新たな特性を見出す可能性がある.
 

B04-(2)  ポスター 
  バーチャル・手術機器ミュージアム作成の試み  藤原道隆, 桜井麻奈美 (名古屋大学シミュレーションセンター)
我々の施設は,シミュレーション医療教育や研究,診療支援のセンターである.中核であるSimサージ&ギャラリーは,1990年代から急激に発展した内視鏡手術機器を中心とした手術機器のミュージアムの中に,手術などのトレーニング機器を配置するというユニークな構造である.手術機器の作動原理,機能の特徴や注意点に関する情報をどのように伝達するかが課題である.現在は,実機やVR手術シミュレータの近傍で映像展示を併用しているが,個別の機器の情報提供を含め,より機器と直結した情報提示が必要と考えられる.今年,Covid-19感染のため,学外者が来訪してセミナーに参加することが困難となり,実際に来館されなくても見学できるバーチャル・ミュージアムを作成してみた.
 

B05-(3)  ポスター 
  身体提示領域の減少が全身所有感の生起時間に及ぼす効果  近藤亮太 (豊橋技術科学大学)
身体所有感の錯覚は視覚・触覚同期刺激や視覚・運動同期刺激の提示によって生じる。部分所有感であるラバーバンド錯覚は23秒で誘発され,全身所有感においては5秒間身体を観察するだけで生じる。しかし,透明身体のように身体提示領域を減らした際の生起時間は明らかとなっていない。本研究では,手袋と靴下からなる透明身体における全身所有感の生起時間を調べた。その結果,6.93秒の同期運動または4.67秒の観察で全身所有感が生じた。
 

B06-(3)  ポスター 
  VR暴露療法システム評価~コロナ禍でのオンライン計測の模索  木場晏也 大須賀美恵子 (ウエルネス研究室)
 特定の対象に過度な不安を感じる不安症の治療方法にVRを利用するVR暴露療法がある. 私たちは不安レベルを推定し,これを適切なレベルに保つようにVR環境を制御するVR暴露療法システムを提案した。 低負担で計測できる生理指標から不安レベル推定化手法の検討をした.その結果,不安レベル推定式を立てた. 次に不安レベル推定手法の評価とVR空間の評価を行う予定だったが,今日のコロナ禍によりオンライン環境での実験を余儀なくされた.そのため,オンライン実験の模索をしている. 現在はVR空間をスマートフォンにビデオ会議アプリを用いて画面共有し,簡易HMDでのVR空間の提示と,BITalinoを用いた簡易な生理計測機器の開発を予定している.

VR応用(教育・産業)

B07-(1)  ポスター 
  Virtual Presentation Spaceを用いたオンライン授業配信  矢野浩二朗 (大阪工業大学)
コロナウイルス感染拡大により、大学をはじめ、多くの学校がオンラインでの授業配信を強いられた。オンライン授業配信には、録画授業によるオンデマンド配信や、Zoomなどのオンライン会議システムを使ったライブ授業があるが、いずれの方法においても、授業の形式の多くはスライドショーに音声を付与するタイプのものが多く、授業を受けているという臨場感に欠けるという声が受講生から多く聞かれる。そこで筆者は、アバターを用いてVR空間から資料を使ったプレゼンテーションの録画や配信を簡便に行えるシステム Virtual Presentation Spaceを開発した。このシステムを用いることで、より分かりやすく、講師の存在感があるオンライン授業を配信することが可能になった。発表では、筆者が実際にこのシステムを持ちいて2020年度前期に本務校で授業を行った経験から得られた知見についてもお話したい。
 

B08-(1)  ライブデモ
  リアルタイム物性予測を用いたVR型材料設計システム  松田健郎, 梶田晴司 (株式会社豊田中央研究所)
本研究では,高性能かつ実現性の高い材料設計のため,リアルタイムで物性値がフィードバックされる仮想実験環境を開発する.近年,機械学習を活用した材料開発「マテリアルズ・インフォマティクス(MI)」が注目されている.これは新規材料の物性を既存材料データから予測することで,高性能な材料を効率的に探索する手法論である.しかし現行のMIでは,合成プロセスなどの考慮は難しく,実現性の低い材料も提示してしまうことが課題である.そこで,VRによって仮想実験室を作成し,MIによる物性予測と設計者の合成容易性の知見を有機的に結びつけることで,材料開発の試行錯誤を高速化するシステムを構築した.

B09-(2)  ポスター 
  ARを用いた小学校理科の学習支援アプリの開発  ゴミントアン (大阪工業大学)
使用機材は、UnityとARCoreです。ARCoreとは、GoogleがAndroid向けに提供しているARプラットフォームです。スマホ内蔵のカメラやモーションセンサだけでARコンテンツを構築することができます。 内容は、平面を検出し、その平面上にあらかじめ設定した実験の道具を設置します。それを操作して、観察するというイメージです。現在作成したものは振り子の実験を再現しており、支点と球の距離や球の重さを変更すると揺れる周期がどう変わるかという実験です。現在は事前に決めた設定のものを置いて観察するというものになっておりますが、使用者が球の重さや支点との距離を設定できるようにする予定です。

B10-(2)  ポスター 
  電気刺激による筋収縮を利用した投球時リリースポイント訓練システムの試作  森 大樹, 坂口 正道 (名古屋工業大学)
電気刺激による筋収縮を利用し,投球動作時のリリースポイントを訓練するためのシステムを作成した.一般的に,電気刺激・機械刺激などの外部刺激による身体運動には,ユーザーの運動主体感が伴わないことが多い.しかし近年の研究では,ユーザーの意思よりも僅かに早く電気刺激で身体を動作させた場合に,運動主体感が生じることが報告されている.そこで運動主体感を活用した技能訓練システムの試作として,前腕筋への電気刺激を用いた投球時リリースポイント訓練システムを作成した.
 

B11-(1)  体験デモ 
  オンラインRPG風に対話を行うことのできるポスターセッションソフトウェア  甲斐洋行, 吉田慎哉 (東北大学), 第3回COI学術交流会実行委員会 (JST COI)
デモサイト
最近の新型コロナウイルス感染症の流行によって,学会・研究集会をオンラインで行うことが余儀なくされている。しかしながら,オンラインにおいて,特にポスター発表のようなインタラクティブなコミュニケーションが必要とされる発表形式をオンサイトと同様にスムーズに行うのは困難である。本発表では,2次元のマップ上で各自のアバターが自由に動き回り,ポスター閲覧・コメント,グループチャットをスムーズに行うことができるオンラインRPG風のバーチャルポスターセッションアプリを紹介する。ウェブアプリケーションとして動作し,ユーザーが特別なハードウェアを用意したり,専用のソフトウェアをインストールする必要がない。

B12-(3)  ポスター 
  「高臨場感を活用した科学コミュニケーションコンテンツの開発」〜絵本を活用した色の高臨場感体験〜  近清 武, 小木 哲郎 (株式会社マイクロミュージアムラボラトリー)
絵本「なないろどうわ」を原作としたドームシアター向け番組を開発。 絵本というメディア体験からドームシアターの高臨場感体験へ変換するにあたり、色の高臨場感体験を特徴として映像デザインを行い、その効果について3mドームでの視聴体験を通したアンケート結果から考察を試みた。

B13-(3)  ポスター 
  タイの教育および産業でのXRの活用事例  高山 智至 (Techno Brave Asia Ltd.)
2016年に東南アジアのハブであるタイのバンコクにXRの開発会社を立ち上げ、現地の大学や企業とXRの技術と特性を活かした実用性の高いXRのアプリケーションの開発を行なってきてます。今回は、実際にタイの大学やビジネスシーンで活用されているXRのユースケースと当社の開発体制、取り組みを発表いたします。
 

身体・アバター・コミュニケーション

B14-(1)  ポスター 
  当事者研究として捉えたアバターコミュニケーションの可能性と課題  Holographic(じゅりこ・よーへん) (株式会社リ・インベンション)
「アバターは他者に承認されるための道具として使うことで自己が囚われることもあれば、自由に自己表現できるメイクにもなる」学術系VTuberユニット「Holographic」は49名の専門家とともに、2年に渡ってアバターコミュニケーションに関する考察を重ねてきた。そこでアイデンティティを自由にデザインできるアバターの特性から生まれた「アイデンティティの連続性」「他者承認」「ジェンダー」の3つの課題を定義し、「アバターを纏うことで、性別の規範から逃れて自由に感情表現や行動ができるようになる」ひとつの可能性を提示した。今回は6月にフランスの美術館が主体となった国際会議での発表内容を踏まえつつ、アバターのジェンダーとアイデンティティの関係性について言及する。
 

B15-(1)  ポスター 
  視触覚干渉効果による身体所有感の客観的評価  高祖 信宏, 三武 裕玄, 長谷川 晶一 (東京工業大学)
現在,一人称視点VRシステムの評価を行う際,身体所有感や一体感をアンケートで調査することが一般的である.しかし,アンケートは,客観的な評価に適しているとは言い難い.そこで私は,身体所有感を客観的に評価する手法として,視触覚干渉効果を提案する.視触覚干渉効果は,被験者に触覚刺激と視覚刺激を与え,識別課題を行なった時の反応時間から計算される.この効果は,視覚刺激が取り付けられた物体を自分の身体であると感じているほど大きくなることが知られており,身体所有感を客観的に評価する手法として,適していると考える.

B16-(2)  ポスター 
  Editable arm: 腕の制御方法を増やして,できないを減らす 〜融合・複製・超複製〜  萩原隆義 (豊橋技術科学大学), 杉本麻樹 (慶應義塾大学理工学部), 稲見昌彦 (東京大学), 北崎充晃 (豊橋技術科学大学)
人は2本の腕を持っているが,VRやロボティクスを用いて制御方法や形態を変化させることが可能である.両腕を50%ずつの割合で制御する融合モード,片手で両腕を制御する複製モード,両腕で4本の腕を制御する超複製モードという3つを自在に変化させることのできるEditable armを開発した.精度を重視する作業や,速度・量を重視する作業といった様々な状況に応じて制御と形態を変化させることにより,通常よりも効率的・高速な作業が可能となることが期待される.また,片腕を動かせない方でも,健常者と同等の作業を可能にするだけでなく,より最適化された作業を行える可能性を持つ.
 

B17-(2)  ポスター 
  :VR空間のアバタに対する身体所有感を高める手法の提案  本多誼海 (大阪工業大学大学院ロボティクス&デザイン工学研究科)
私は学部でVR空間のアバタに対する身体所有感生起についての研究を行っていました.私の研究の最終的な目標はVR空間のアバタへ完全に身体転移をしVR空間を自由に動けるようにすることです.今回はその目標への第一歩として身体所有感に関連した様々なアイデアを紹介し意見をいただきたいと考えています.具体的には腕に重心を変化させるようなデバイスを取り付けた時に腕が伸びたような錯覚を引き起こすのか,身体を動かさずにアバタを操作した際の身体所有感はどうなるのか,磁石の反発を利用した触覚デバイスを用いた時疑似的な凹凸の触感を再現できるかなどの案を考えています.

B18-(3)  ポスター 
  ヒトとロボットの阿吽コミュニケーション~餅つきVR体験~  安藤孝三 (安藤孝三:早稲田大学創造理工学研究科総合機械工学専攻), 加藤史洋 (加藤史洋:早稲田大学グリーン・コンピューティング・システム研究機構 次席研究員), 岩田浩康 (岩田浩康:早稲田大学理工学術院/創造理工学部総合機械工学科)
他者と協力した作業では,お互いの息が合った「あうんの呼吸」が成立する場面がある.しかし,あうんの呼吸の成立条件及びその効果については明らかでなかった.本研究ではヒトとロボットの協調作業における「あうんの呼吸」を実現するために「餅つき」を題材にしたVRシミュレータを構築した.ロボットアームが杵で餅をつき,体験者はそのリズムに呼応して合いの手をいれる.本提案ではロボットアームの動作周期の変動によりあうん性を感じさせるデモを展示する.
 

B19-(3)  ポスター 
  垂直モニタを用いたリモートコラボレーションにおける最適な3次元作業空間の検討  谷口 智生 (大阪工業大学 大学院 ロボティクス&デザイン工学研究科), 中泉 文孝, 井上 雄紀 (大阪工業大学 ロボティクス&デザイン工学部)
直面のモニタを使ったリモートコラボレーションの研究は,ホワイトボードをモチーフとした2次元的な作業空間を用いるものが多く,非言語コミュニケーションにおいて重要な手指,視線等の提示方法の検討も多く行われている.反面,3次元的な作業空間についてはこれらをどう提示すべきかという研究があまり進んでいない.本研究では直面モニタを用いたリモートコラボレーションにおいて共同作業者や作業空間,手や視線等を3次元の作業空間上にどう提示すべきかを調査している.今回の展示では,共同作業者とその手に注目してより適切なそれらの提示方法を提案する.

ハプティクス

C01-(1)  体験デモ 
  熱狂共有技術 VibeShare を利用したライブゲームの視聴者体験  山崎勇祐 (山崎勇祐:GREE VR Studio Laboratory), Liudmila (Mila) Bredikhina (Liudmila (Mila) Bredikhina:Geneva University), 白井暁彦 (白井暁彦:GREE VR Studio Laboratory)
 VibeShareは観客が発する出演者へのメッセージを触覚刺激に変換して伝達することで、ライブ演奏中やゲームプレイ中でも両者がリアルタイムにインタラクション可能となるライブエンタメ技術です。  その活用例として、VirtualCast を用いたライブゲームの配信プレイを行います。来場者は会場に設置されたURLやQRコードからYouTube 配信ページへ移動し、文字コメントを送ることで、プレイヤーへの触覚刺激の伝送やゲーム内オブジェクトの操作を行い、プレイヤーをゲームクリアに導くことができます。プレイヤーと連携してゲームを進めていく過程で、視聴者からプレイヤーの仲間となっていく体感を感じられます。
 

C02-(1)  ポスター 
  即時的な非接触冷覚を制御するための冷却モデルのパラメータ推定  許 佳禕 (筑波大学 理工情報生命学術院 システム情報工学研究群), 吉元 俊輔 (東京大学 大学院新領域創成科学研究科), 石塚 裕己, 池田 聖 (大阪大学 大学院基礎工学研究科), 黒田 嘉宏 (筑波大学 システム情報系)
非接触即時的な冷覚制御が実現すれば、南極や北海道などの寒い環境へ行くような感覚を瞬時に切り替えることが可能になる。冷覚は皮膚の温度変化の速さに反応する。従って、温度変化の速さを意図した通りに変化させることによって冷覚を制御することが可能になる。本研究では、熱工学分野において発見されたボルテックス効果を応用した低温熱源を用いて冷覚を非接触で提示する。皮膚の温度変化を予測できる冷却モデルを構築し、低温熱源より生成された冷気の流量を変えることによって温度変化の速さを変化させ、異なる冷覚を提示する。また,計測データに合うようなモデルパラメータを推定するため,モデルの曲線フィッティングを行う。

C03-(2)  ポスター 
  リアルからバーチャルに干渉可能な全方位型MR風力呈示システム  劉ジンイ,脇田 航 (広島市立大学)
本研究ではリアルからバーチャルに干渉可能な複合現実型風力呈示システムを提案する。具体的には、リアル側のユーザがVIVEコントローラーで仰ぐと、仰ぐ速度と方向に応じた風が現実世界とバーチャル世界共に発生する。このシステムを利用することによって、例えばフライトコンテンツにおいて、フライト中のユーザの操作を邪魔したり、支援したりする等、観覧者も一緒になって同じVRコンテンツを楽しむことが期待できる。

C04-(2)  ポスター 
  相互常時触覚通信の提案  小野寺将, 三武裕玄, 長谷川晶一 (東京工業大学)
本研究では,日常生活の動作や話している雰囲気を,振動として常に相手に伝える相互常時触覚通信を提案する.この通信は,前腕の動きと喉の震えを加速度センサーで測定し,相手の首周りの振動提示装置に振動波形として伝える手法である.この手法を用いて長期間利用し,振動に慣れることで,振動から伝わることや日常生活に及ぼす影響を調べることを目的とする.本稿では,長期間利用できるようなシステムの提案およびシステム構成について述べる.

C05-(3)  ポスター 
  皮膚色変化による圧力分布計測手法の予備的検討  金子征太郎, 梶本裕之 (電気通信大学)
指先にかかる圧力分布の計測は触感再現等に必要なセンシング技術の一つである.本研究では,皮膚に圧力がかかった際に色が変形することに着目し,非接触での圧力分布計測を可能にする手法を提案する.本手法は凹凸面越しの皮膚色変化をカメラによって撮影することで圧力分布の計測が可能とする.評価として皮膚の色変化がアレイセンサ上での圧力分布と対応していることを確認し,皮膚色変化が持つ空間解像度の定量評価を行った.

C06-(3)  ライブデモ
  覗きVR 「バスタブの先に広がる世界」  KuMA (Kumamoto university Metaverse Architect) (熊本大学)
我々は水流とペルチェ素子を用いた顔面へ温冷感覚を提示するマスク型ディスプレイを開発中である.現状のバーチャル世界へのインタラクションはその中で感じる知覚のリアリティの追求は多くなされているが,現実世界とバーチャル世界の境界面の提示感は乏しい.そこで我々は顔面への温冷覚,圧力,風の提示とバーチャル映像の切替を組み合わせることで境界面の再現を目指した。これにより氷山や砂漠など普段実世界で気軽に体験できない空間への没入感が期待できる.本発表ではユーザ実験を通して得られた本ディスプレイによる触覚提示感覚の評価及びインタラクション例を実際に紹介する.

C07-(3)  ポスター 
  鳴きゼリー:柔軟物体の疑似力覚研究用アプリ  佐瀬一弥 (東北学院大学)
デモ 動画
スマートフォンの画面に表示された柔軟物体をタッチで変形させる際に,柔らかい感触(疑似力覚)を生起させる振動提示手法を調査したい.本発表ではそのような研究に利用可能で,Webブラウザだけで動作するアプリ“鳴きゼリー”を試作したので紹介する.本アプリでは,JavaScriptで実装した柔軟物体の物理エンジンが動作し,タッチした指に作用する力がリアルタイムで計算される.その計算された力に応じた音声信号をWeb Audio APIによって生成する.音声信号はスマートフォン端末を振動させ,指に振動フィードバックを与える.紹介するデモでは,フルーツゼリーが表示され,タッチにより生じた力に応じて音声が生じる.デモURL(インストール不要):http://sasekazu.info/naki-jelly/
 

アート・エンタテイメント

C08-(1)  ポスター 
  「バ美肉おじさん」の構成的理解:バーチャルとフィジカルのズレや隙間を強調する手法の研究  内田聖良 (秋田公立美術大学)
実験動画配信YouTubeチャンネル
「バーチャルユーチューバー(VTuber)」の中には、「バーチャル美少女受肉おじさん」と呼ばれる、(バーチャル)美少女と(フィジカル)おじさんという「ズレ」のあるものを組み合わせ、しかも、あえてそのズレを観客にほのめかす例がある。本研究では、それらの事例が、鑑賞者の態度をステージと観客席のような向かい合う関係から、漫才の相方のように隣に並ぶ協力的なものに変化させる傾向があるのではないか、そしてそれは、現代の「共有=監視」社会のコミュニケーションを円滑にするために、自然発生的に生まれた新しい「冗談」の手法なのではないか、という仮説をたて、俳優と劇作家と協同し実際に「バ美肉おじさん」を制作してみる。また、既存の事例に見られるフィジカルな男性とバーチャルな少女の組み合わせだけではなく、別のパターンでも、このズレのほのめかし感(仮面から顔がはみ出ているようなおもしろみ)が感じられるか、探求する。

C09-(1)  ポスター 
  ブーツの製作  狐ン
 VRSNS上で使用するアクセサリーが欲しいと考え、モデリングの練習を兼ねてblender上で製作を開始した。  形だけでなく、色を付ける為に使用するテクスチャやモデルを動かすために必要なボーンを組み込み、実際に動かす事が可能かつ見栄えの良いモデルを製作することができた。  しかし事前に想定した動きにはならず、VRSNS上で使用すると足がはみ出してしまう問題があり、今後も調整が必要である。  このモデルの製作により、モデリングの基本的な製作手順を理解し、ある程度の技術を習得することができた。

C10-(1)  ポスター 
  水への恐怖心を感じるインスタレーション作品  仁藤大貴, 串山久美子 (東京都立大学大学院システムデザイン研究科インダストリアルアート学域)
本研究は、水に対する危機感や恐怖心を引き起こす要因を基に、水を使用した水深のあるインタフェースの開発を行った。水に触れることの独特の触感を体験者に与えることを重視し、3つの手法の比較を行ったところ、水位センサーによる接触深度の数値化は精度が高く、インタフェースとして開発できることがわかった。表現の分析では、水の一般的なイメージとその傾向とともに、水に危機感や恐怖心を感じた瞬間の分類を中心にアンケート調査を行い、それに基づいて、水深のあるインタラクティブなインタフェース展示作品の提案を行った。潜在的な水への恐怖心を引き出しやすい環境を体験者の内部に宿すことで、水への危機意識を向上させる、水の新たな表現を試みた。
 

C11-(2)  ポスター 
  杉森ゼミのバーチャルYoutuber「林美桜(はやしみお)」  鈴木袈生, 津ヶ谷麻友, 小澤弘, 齋藤洋佑, 中田遥己, 鈴木海登, 杉森順子 (桜美林大学 杉森順子研究室)
桜美林大学の杉森研究室では、新たにVTuber「林美桜(はやしみお)」を制作し、公開を行った。スクールカラーのワインレッドと桜からイメージを広げ、若者から支持されることを目指してキャラクターデザインを行い、校名の「桜」「美」「林」にちなみ名付けた。中の人(声優)は、学内外に向けた公募によるオーディションを実施して、イラストのイメージに合わせて人選を行った。4月から企画を始めLive2D、FaceRig、Adobeソフト等を用いて制作し、8月に公開。その過程で2Dモデルが表現出来る動作や表情の限界、キャラクタープロデュースの難しさ、体制の維持などの課題が明らかになった。現在よりリアルな動きや表現力が期待できる3Dモデルの制作を進めている。
 

C12-(2)  ポスター 
  スライドボードを用いた横移動型VRスケート  西 尚登
人は視覚や前庭感覚、体性感覚などの複数の情報を統合して運動感覚を知覚する。先行研究においても、映像にあった身体動作を提示することにより、より現実体験に近い感覚を得ることが示されている。これらの原理を応用し、左右移動の運動刺激とその移動量とシンクロした形で前進する視覚刺激を提示することで移動感を与える、トレーニング用スライドボードを用いて楽しめるVRスケートゲームを考案した。このゲームでは、現実空間にてスライドボード上で左右の動きを行うと仮想空間内で前進し、まるで実際にスケートをしているかのように楽しむことができる。
 

C13-(3)  体験デモ 
  多彩で魅力的な触れ合いのできる自律キャラクタVGentと体験用オンラインVR環境  小栗 賢章, 三武 裕玄, 杉森 健, 佐藤 裕仁, 長谷川 晶一 (東京工業大学)
我々の研究室では自律キャラクタのモーションをデザインし、身体的なインタラクションを行う自律キャラクタの制作ソフトVGentEditorを開発している。今回は、VR空間でプレイヤーのアバター自律キャラクタの接触を可能にするシステムを実現し、VGentEditorによって接触箇所や接触力によって多彩な反応を行う自律キャラクタを制作した。また、自律キャラクタとの触れ合いを遠隔地から多人数で体験できるオンラインVR環境も実現した。本発表では、体験者がコントローラ付きHMDを使用して遠隔地から自律キャラクタや他体験者と共有するVR空間に没入し、自律キャラクタとの触れ合いを体験することができる。
 

C14-(3)  ポスター 
  「むしむしキャッチ」ゲーム  原ひなの (桜美林⼤学 杉森研究室), 三好朝輝 (愛知⼯科⼤学 永野研究室), 永野 佳孝 (愛知⼯科⼤学 ⼯学部), 杉森順⼦ (桜美林⼤学 芸術文化学群)
「むしむしキャッチ」は、プロジェクタでスクリーン(壁⾯)に投影された可愛い⾍たちを、実物の⾍取り網で捕まえるインタラクティブゲームです。個性があふれる⾍たちを、実際の⾍の特徴を活かしてキャラクター化し、⼦供たちから愛されるような可愛らしいデザインとしました。ゲームは⾍取りの網に⾚外線LEDを取り付け、カメラで⾚外線を検出して網の中⼼位置を特定し、⾍の座標の中⼼と重なった時に捕獲と判定される仕組みになっています。投影された壁⾯を動き回る⾍たちを楽しみながら捕まえるゲームをつくることで、もっと⾍を好きになってもらいたいと願い制作しました。2021年1⽉の桜美林⼤学卒業制作展でも展⽰する予定です。

C21-(2)  ポスター 
  0-9save:環境振動に基づく音波を処理して楽音合成  三澤 太智,  (0-9studio)
0-9studio ホームページ
これまで環境音の音声処理手法は多々あるが,その正確な制御に基づく音階構成,等は困難だった.例えば,既存音楽技術を鑑みれば,その音源は概して電子音源の類(録音再生,アナログ電子音,デジタル電子音,等)だったと思われる.しかし,本手法によると,人間行動でありうる環境を音源として,その振動に基づく音波を処理し,環境由来の生楽音を響かせることができる.その結果,例えば,環境の振る舞いを音楽構成の一部として予定し,文化性(culturality)等の音声成分を抽出してオシレーター(ノコギリ波発振子等)のように演奏する作曲,サウンドデザイン,生楽音のバーチャル演奏,等の展望が開ける.
 

テレプレゼンス・聴覚提示

C15-(1)  ライブデモ
  TwinCam Go  八木 龍之介, 森田 翼, 菊地 勇輔, ヤェム ヴィボル, 池井 寧 (池井・ヤェム研究室(東京大学,都立大学))
TwinCam Goは,HMDを利用したライブ遠隔全天周立体視システムであり,遠隔の操縦者がSegwayでカメラを移動することで操縦者とほぼ同様に遠隔での視点移動を可能としたテレプレゼンス体験装置です.Segwayによるカメラの移動,つまり視点の移動に対応して観察者の着座した前庭感覚ディスプレイが身体フィードバックを与え,変動する映像によるVR酔いを低減することが可能となっています.

C16-(1)  ライブデモ
  五感シアターの展開  末田 岳, 山岡憲太郎, 海野みのり, ヤェム ヴィボル, 池井 寧 (池井・ヤェム研究室(東京大学,都立大学))
五感シアターは,過去の身体運動を含む体験を別の人が追体験するための五感提示装置です.行動に伴う身体運動感覚を,周辺の環境の情報とともに再現することにより,自分が体験したように他人の体験を知ることを目指しています.環境中を歩行する身体感覚を生成するためのディスプレイにより,直線歩行だけでなく,向きを変える旋回歩行の提示制御,身体姿勢の依存性などについて研究を進めています.

C17-(2)  ポスター 
  どこでもTravel:オムニホイールアバターロボットを使用した遠隔歩行体験  森田 翼,菊地 勇輔,ヤェム ヴィボル,池井 寧 (東京都立大学 池井・ヤェム研究室)
テレプレゼンス分野の歴史は長く,遠隔地での体験を伝えるための研究開発が行われている.テレプレゼンスロボットの操作において,ジョイスティックやキーパッドを使用すると,体験中の歩行感覚を低下させてしまう可能性がある.本展示では体験者の腕振りを遠隔ロボットの入力操作とすることで,遠隔地を移動する際の臨場感を高めつつ,映像による視覚と足音のフィードバックを行う構成を提案する.遠隔ロボットとして,2台の360度カメラを取り付けたオムニホイール型ロボットを開発し,平面を3自由度で移動することができる.体験では,体験者が腕を振ることで遠隔ロボットを操縦でき,東京都立大学の様子を見ながら移動することができる.
 

C18-(2)  体験デモ 
  連続反応遅延の知覚を減少するための受動感覚フィードバックを用いた調協作業アバターロボット  山岡 憲太郎, 末田 岳, ヤェム ヴィボル (東京都立大学), 池井 寧 (東京大学)
アバターロボット反応の遅延を連続に知覚しないために,ユーザはロボットを連続的に操作する必要がなく,ロボットが行動するときに感覚フィードバックを受動的に知覚できる方法を提案した.ロボットはユーザの音声を認識でき,ユーザの指示に従って協調作業を行う.これによって,ユーザが感覚フィードバックの連続遅延の知覚や疲労感を低減し,経験の質やタスクの効率も向上させると考えた.デモ体験では,参加者は与えられたURLとRoom IDにアクセスし,いくつかのターゲットを探してもらうようにロボットを指示する.そして,ロボットが動くとき,歩行音と映像の感覚フィードバックを知覚する.
 

C19-(3)  ライブデモ
  Tele-XR (遠隔対話アバタ)  菊地勇輔, ヤェム ヴィボル, 長井超慧, 池井 寧 (池井・ヤェム研究誌(東京大学,都立大学))
我々が開発している全周立体視が可能なテレプレゼンスカメラによって,HMDを装着したユーザは遠隔地の高いリアリティが得ることができる.しかしながら,それを用いて遠隔地の人と対話する場合には,遠隔地の人は対話相手のユーザの顔を見ることができない.そこで,遠隔地の人がMRグラスを利用することによって,カメラの位置にユーザのアバタを提示して自然な対面対話に近いコミュニケーションを図れるシステムを構築している.本デモでは,本人を表す立体アバタを用いた対話支援の構成を紹介する.

C20-(3)  ポスター 
  交流型WebVRにおける空間音響のオンライン評価手法  坂口塔也 (静岡大学 情報学部), 山崎勇祐 (GREE VR Studio Lab), Bredikhina Liudmila (Geneva University), 白井暁彦 (GREE VR Studio Lab)
オープンソースで実装されているWebVR コラボレーションプラットフォーム「Hubs」では、空間音響にWeb Audio API のPannerNode インターフェイスが実装されている。立体音響は空間や距離感を認識する上で重要である一方、ネットワークで接続された同一空間内の不特定多数のユーザによる動的に移動可能な会話環境を考慮すると、音量減衰モデルによってはお互いに干渉し合うため、適切な会話環境の設計を行うためには各モデルの特性を明らかにしたうえでの設定が必要となる。本研究ではPannerNode を利用した複数人の会話を再現する評価実験を完全オンラインで実施することに成功しており、結果を共有する。

これからのテレイマージョン技術(テレイマージョン技術研究委員会 主催)

OS1-1(1)  ポスター 
  ARによるインバウンド対応型観光支援システムの開発  小坂祐輔, 石田智行 (福岡工業大学)
本研究では,AR(Augmented Reality:拡張現実)によるインバウンド対応型観光支援システムを開発した.本システムでは,観光スポットやランドマークにおいてスマートフォンなどのタブレット端末をかざすことにより,日本語のみならず多言語にも対応した観光コンテンツをARで提供する.本システムは,利用者に対する地域観光コンテンツを管理する地域観光コンテンツ管理エージェントと,地域観光コンテンツを実際に利用しながら街の魅力を発見する観光エージェントで構成される.本システムの評価においては,SUS評価および各機能の機能性等を評価し,有効性を確認することができた.

OS1-2(1)  ポスター 
  MRを使用した伝統工芸品提示システム  渕上理仁, 石田智行 (福岡工業大学)
日本では古来より職人が手作業で製作する障子や陶器などの伝統工芸品が存在しており,伝統工芸品は近年海外からの安い輸入品による需要の低迷や,後継者不足などの問題を抱えている.このような課題を解決するため,経済産業省や伝統的工芸品産業振興協会では教育の支援やICT技術を活用した情報の積極的な発信を行っている.情報通信技術の発展に着目すると,ネットワークの高速化やスマートフォンの急速な普及,人工現実技術や拡張現実技術の浸透等が行われた.本研究では人工現実空間構築のための作業コストを削減し,ユーザに対して高臨場感と直感的な操作を実現した複合現実技術を用いた伝統工芸品提示システムを開発した.

OS1-3(1)  ポスター 
  さまざまな“酔い体験“に基づくSSQによる自己評価  對馬広大 (株式会社荏原製作所)
動揺病の評価指標であるSSQを、様々な方法で酔った自己に対し評価を実施し、その結果を発表します。
 

OS1-4(1)  ポスター 
  Wildfire Training for Inexperience firefighter Using Virtual Reality  Heyao Huang, 松岡慧,小木哲朗 ((慶應義塾大学))
The hazards caused by wildfires have evolved and become more deadly over the years. Due to the rare training opportunities in real wildfire conditions, junior firefighters and volunteer firefighters who have limit wildfire experiences are not trained properly to prepare for ever-changing fire-ground in real situations. With rapid development, Virtual Reality has become a safe and popular approach to study human behavior in different scenarios. The propose of this study is to provide a VR training system for trainees to understand how the wind speed and directions would affect fire behaviors. This research presents an experimental study that aims to evaluate the effectiveness of a Virtual Environment (VE) to train inexperienced firefighters by using VR-based fire training simulations.

OS1-5(1)  ポスター 
  Physical WebとWebVR/AR技術を用いた観光情報システム  陳 祐蕎, 松岡慧,小木哲朗 (慶應義塾大学)
近年では、WebAR/WebAR技術の開発により、VR/ARコンテンツは専⽤のアプリケーションやデバイスなどに頼らず、Webアクセスだけで利⽤できるようになってきた。これにPhysical Web技術を組み合わせることで、システム側からVR/AR情報を随時配布することも可能になる。本研究では、 Physical WebとWebVR/AR技術の活⽤により、観光地ごとのアプリケーションをインストールせずに、観光スポットに近づくだけで、各地のVR/ARコンテンツを利⽤できる観光情報システムのフレームワークを構築した。
 

神経刺激インタフェース研究はどこに向かうか(神経刺激インタフェース研究委員会 主催)

OS2-1(3)  ポスター 
  Elemphasize:機械刺激と電気刺激の組み合わせによる触覚提示の強調  水原遼, 髙橋哲史, 梶本裕之 (電気通信大学)
叩かれる,斬られるといった緊張感のあるシチュエーションにふさわしい触覚を提示するには,強度が大きくかつ自然なものでなければならないのと同時に安全である必要がある.機械刺激は自然な感覚を提示することができるが,強度を大きくしすぎると怪我につながる恐れがある.電気刺激は強度の大きな刺激を安全に提示できるが,特有のビリビリ感ゆえに触覚の自然さは劣る.そこで,物理オブジェクトに電極を取り付け,肌との接触時に電気刺激が行われることによって機械刺激の主観的強度を増強する.スリリングなシチュエーションのVRコンテンツ,注射の痛みへの恐怖に慣れるためのトレーニングへの応用といった実用的な利用例を提案する.

OS2-2(3)  ポスター 
  口腔への電気刺激による唾液分泌の促進  高橋 希実 (東京大学大学院 情報理工学系研究科)
唾液は体の健康を保つ上で重要な役割を持つ分泌物であり,唾液分泌量の減少は様々な問題を引き起こす.本研究では唾液分泌を促進するための手法として唾液腺およびその周辺の神経の経皮電気刺激に注目し,唾液分泌を効率的に促進する電気刺激手法の構築を目指した.複数考えられる電気刺激のパラメータのうち特に刺激を提示する位置に注目し,電極の配置を変化させた際の唾液分泌量を計測して無刺激時と比較することで電気刺激が唾液分泌に与える影響を調査した.

OS2-3(3)  ポスター 
  GVS知覚と身体バランスの安定性の関係  ZHENG WENTAO (大阪大学大学院情報科学研究科), 安藤 英由樹 (大阪芸術大学), 北尾 太嗣 (大阪大学大学院情報科学研究科), 青山 一真 (東京大学バーチャルリアリティ教育研究センター)
従来研究の知見として一般的に,身体状態が安定するほどGVSの効果が弱くなると指摘されてきた,当該研究ではドライビングシミュレータをターゲットとしているため,着座状態を想定しているが,身体状態でどの程度の差異が生ずるか明らかではない.そこで,本研究では「左右加速度同様に前後加速度知覚量も身体のバランス状態が不安定な方がGVSによる効果が増える」という仮説の検証を行った.

OS2-4(3)  ポスター 
  腱直上の電気刺激による力覚提示と刺激深度に関する考察  高橋哲史, 田辺健太, 梶本裕之 (電気通信大学)
腱直上での電気刺激によって力覚を提示する手法を提案してきた.この錯覚の生起に寄与する受容器に関して,刺激部位から腱内部に存在する力センサであるゴルジ腱器官などの深部感覚受容体の寄与による仮説があった.しかしながら,これに関してデータに基づいた議論はなく,また本手法は皮膚上に設置した表面電極を使用するため、皮膚受容体による寄与を否定できなかった.これに対し,電極間隔の広狭によって電気刺激の到達深度を変更することにより,腱直上の電気刺激によって生起された力覚が皮膚感覚によるものかあるいは深部感覚によるものかを判別する実験を行った.その結果,深部感覚の受容体の寄与がより大きい可能性が示唆された.

OS2-5(3)  ポスター 
  視覚電気刺激が惹起する眼内閃光の色について  宮本 拓, 前田 太郎 (大阪大学大学院 情報科学研究科), 青山 一真 (東京大学バーチャルリアリティ教育研究センター)
視覚電気刺激(GSS: Galvanic Sight Stimulation)は眼球周辺への経皮気刺激によって眼内閃光(Phosphene)と呼ばれる視覚提示が可能な技術である.この眼内閃光を利用することで、GSS視覚ディスプレイが実現できないかと考えている。GSSによる色の提示に関しては、白色の眼内閃光が惹起可能であることが知られている。そこで本報告では,GSSにより白色以外の眼内閃光が惹起可能であるかどうかを調査した研究について報告する。

OS2-6(3)  ポスター 
  PondusHand:IRセンサアレイを用いた筋変位の推定  細野哲史, 岩崎健一郎, 玉城絵美 (H2L株式会社、早稲田大学 理工学術院 創造理工学研究科)
重量感は楽器のトレーニングや運動トレーニングに重要な要素の一つであるが、視覚的または口頭で正確な重量感を他者に伝えることは困難だった。本研究では、ユーザが手指に任意の力を与えた時の筋肉の膨らみ(筋変位)を前腕部分に設置したIRセンサーアレイで検出し、ユーザの重量感を推定する.筋変位のデータを、学習済みのサポートベクター回帰(SVR)分類器に入力し,重量感を推定する。最大2000gまでの重量の範囲で、ユーザに押さえつけの重量感を発生させた結果、測定値と推定値の相関係数は0.911、RMSEは236 g、MAEは150 gであった。今後は、様々な重量感が発生する状況での本手法の適応が期待される。