Tuesday, 12 September
9月12日(火)
口頭発表 09:10 - 09:50 感性・知覚
座長:北崎 充晃 (豊橋技科大学)
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6DoF音響サービスに用いる音響メタデータの要求条件
〇杉本 岳大(日本放送協会)、長谷川 知美(日本放送協会)、大出 訓史(日本放送協会) - イマーシブメディア用の音響技術実現に向けて,リスナのsix-degrees-of-freedom(6DoF)に対応した音響メタデータ(6DoF音響メタデータ)の開発を進めている.6DoF音響メタデータの記述法を確立するためには,6DoF音響サービスの実現に資する音響メタデータの要求条件を明確化する必要がある.本研究では,①コンテンツ制作者への意向調査,②ゲームにおける音響制作のサーベイ,③6DoF音響制作ワークフローの検討,の各調査に基づいて,6DoF音響メタデータの要求条件を抽出した.
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6DoF音響サービスのための発音源メタデータの記述法
〇長谷川 知美(日本放送協会)、杉本 岳大(日本放送協会)、久保 弘樹(日本放送協会)、大出 訓史(日本放送協会)、岩崎 泰士(日本放送協会)、大久保 洋幸(日本放送協会) - イマ―シブメディア用にユーザの six-degrees-of-freedom(6DoF)に対応したオブジェクトベース音響のメタデータの記述法を検討している.互換性の高い,標準メタデータの記述法の策定を目的として,three-degrees-of-freedom(3DoF)対応のITU-R 勧告のAudio Definition Model を基にリスナの位置に拠らない6DoF コンテンツ空間上の発音源の位置,および放射パターン,発音源の向き,距離減衰特性に関する拡張記述法を開発した.
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タイムラプス映像によるベクションを通して 創世神話と時間について考える
〇張 セイブン(九州大学)、妹尾 武治(九州大学) - 古事記など創世神話には天地がどよめくといった描写があり、自己と外界の相対性と反転可能性、一致性について確認が出来る。タイムラプス映像に感じるベクションは強くなるという心理実験を通して、物理的世界は今というこの瞬間にしか存在せず、過去の世界は脳の中に記憶としてしか存在しない。一方でその過去をシェアしているとされる他者について自然との関係性からその不在性について考える。
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Vection Role in Virtual Reality: From the Presence and Motion Sickness Perspectives
〇GUO XUANRU(九州大学)、妹尾 武治(九州大学) - In this paper, we sort out the role of vection in virtual reality in terms of presence and motion sickness in recent 10 years. Future research can create new visual stimuli enhance vection and presence, by vection reducing motion sickness.
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メタバース空間への順応によるベクションの変化を 坂本繁二郎と青木繁の関係から考える
〇大屋 陸(九州大学大学院)、妹尾 武治(九州大学大学院) - ベクションは環境と自分の関係性を逆転させるという視点をもたらす。坂本繁二郎は筑後の自然を描いたが、筑後の自然に描かされたと述べている。彼は天才青木繁を世間に知らしめた。松本清張は坂本と青木を比較し、青木こそが天才と記した。全てはベクションであり、反転は起こる。上記のことを、メタバース空間への順応によってベクションという言葉の理解、概念が変化するかどうかの心理実験から実演する。
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VRスリル体験による苦味味覚の変容
〇井上 勇一(北陸先端科学技術大学院大学)、藤波 努(北陸先端科学技術大学院大学) - 緊張時、交感神経が優位になり、味覚が減退することが分かっている。我々はVR体験時の身体は安全な場所にあるが、意識はVRコンテンツ内に没入している状況下で、同様に味覚変化が起こり得るかという観点に着目した。そこでVRでバンジージャンプを模したスリル体験コンテンツを用い苦味を対象に実験を行った。その結果、規則的な変容については確認できなかったが、VRを用いたスリル体験でも味覚の変容が起こる可能性が示唆された。
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実時間数値流体計算を用いた嗅覚VRにおける人体の影響
〇宇田 匡郁史(東京工業大学)、中本 高道(東京工業大学) - 計算ステップ数を抑え、格子サイズを調整することで、一般GPU上での並列計算で実時間内に流体計算を行う。また、仮想空間内の物体変化に基づき、境界条件を更新することで仮想空間内の匂い濃度の変化を人の知覚に十分な精度で計算する。従来の流体計算ソフトでは任意に物体が動くケースの計算は困難で、嗅覚VRでプレイヤー自身を含む人体の影響を考慮できなかった。本研究では実時間の計算によって動く人体が匂いの知覚に与える影響を検討する。
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低濃度塩味水溶液における口腔外電気刺激による味覚増強効果の検証
〇田中 壮(東京大学)、鳴海 拓志(東京大学)、雨宮 智浩(東京大学)、葛岡 英明(東京大学)、青山 一真(群馬大学) - 本研究では、口腔周辺に微弱な電流を流すことで、味覚の強度を変化させる味覚電気刺激を取り扱う。味覚電気刺激は、追加の食品を利用することなく塩味を増強できるため、減塩等への応用が期待できる。先行研究では、1%以上の濃度の食塩水の呈する塩味を増強できることが示されているが、実際の食事では1%未満の塩分濃度の食品が多数存在する。そこで本研究では、1%以下の食塩水において、口腔外からの味覚電気刺激を行った際の味覚増強効果について報告する。
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ヘッドフォン聴取時のAmbisonics録音方式を用いた単一音源の最適再生方法の検討
〇岡田 拓真(愛知工科大学)、山高 正烈(愛知工科大学) - 臨場感あふれる音空間の収音・再生方法として,Ambisonicsと呼ばれる立体音響技術が注目を集めている.本研究では,ヘッドホンによる聴取環境を想定し,Ambisonics録音方式によって収録した音信号をモノフォニック,CardioidとFigure_Of_Eightステレオ方式,バイノーラルといった4種類の再生方式に変換させ,各再生方式や音源の配置が音空間知覚にどのような影響を及ぼすかを調べた.
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耳孔摩擦刺激による聴覚コンテンツの感情変化
〇後藤 優太(東京都立大学)、岡本 正吾(東京都立大学) - 私たちは、聴覚コンテンツ視聴中の外耳孔付近への擦り刺激の感情的な影響について調査した。本研究では、音単体の評価実験と、音のみ条件・音+触刺激条件の2条件を体験してどちらの条件である感情をより強く感じたかを選択するという2つの実験を行った。2つの実験の結果、耳へ擦り刺激を加えることで聴覚コンテンツは、不快かつ覚醒的もしくは快かつ非覚醒的により感じられることが分かった。
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食体験における辛味に関するイメージ形態の調査研究
〇王 イウコン(法政大学)、ソン ヨンア(法政大学) - 本研究では辛味に関するイメージ形態を模索し、辛味の食体験に影響を齎す新たなクロスモーダルの可能性を調査した。調査実験では辛味を「唐辛子」・「ワサビ」・「花椒/山椒」・「生姜」の四類型に分け、参加者にそれぞれの辛味に対する抽象的なイメージ形態を自由に描写してもらった。分析した結果、イメージ形態から14種類のパターンが観察され、いくつかのパターンは特定の辛みを特徴的に表現している傾向がみられた。
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Phantom Walls : 聴覚刺激を用いた感覚代替による空間知覚とナビゲーション手法の提案
〇池田 匠(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、脇坂 崇平(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、南澤 孝太(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科) - 滑らかな空間知覚を確立するための新しい手法であるPhantom Wallsを提案する。バーチャル空間内にスピーカーが配置されており、体験者の位置や向きに応じて動的に、スピーカーの配置・音量・音の高低を調整することにより、目に見えない"phantom"な壁を聴覚により表現している。体験者は聴覚の世界を聴くことにより目に見えない"phantom"な壁を知覚し、避けて歩き回ることができる。