Tuesday, 13 September
9月13日(火)
口頭発表 9:30-10:50 身体性認知4
座長:前田 太郎(大阪大学)
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結合身体における自分が操作する腕に対する所有感の左優位性
〇HAPUARACHCHI HARIN(豊橋技術科学大学)、北崎 充晃(豊橋技術科学大学) - 2人のユーザーが1つのアバターの左と右の半身を操作する結合身体システムを構築し、自分が操作する腕と相手が操作する腕の身体性(身体所有感、行為主体感、脅威刺激に対する皮膚電位反応)を計測した。その結果、自分が操作する腕の身体性が相手の操作する腕よりも高く、自分が操作する腕では左腕が右腕よりも身体所有感が強かった。これは、身体性認知における右半球皮質の優位性が左腕の身体所有感を高めたためと推察される。
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複数身体における所有感錯覚とアフォーダンス知覚の関係
〇近藤 亮太(慶應義塾大学)、杉本 麻樹(慶應義塾大学) - 複数の身体にも所有感が誘発されるが,それが身体間で切り替わっているのか,同時に生じているかは不明である。所有感が複数の身体に同時に生じている場合,開口通り抜けにおけるアフォーダンス知覚が変化すると考えた。本研究では,参加者の運動に同期して動く2体のアバタに対して所有感が誘発可能か,それによってアフォーダンス知覚が変化するか調べた。
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身体の分裂が自己位置知覚に及ぼす効果
〇近藤 亮太(慶應義塾大学)、杉本 麻樹(慶應義塾大学) - VRを用いて自己身体を2つにした研究では,自分が異なる2地点にいるように感じる。しかし,その感覚は弱く主観的な報告のみである。これは,観察者の身体と提示される2つの身体の運動や触覚刺激の対応関係が1対2になり,注意が身体間で切り替わるためだと考えた。本研究では,1つの身体を左右に分裂させることで,参加者の身体と提示される身体の1対1の対応関係を維持したまま,自己位置を拡張できるか調べた。
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多数の手との運動同期における身体認知の検証
〇増山 由輝(慶應義塾大学)、福岡 正彬(慶應義塾大学)、Teo Theophilus(慶應義塾大学)、近藤 亮太(慶應義塾大学)、杉本 麻樹(慶應義塾大学) - 本研究では,バーチャル環境上で多数の手を同期して動かした際に,身体所有感と行為主体感がどのように変化するか調べた.実験参加者はEMGセンサを腕に装着し,VR環境に提示された1本の手または9本の手を用いて,2分30秒間のリーチングタスクを行った.タスク後に脅威刺激が与えられ,その時のEMGを身体所有感の客観的指標として計測した.最後にアンケートを実施し,主観的な身体所有感と行為主体感の強さを調べた.
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同じ身体部位における複数身体表現【オンライン発表】
〇松宮 一道(東北大学) - 意図的な運動は、脳内の身体表現(身体図式と呼ばれる)に依存し、身体図式の異常が運動障害を引き起こす。身体図式は、約1世紀もの間、脳内に一つだけ存在し、すべての運動に対して共通に用いられると考えられてきた。しかし、私たちはしばしば複数の運動を同時に実行するが、複数の運動時に身体図式がどのように働いているのかは不明だった。本発表では、身体図式が運動効果器ごとに脳内で別々に表現されていることを報告する。