Monday, 12 September
9月12日(月)
口頭発表 14:00-15:20 クロス・マルチモーダル1
座長:井上 康之(豊橋技術科学大学)
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スマートグラスによる車両前方カメラ映像の提示が後部座席乗員の動揺病に与える影響の検討【オンライン発表】
〇佐藤 勇起(奈良先端科学技術大学院大学)、諏訪 司(立命館大学)、和田 隆広(奈良先端科学技術大学院大学) - 車の後部座席など,前方の視界が遮られる状況では,動揺病が重症化することが知られている.動揺病の感覚矛盾説によると,車外視覚情報が遮られた環境下では,視覚と前庭感覚から知覚される運動に矛盾が生じることから,動揺病が重症化すると考えられている.そこで本研究では,スマートグラスによって車両の前方を撮影したカメラの映像を後部座席乗員に提示することで動揺病が軽減可能か調査する実験の予備検討の結果を報告する.
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路面摩擦に関する視覚情報と運動感覚情報の操作が運転に及ぼす効果
〇片岡 純也(豊橋技術科学大学,情報・知能工学系)、中村 純也(豊橋技術科学大学,情報・知能工学系)、井上 康之(豊橋技術科学大学,情報・知能工学系)、北崎 充晃(豊橋技術科学大学,情報・知能工学系) - バーチャルリアリティを用いたドライビングシミュレータを構築し、ドライバーの視覚情報および運動感覚情報の変化が運転に与える影響を調べた。その結果、視覚情報及び運動感覚情報が凍結路を示している場合に平均速度の低下がみられたが、運転しやすさの主観評定では運動感覚情報のみの効果が有意であった。これは、視覚情報は意識には上らないが潜在的に運転制御に利用されていることを示唆している。
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バーチャルな視覚的触覚が情動的触覚認知に及ぼす影響
〇原口 岳丸(豊橋技術科学大学)、北崎 充晃(豊橋技術科学大学) - 情動的触覚の知覚に視覚情報が影響を与えるかを調べた。視覚刺激としてバーチャル環境内でアバターの左前腕が筆で撫でられる様子を提示し、触覚刺激として被験者の左前腕を筆で撫でた。両感覚ともに5段階の速度を組み合わせ、被験者は視覚刺激を考慮せず、実際の筆でなでられたときの快感を評価した。その結果、知覚される触快感は視覚刺激によって変化し、情動的触覚は触覚のみならず視覚を統合して認知されることが示唆された。
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身体所有感に着目したリダイレクテッドハンドの知覚閾値の拡大可能性の検証
〇小川 真輝(東京大学工学部機械情報工学科)、松本 啓吾(東京大学大学院情報理工学系研究科)、鳴海 拓志(東京大学大学院情報理工学系研究科) - VR内の手の位置を現実とずらすリダイレクテッドハンド(RDH)の応用の幅を広げるには,その知覚閾値の拡大が必要である.本研究では,身体所有感の向上でRDHの知覚閾値が拡大するという仮説を立て,視体性感覚・視触覚同期の提示による影響を調査した.その結果,視触覚同期の事前提示で知覚閾値が拡大する可能性が確認された.他方,視覚の信頼度等が知覚閾値に影響を与える可能性も示唆され,更なる検証が求められる.