Web予稿集

Sept. 13 2024
9月13日

口頭発表 10:10-10:50 HMD・プロジェクタ

座長:橋本 直己(電気通信大学)

3E2-01
仰臥位でのVR体験向け非装着型空中浮遊HMDの基礎検討
〇古谷 佳輝(九州大学大学院システム情報科学府)、矢作 優知(東京大学大学院学際情報学府、日本学術振興会特別研究員DC)、菊池 知世(東京大学大学院総合文化研究科)、余合 彩子(個人)、清川 清(奈良先端科学技術大学院大学)、福嶋 政期(九州大学大学院システム情報科学府)
HMDの普及に伴って様々なVR空間の使い方がユーザによって開拓されている。本研究ではそのうち、「VR睡眠」をはじめとする、仰臥位でVRコンテンツを体験する場面に注目する。従来のHMDは頭部に直接デバイスを装着する必要があるため顔の圧迫感や寝返りの打ちにくさが体験の妨げになっている。そこで本研究では再帰透過光学系を用いて頭部にデバイスを装着せずにVRコンテンツを体験できるシステムを提案する。
3E2-02
パンケーキウィンドウ光学系のMeta Quest 2カメラへの適応
〇野倉 大輝(岐阜大学)、木島 竜吾(岐阜大学)
ビデオシースルーHMD Meta Quest 2はステレオカメラからデプスマップを推定し、世界を再構成する方式を取っているが、近距離だと対応点が取れず歪んでしまう。本研究では、Meta Quest 2にパンケーキウィンドウ光学系を装着し、視点を引くようにした。その結果、近距離における歪みの影響が小さくなること、Meta Quest 2のハンドトラッキング機能の性能が向上することを明らかにした。
3E2-03
アイトラッキング機能を備えたマクスウェル視ディスプレイの小型化
神谷 陸杜(岐阜大学)、〇野倉 大輝(岐阜大学)、木島 竜吾(岐阜大学)
マクスウェル光学系を用いた3次元ディスプレイは融像を容易にすることができるが,アイボックスが非常に小さく,少し目を動かすだけで像が見えなくなる.そこで,使用者の瞳をトラッキングしピンホール像が瞳を追うようにピンホール光源を動かす必要がある.本研究では,ピンホールとして液晶ディスプレイの液晶光源の画素を用いた.さらに,マクスウェル光学系を用いた3次元ディスプレイの小型化したHMDを設計,試作を行った.
3E2-04
両眼に対する相補的な色振動付与の基礎検討
〇沈 有方(東京大学)、畑田 裕二(東京大学)、ハウタサーリ アリ(東京大学)、苗村 健(東京大学)
本研究では、HMDを用いて画像の一部領域について、左右眼で相補的に見えるように輝度を一定に保ちながら異なる色度変調を提示する色振動を行った。その結果、両眼に同一の色度変調を提示する場合に比べて色振動の振幅半径を大きくしても明滅刺激の不可視性が保たれることが明らかになった。これにより、従来の輝度変調による視線誘導に比べてより不可視で自然な視線誘導を実現できる可能性がある。
3E2-05
2DモニターとHMDによる感情励起の調査
〇西川 翔(大阪工業大学大学院 工学研究科)、松下 祥久(大阪工業大学大学院 工学研究科)、藤村 真生(大阪工業大学)
脳波(EEG)を用いた感情認識は、感情を識別するための簡単な方法を提供できるため、近年盛んに研究されている。この分野では、被験者に狙った感情を励起させるために動画を見せることがあり、この視聴には一般的に2Dモニターが用いられる。しかし被験者の視界に動画以外のものが入ることで感情励起に影響が出ることが考えられる。そこで本研究の目的は、HMDを使用し被験者を動画に集中させ、感情励起の変化を調査することである。
3E2-06
VR体験中の疲労感軽減に関する研究
〇松下 祥久(大阪工業大学大学院 工学研究科)、西川 翔(大阪工業大学大学院 工学研究科)、藤村 真生(大阪工業大学)
VR体験はVR酔いだけでなく、HMDの装着による不快感、重さ、画面が近すぎることにより被験者の疲労感を高める可能性がある。映像体験中に首まわりの昇温や降温、視聴させる映像の変化によって、疲労感が軽減するか調査する。本研究では非侵襲的な計測のため、疲労感による自律神経系の乱れに着目し、瞳孔反応や脈波の変化から被検者の疲労感を比較する。また2Dディスプレイとの比較も実施する。
3E2-07
仮想現実におけるマルチプレゼンスシステムの認知負荷軽減のための柔軟な情報アシスタントの開発
〇陳 柏翰(早稲田大学)、岩田 浩康(早稲田大学)
ロボティクスと人間拡張技術の進歩に伴い、人間が同時に複数のロボットを遠隔操作できるマルチプレゼンスが将来の開発可能性として注目されているが、人間の認知負荷には限界があり実現が難しいである。本研究では、異なる種類のタスクを用いたVR内でのマルチプレゼンスシステムをシミュレーションし、情報アシスタントが認知負荷の改善にどのように役立つかを検討していく。また、タスクの種類に基づいて柔軟な情報アシスタントを開発し、認知負荷の異なる状態での情報取得効率を最適化することで、マルチプレゼンス全体のパフォーマンスを向上させることを目指している。
3E2-08
立体物への遅延なし影抑制プロジェクションマッピングのための多方向重畳マルチ投影の検討
〇岡本 峻宙(大阪大学)、岩井 大輔(大阪大学)、佐藤 宏介(大阪大学)
多数のプロジェクタから構成されるプロジェクタアレイによる重畳投影手法では多方向からの投影を可能にする.これにより障害物による影の発生を抑制でき,対象の見かけを我々が見慣れた見かけに近づけることが出来る.本稿では多方向重畳マルチ投影システムによる立体物への投影のための,空間コード化法を用いた幾何較正手法について検討する.
3E2-09
分散協調マルチプロジェクションシステムによる実環境照明再現
〇三浦 和之(大阪大学)、岩井 大輔(大阪大学)、佐藤 宏介(大阪大学)
照明の空間的な制御は、プロジェクションマッピングにおいて重要な技術である。そこで一般的な室内照明を複数台のプロジェクタに置き換え、選択的に環境面を照らすことで、実環境照明の再現を行う。システム実装には、エッジコンピュータで各プロジェクタを制御する分散協調マルチプロジェクションシステムを用いる。分散協調最適化により得られた再現光をプロジェクタから投影し、疑似的な実照明環境を構築する。
3E2-10
中間視点画像生成による疑似光軸一致型プロカムシステムの検討
〇藤井 航(筑波大学)、謝 淳(筑波大学)、北原 格(筑波大学)
実世界の状況に応じたプロジェクションマッピングにおいては,プロジェクタとカメラを組み合わせたプロカムシステムが構築される.キャリブレーションの負担軽減を目指し,プロジェクタとカメラの光軸を一致させる手法が考案されてきた.本研究では,2台のカメラで撮影した画像をもとにプロジェクタの投影中心にて観測される画像を生成することにより,プロジェクタとカメラの位置姿勢を疑似的に一致させる手法を検討する.
3E2-11
医療的ケア児のディストラクションにむけたリアルタイム2面投影の効率的映像伝送手法
〇岡田 恵里佳(群馬大学)、荻原 弘幸(群馬大学)、奥 寛雅(群馬大学)
医療的ケア児のストレス軽減と社会的交流の促進を目指し,先行研究ではリアルタイム2面投影技術が提案されている.この手法は,360°カメラで撮影した映像をそのまま配信し,そこから2面の切り取りを行っている.しかし,配信映像の多くの画素が投影面に使用されず無駄が生じていた.そこで本研究では,効率的に配信映像の画素を使用できるリアルタイム2面投影手法を提案する.また,従来の手法と比較した結果を報告する.
3E2-12
光線場投影を用いたBRDF提示における質感再現性の評価
〇小段 海人(和歌山大学)、天野 敏之(和歌山大学)
空間型拡張現実感の研究として,平面形状を仮定した鏡面反射物体に光線場投影を用いて BRDFに基づく視点移動の色彩変化を実現する方法が提案されている。ただし,提示対象が非平面の場合はスペキュラ周辺の色彩の順番が正しく提示されない.しかし,BRDFのような色彩変化を厳密に理解していて,それに基づき質感を判断しているのか.この問いに対して,主観評価実験を行い,結果から色彩変化を厳密に理解していないことを明らかにした.