Web予稿集

Sept. 12 2024
9月12日

口頭発表 10:10-10:50 視覚・立体・空中像2

座長:小池 崇文(法政大学)

2E2-01
投影像の傾き補正機能を有するドローンと高輝度プロジェクターによる空中ディスプレイ
〇廣橋 惟冬(群馬大学)、奥 寛雅(群馬大学)
我々の研究グループではドローンと動的投影技術を用いた空中ディスプレイが提案されており,先行研究では高輝度プロジェクターを用いた遠方スクリーンへの動的投影手法が開発された.また,これと並行して単色レーザーとIRマーカーを用いた,スクリーンの中心推定の原理も提案されている.本研究では,このIRマーカーとプロジェクターを組み合わせ,スクリーンの傾きに合わせた投影像の制御を図った結果について報告する.
2E2-02
空中像光学系の水平視域拡大のための対称ミラー構造の設計
〇明石 穏紀(東京大学)、韓 燦教(東京大学)、苗村 健(東京大学)
再帰透過光学素子による空中像の視域を水平方向に拡大するには,側面に鏡を対称に配置すればよい.しかし,素子の鏡像が観察範囲で正面から外れるほど拡大した視域の輝度が低下し,また,素子の鏡像が傾くと空中像に迷光が近づき空中像の輝度が低下する.本研究は素子の水平方向の輝度特性,素子の鏡像の傾き,素子の鏡像の映る鏡の範囲を考慮して素子面と鏡面の角度,素子と鏡の交線の傾き,鏡の形状を設計した.
2E2-03
再帰反射による空中結像(AIRR)への凸レンズ導入による解像度の向上
〇滝山 和晃(宇都宮大学、学振特別研究員)、岩根 透(宇都宮大学)、陶山 史朗(宇都宮大学)、山本 裕紹(宇都宮大学)
本研究では再帰反射を用いた空中結像(AIRR)にレンズを組み合わせることで高解像度の空中結像を実現する.AIRRは再帰反射素子での回折と光線シフトにより,解像度が低下する課題がある.提案光学系ではレンズを光源の映像が再帰反射素子に拡大結像するように配置することで回折と光線シフトを解消し,高解像度の空中像を形成する.レンズを通る光は再帰反射前後で光路が重なる時間反転光学系のため収差の影響を受けない.
2E2-04
HMD内部の影響を考慮したVR空中像のぼけ量の補正
〇林 竜吾(電気通信大学)、小泉 直也(電気通信大学)
本研究では,VR空間での空中像インタラクションの設計・検証を目的とした,空中像のVRシミュレーションの実現を目指す.空中像の特徴のひとつであるぼけは,空中像インタラクションに影響するため,再現が重要である.しかし,HMDを通して知覚できるVR空中像の解像度は,HMD内部の処理や光学系の影響を受ける.そこで,本研究ではHMDを通して画像のぼけを計測し,それを踏まえたぼけ量の補正を実装し,評価した.
2E2-05
空中像の欠如を防ぐための指さし入力方法の基礎検討
〇柏木 嵐(電気通信大学)、小泉 直也(電気通信大学)、林 竜吾(電気通信大学)
空中像の入力方法として,直接タッチする方法では,指が結像位置より奥へ移動してしまい,映像が欠如してしまう.そこで本研究では,空中像を直接触らずに,指を向けた場所に入力を行う指さし入力方法の基礎検討を行った.指さし入力方法では,手や指の動きを利用した3種類の選択トリガーを実装し,それぞれタッチ入力方法との比較を行った.
2E2-06
指による映像欠如を防ぐ空中像ボタン入力手法の基礎検討
〇中村 一翔(電気通信大学)、佐野 遵平(電気通信大学)、小泉 直也(電気通信大学)
空中像は実体を持たないため,結像位置を把握しづらく,結像位置より奥で操作・入力をしてしまうと,映像が欠如してしまう .そこで本研究では入力方法の ボタン入力に着目し,入力完了位置を結像面より手前にできる空中像ボタンの設計を目的とする.ボタンのフィードバックの刺激内容,フィードバックの発生位置に着目し,結像面からの押下量を計測し,その効果を評価する.
2E2-07
指さしによる空中像の結像位置知覚および立体感の評価
〇小湊 咲(電気通信大学)、福岡 美結(電気通信大学)、小泉 直也(電気通信大学)
2次元光源ディスプレイを用いて空中像を提示すると、多くのユーザが立体的に知覚していると報告される。またユーザーが空中像に触れる動作を行う際は、空中像に指がめり込む位置に持っていく様子が多く見られる。これはユーザが空中像に立体感を感じているにもかかわらず、その正確な位置を把握できていないことを示している。そこで本研究では、指さしによって、ユーザーの知覚している二次元空中像の立体感の計測を実施した。
2E2-08
漫符を顔の周りに提示する椅子型空中像インタフェースの基礎検討
〇森 登志樹(九州大学)、古谷 佳輝(九州大学)、崔 赫秦(九州大学)、中村 優吾(九州大学)、ハウタサーリ アリ(東京大学)、福嶋 政期(九州大学)
漫画作品において、登場人物の感情を表現するために「漫符」と呼ばれる記号が登場する。本研究では対面コミュニケーションに漫符表現を組み込むことで会話中の感情表現をより豊かにすることを目的とする。そこで本論文では、話者の背後から顔の周りに結像可能な再起透過光学系に着目した。椅子の背もたれに再起透過光学系を取り付け、背面から顔の周りに像を結び漫符を提示する椅子型空中像インタフェースを提案する。
2E2-09
顔への追従投影における遅延知覚と表情変化の関係の分析
〇河口 将也(東京工業大学)、彭 浩倫(東京工業大学)、西田 眞也(京都大学)、渡辺 義浩(東京工業大学)
動的な映像投影により人間の顔の外観を変化させる応用において,センシングから投影までの遅延を観測者が知覚する問題がある.本稿では,観測者が知覚する遅延に差が生じる動きの特性を調査する.具体的には,表情変化を伴わない動きと,表情変化を伴う動きに対して,遅延時間の弁別閾を比較調査する.また,投影対象である顔の動き分布の特徴量と弁別閾の関係を分析する.
2E2-10
印刷物への映像重畳による視線誘導に向けた基礎検討
〇鐘 康鴻(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、辻田 喜琉(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、吉田 貴寿(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、南澤 孝太(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)
本研究では、ユーザに気づかれない視線誘導を実空間で行うことを目的とした映像重畳手法の検討を行う。人の視覚の特性から、視野内の色彩や形状を制御することで視線誘導を行う事が考えられる。本研究では、彩度変化に基づくターゲット発見のタスク完了時間と錯視現象に基づく形状知覚の距離依存性について予備的検証をおこない、手法開発の方向性についての議論を行った。今後はユーザの視線を本人に気づかれることなく介入することができる手法開発を目指す。
2E2-11
カメレオンアイズ 左右眼独立制御による両眼視の拡張:視線制御モデルの検討
〇勝俣 安伸(沼津工業高等専門学校)、井上 康之(富山県立大学)、鳥海 智志(豊橋技術科学大学)、萩原 隆義(慶應義塾大学)、北崎 充晃(豊橋技術科学大学)
カメレオンは左右の目を独立に回転させて広範囲な視野を得ている。一方、人は両眼が輻輳することで両眼立体視ができるが独立に制御することはできない。本研究の目的は、左右の視野を視線運動により独立制御可能なシステムを構築し、その見え方を検証することである。そこで、視線運動から両眼の視野を独立に制御するモデルを用いて、両眼融合による立体視と両眼視野闘争による独立した視覚がスムースに切り替わることを確認した。
2E2-12
動的プロジェクションマッピングにおける物体接触時の柔らかさ提示の検討
〇山岸 祥大(電気通信大学)、橋本 直己(電気通信大学)
手で持って動かす物体に対して投影を行う動的プロジェクションマッピングにおいて,硬い物体では投影で見た目の質感を変えることはできても実際に触ると物体の硬さを知覚してしまう.そこで,物体に触った際に物体表面が凹む映像と,触っている指が物体に沈んでいるように見せる錯覚映像を投影することで,硬い物体であっても柔らかさを視覚的に提示する手法を提案する.また,その実装に向けた検証を行う.