Web予稿集

Sept. 12 2024
9月12日

口頭発表 10:10-10:50 触覚2

座長:中村 拓人(東京大)

2C2-01
逆遠近法的錯視によるPseudo Haptics効果の検証
〇一丸 裕介(熊本大学)、嵯峨 智(熊本大学)
視覚情報のズレによって疑似的な触力覚を生じさせるPseudo-Hapticsは,奥行き方向での生起率および知覚力覚量が減少することが知られている.我々はこの原因を奥行き方向ではズレが起こりにくいからだと考えた.そこで本稿では,近くの物体を小さくし遠くの物体を大きくする逆遠近法的錯視を用いて,Pseudo-Hapticsの重さ知覚を向上させられるかを調査を行った.その結果を報告する.
2C2-02
MR型視覚刺激の提示がHot-Cold Confusionに与える影響の分析
〇芳井 創(立命館大学大学院)、橋口 哲志(立命館大学 立命館グローバル・イノベーション研究機構)、柴田 史久(立命館大学大学院)、木村 朝子(立命館大学大学院)
Hot-Cold Confusionでは前腕の複数箇所に温覚刺激と冷覚刺激を交互に提示することで,温覚刺激を冷たい,冷覚刺激を温かいと知覚する現象である.この現象について,刺激の提示間隔,提示面積などの触覚条件と温度感覚条件との関係性の分析を行ってきた.そのため,本現象と他の感覚についての関係性が分析できていない.そこで本稿では本現象と視覚についての関係性を確認する実験を行う.
2C2-03
振動特性と物理的特性を統合した触覚テクスチャ生成モデル
〇戸塚 圭亮(東京電機大学)、五十嵐 洋(東京電機大学)
本研究では、ひとつに統合された触覚テクスチャ生成システムを提案する。このシステムは、重回帰モデルのスタッキングを用いている。具体的には、15種類のテクスチャから測定されたなぞり振動データに基づいて、振動特性、なぞり速度、及び力の重回帰モデルを作成した。さらに、テクスチャの粗さや硬さを用いて、これら重回帰モデルの係数をモデル化し、単一のモデルで複数のテクスチャを生成することが可能となった。
2C2-04
二台ピアノ演奏者のための感覚情報共有に基づく演奏支援システムのデザイン
〇賴岡 えみり(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、朱 宇凡(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、脇坂 崇平(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、吉田 貴寿(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、堀江 新(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、南澤 孝太(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)
本研究は,二台ピアノ演奏における完全な調和と効率的な練習を目的とした,個別練習支援システムを提案する.本稿では,視野制限からズレが生じやすい課題に対し,練習時での体幹動作センシングと触覚刺激に基づく感覚情報共有により,タイミングの精度向上を図る.また,ズレの頻度や練習時間の変化を計測し,アンケート評価も行うことで,演奏精度向上や練習の効率化だけでなく,より高次な芸術表現の効果を定量的に検証する.
2C2-05
回転円板を用いたなぞり感提示における円板の表面形状による動的な粗さ感変調手法の検討
〇加藤 総真(電気通信大学)、溝口 泉(電気通信大学)、梶本 裕之(電気通信大学)
物体の摩擦やテクスチャを識別する上で、なぞり感は重要な役割を果たす。我々は回転する円板の中心に指先を接触させることでなぞり感を提示する手法について研究を進めてきた。本手法は従来の手法と比較して提示装置を小型かつシンプルにすることができるが、一方で提示する感覚を変えられないという課題があった。本研究では、円板の表面形状を工夫することで提示する粗さ感を動的に切り替える方法について検証した。
2C2-06
複数LRAを用いた振幅変調提示における配置密度の検討
〇藤 亘輝(電気通信大学)、秋葉 優馬(電気通信大学)、牛山 奎悟(電気通信大学)、溝口 泉(電気通信大学)、梶本 裕之(電気通信大学)
直動共振アクチュエーター(LRA)は、比較的小型であるにもかかわらず効率的に振動を提示できる素子として知られている。しかし、提示できる振動周波数が限られるという課題があった。これに対して先行研究では、振幅変調をすると指先に低周波を感じられるという手法が知られていた。本研究の目的は、LRAを指先に複数取り付け振幅変調提示を行う際の適切な配置密度を明らかにすることである。実験では振幅変調の有無による指先の振動に対する二点弁別域の影響を調べた。
2C2-07
作品鑑賞時の印象評価に床の触覚的質感が暗黙的に及ぼす影響
〇辻田 喜琉(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、Dumlu Burcu(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、吉田 貴寿(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、堀江 新(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、齋藤 達也(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、吉江 優(株式会社乃村工藝社)、谷 清鳳(株式会社乃村工藝社)、横山 尚明(株式会社乃村工藝社)、青野 恵太(株式会社乃村工藝社)、南澤 孝太(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)
人の情動や行動に影響を与える空間デザインには,触覚を含む多感覚的なデザインの重要性が高まっている.中でも室内空間で常に接触している足裏と床は軽視できない.しかし床が与える足裏への暗黙的な触覚の違いが,作品鑑賞時の印象評価に影響を与えるかは不透明である.そこで本研究では,柔らかい床と硬い床の違いが評価対象物に対する印象評価に与える影響を調査した.結果として弾力さや美しさといった,一部の評価項目に影響を与える可能性が示唆された.
2C2-08
聴覚障害者のスポーツ観戦体験向上のための提示振動の作成手法の検討
〇四元 菜月(東京工業大学)、山崎 勇祐(Hapbeat合同会社)、長谷川 晶一(東京工業大学)
オンラインでのスポーツ観戦の需要が高まる中,聴覚障害者は観客の声援や歓声,拍手などの音情報を欠くため,観客との一体感の喪失を感じやすいという課題がある.そこで,音情報を振動として提示することにより,直観的な状況把握を目指す.現状,聴覚障害者のための振動コンテンツの制作指針が定まっていないため,初期段階として単調な波形から作成した振動と加速度から作成した振動について比較検討した.
2C2-09
糸を使った指の縦方向の接触面積変化による柔らかさ提示機構の検討
〇白川 愛深(東京工業大学)、長谷川 晶一(東京工業大学)
仮想空間で実空間と同様の体験をするには触覚の提示が必要だが、従来の力覚デバイスは触覚により柔らかさの手がかりを提示できず、柔らかさ提示が出来るデバイスでも大掛かりで現実世界での使用に制約がある為改良の余地がある。柔らかさ提示は指先の接触面積変化で可能とされ、糸を使えばデバイスの小型化が期待される。本研究では糸を使った指腹部の縦方向の接触面積変化によって従来と同様の効果が得られるか検証をおこなった。
2C2-10
VRデバイスでの知覚インテンシティを用いた高臨場感振動の生成の提案 第1報 感覚等価変換技術による標準振動SDKを用いた高周波振動体感の再現
〇五十嵐 大登(東北大学)、昆陽 雅司(東北大学)、田所 諭(東北大学)
近年、VRにおけるリアルな触覚体験が求められている。本研究では、VRデバイス上において高周波振動を低周波の振幅変調波に変換するIntensity Segment Modulation (ISM)技術による音声連動の高臨場感振動刺激の生成を検証した。さらに、ISM変換振動の振る舞いを計測し、他手法で生成された振動との比較検証を行った。
2C2-11
Perceivable MinimumShift:指腹上で知覚可能な超音波触覚刺激の最小移動幅
〇加藤 滉一(東京大学)、森崎 汰雄(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)、鈴木 颯(東京大学)、牧野 泰才(東京大学)、篠田 裕之(東京大学)
近年の超音波触覚技術は、従来の振動触覚よりも空間解像度が高く知覚される圧覚の提示が可能となった。本研究では、超音波刺激の提示位置を指腹上で微小に変位させることで、圧覚刺激で知覚可能な最小移動幅を評価し、従来の振動触覚よりも小さな移動幅で知覚可能であることを示す。実験により、圧覚刺激では1.3mmの移動幅で刺激の動きを知覚できることが示された。これにより、点字や虫の動きのような細かな表現を要する触覚再現が可能であると考えられる。
2C2-12
電気触覚ディスプレイによる粘着感の提示
〇坂本 泰清(電気通信大学)、祖父江 迪瑠(電気通信大学)、牛山 奎悟(電気通信大学)、溝口 泉(電気通信大学)、梶本 裕之(電気通信大学)
低コストかつ小型化が容易な触覚提示手法として電気触覚ディスプレイが挙げられ,振動や圧力,柔らかさを提示する手法が数多く提案されている.一方で,電気触覚ディスプレイを含め,粘着感の提示に関する研究は限られている.そこで,本研究では電気触覚ディスプレイを用いた粘着感の提示手法を提案する.本手法は指先への指の引上時の電気刺激により粘着感を提示する.