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Tuesday, 14 September
9月14日
 

一般発表 9:00-10:20 アバタと身体性

座長:南澤孝太(慶應義塾大学)

3D1-1
第二の肘関節を追加した人型アバタへの身体所有感生起に関する研究
〇本多 誼海(大阪工業大学 大学院 ロボティクス&デザイン研究科)、中泉 文孝(大阪工業大学 ロボティクス&デザイン工学部)、大須賀 美恵子(大阪工業大学 ロボティクス&デザイン工学部)
身体所有感とは,視覚や自己受容感覚などの感覚情報を統合して,ある身体を「自分の身体」だと知覚する感覚である.VR空間のアバタに対しては,使用者とアバタの身体運動を同期させ,あたかも自分の身体のように動作させることで身体所有感を生じさせる手法がある.本研究では,アバタの骨格が人と異なる場合において,身体所有感にはどのような影響があるのかについて,第二の肘関節を追加した人型アバタを用いて検証を行う.
3D1-2
プログラムと人間の運動の融合・タスクの自動化による運動主体感, 身体所有感の変容
〇武智 通(慶應義塾大学)、中村 文彦(慶應義塾大学)、福岡 正彬(慶應義塾大学)、Ganesh Gowrishankar(LIRMM - Laboratoire d'Informatique de Robotique et de Microélectronique de Montpellier)、家永 直人(慶應義塾大学)、杉本 麻樹(慶應義塾大学)
運動主体感とは, まさに自分が運動を引き起こしているという感覚であり, 身体所有感とは, その身体, またはその身体の一部は自己に帰属するという感覚である. 本研究では, ロボットアームを用いてピックアンドプレイスタスクを行う際に, プログラムにより制御するロボットの運動と人間の運動を融合, また, タスクを自動化する条件で運動主体感, 身体所有感がどのように変化するかを調査した.
3D1-3
簡易没入型VR歩行システムによるVRSNSへの入力機器エミュレーション
〇木戸 功了(広島市立大学)、脇田 航(広島市立大学)
VRChatやCluster等のVRSNSではフルボディトラッキングによってVR空間内を自身の足で歩き回ることができるが,歩行可能な空間の確保の問題やVR酔いの問題がある一方,VR空間内を歩行するための装置についてもコストや安全性等の問題がある.そこで本研究では,ユーザの進行方向に大腿部を支持し,推定した歩行動作に応じて映像呈示することで歩行感覚を錯覚可能な簡易没入型VR歩行システムを用いて既存のVRSNSへの入力機器エミュレーションを行う.
3D1-4
VRChat内実験室における不可能身体所有感の研究
〇石本 浩気(豊橋技術科学大学)、杉本 麻樹(慶応義塾大学理工学部)、稲見 昌彦(東京大学)、北崎 充晃(豊橋技術科学大学)
VRChat内に実験環境を構築し,不可能な関節運動を行うアバタ身体に,自己運動と連動することで身体性が獲得されるかを調べた。被験者の頭部及び両手の動きを計測し,IKを用いてリアルタイムに連動(同期,非同期)するアバタと関節が逆に曲がるアバタを体験させた。その結果,不可能身体アバタであっても,同期の場合に非同期よりも高い身体所有感と行為主体感が得られ,不可能身体が獲得可能であることが示唆された。
3D1-5
アバターと自己身体の視点シフトによる身体感覚の変化
〇中川 航太朗(豊橋技術科学大学)、井上 康之(豊橋技術科学大学)、杉本 麻樹(慶応義塾大学理工学部)、稲見 昌彦(東京大学 工学系研究科)、北崎 充晃(豊橋技術科学大学)
仮想空間におけるVRアバターや実世界にあるアバターロボットの1人称視点(1PP)映像を用いた没入VR体験は,自己位置の変化と自己意識の変化を引き起こす.また,体験者と同じ姿勢や動きのアバターを鏡により3人称的な視点から見ることで,アバターを1人称視点で観察する場合と同じように全身所有錯覚が起きる.本研究では,視野中心を目の位置から変更することによる,鏡に映る身体への自己身体感覚の変化を調べた.
3D1-6
VRツイスターにおける自身のアバタの外見が相手とのインタラクションに及ぼす影響
〇後藤 拓海(電気通信大学 情報理工学研究科)、櫻井 翔(電気通信大学 情報理工学研究科)、野嶋 琢也(電気通信大学 情報理工学研究科)、広田 光一(電気通信大学 情報理工学研究科)
VR空間内において全身運動を伴うインタラクションを行うゲームでは、アバタの外見が身体図式に影響し、さらに相手がいる場合、互いの外見は互いの印象形成や行動にも作用すると考えられる。本研究では、全身運動を伴い至近距離で相手と対戦するツイスターゲームに着目し、VR環境でアバタを用いて2人で対戦できるシステムを構築、自己アバタの外見の変化によりゲームプレイや対人心理などに与える影響について検証した。
3D1-7
ユーザの筋運動に随伴して変化するアバタの視覚的な筋肉量が身体性に与える影響の基礎調査
〇木村 信人(電気通信大学情報理工学研究科)、櫻井 翔(電気通信大学情報理工学研究科、野嶋 琢也(電気通信大学情報理工学研究科)、広田 光一(電気通信大学情報理工学研究科)
VR空間でユーザの代替身体となるアバタは様々な外見(容姿,体格,人体比率等)の獲得を可能にする.この時,ユーザと全く異なる外見のアバタにも身体所有感や運動主体感が生じることがわかっている.しかし,ユーザの運動に対応してアバタの外見が変化していく場合の影響は未解明である.本稿では,筋肉量を例題に,ユーザの運動に伴ってアバタの外見が変化する時,身体所有感や運動主体感への影響と生起条件を調査した.