Web要旨

Tuesday, 14 September
9月14日
 

一般発表 9:00-10:20 感覚・知覚(視覚)

座長:福嶋 政期 (東京大学)

3B1-1
マスク装着時の地面視野領域の変化
〇徳永 翼(電気通信大学)、梶本 裕之(電気通信大学 大学院情報学専攻)
近年、ほとんどの人が外出時にマスクを着用している。マスク着用による変化の一つに地面の見え方の変化があげられる。両眼視可能領域が狭まることで地面をうまく認識できなくなると転倒の危険性が増すと考えられる。本研究ではどの程度視野が狭まるのかを調べるため、正面を向いたときの周辺視野による地面視野領域を測定した。結果、マスク着用時は非着用時と比較して20㎝程度地面の視野領域が前方に狭まることが確認できた。
3B1-2
車載用ヘッドアップディスプレイの設計パラメータとヒトの視覚情報処理負荷の関係
〇山田 和佳(東京大学大学院工学系研究科)、上田 一貴(東京大学大学院工学系研究科)、髙田 真也(東京大学大学院工学系研究科)、中尾 政之(東京大学大学院工学系研究科)
車載用ヘッドアップディスプレイを自動車の運転中に安全に使用するためには,短い時間で映像から情報を受容できるよう,運転者の視覚情報処理を考慮した設計を行う必要がある。装置の設計パラメータである映像投影方法と,提示する映像の情報量を変化させ,視覚情報処理にかかる時間を眼球運動と脳波の計測により評価した。
3B1-3
追跡型構造化光による運動物体の不可視化の検証
〇佐藤 健吾(東京工業大学工学院情報通信系)、渡辺 義浩(東京工業大学工学院情報通信系)
人間の視覚の時間分解能を超える速度の高速プロジェクタと,高速カメラを用いたトラッキングにより,未知の運動をする物体に遅れなく追従する投影が可能である.本稿では,対象に光が当たらない状態を維持する投影によって,物体の色や位置に対する不可視化を検証する.同時に,この際発生する背景の変化を補正する投影を,視覚的持続が保たれている間に行うことによって,同変化に対する不可視化を検証する.
3B1-4
3次元形状認識における輪郭線統合
〇和崎 夏子(日本女子大学大学院 人間社会研究科、日本学術振興会特別研究員)、竹内 龍人(日本女子大学大学院 人間社会研究科)
3次元空間における形状認識の機構を明らかにするために、多数の円柱がランダムに配置された妨害刺激の中から、円柱で構成した立方体を検出する課題をVR空間上で行った。その結果、円柱が平行であり端点が接しない形状の方が、端点が接続する場合よりも検出しやすいことがわかった。この結果は、2次元平面上の場合(Hessら、2003)とは異なり、3次元空間では、同一方位の要素の統合により形状認識がなされていることを示唆している。
3B1-5
影プロジェクションによる空中像の立体感錯視
〇矢野 裕太郎(電気通信大学)、星 彩水(電気通信大学)、小泉 直也(電気通信大学)
物体の位置や形状の知覚において影は重要な要素であり,影は物体の位置や形状の知覚に効果を与えることが知られている.本研究では現実空間に映像が表示されている空中像に形状の異なる影を投影することにより,影が空中像の形状の知覚にどのような効果を与えるかを調査した.その結果,影の形状によって空中像の形状の知覚が変化することがわかった.
3B1-6
ビデオシースルーと光学シースルーを用いた複合型HMDの基礎検討
〇今村 達哉(大阪工業大学 大学院ロボティクス&デザイン工学研究科)、中泉 文孝(大阪工業大学ロボティクス&デザイン工学部)、大須賀 美恵子(大阪工業大学ロボティクス&デザイン工学部)
既存のARに用いられるHMDには2つの課題が存在する.中心視野には輻輳とその調節に矛盾があるため焦点が合わないという課題と,CGの提示範囲が人間の視野に比べて狭いという課題である.そこで本研究では中心視野にビデオシースルー型を用いることで輻輳と調節の矛盾の問題を解決しつつ,周辺視野に光学シースルーを用いることでCGの提示範囲の拡大を行う.本発表では,この手法の実現に向けて基礎的検討を行った結果を報告する.