Friday, 18 September
2020/9/18(金)
一般発表 9:00-10:20 聴覚・嗅覚・味覚
座長:青山 一真(東京大学)
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- マイクスルーイヤホンを補聴器として利用するための適応的なリアルタイム話速変換システムの構築と評価
〇高木 周平(名城大学)、岩田 将幸(名城大学)、坂野 秀樹(名城大学)、柳田 康幸(名城大学) - 難聴によるコミュニケーション上の困難が,抑うつや認知機能低下などに関与することが報告されている.本研究では,外音波形を増幅・加工して提示するだけでなく,話速変換機能を有するインテリジェント補聴器の実現を目指す.リアルタイムの会話へ適用できるよう,話者音声全体の大幅な伸長を避け子音部のみを話速変換する手法により可聴性向上を図るシステムを構築し,評価した.
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- 超高周波成分の帯域の相違が自発脳波α1活性に及ぼす影響
〇福島 亜理子(江戸川大学)、八木 玲子(東京成徳短期大学)、河合 徳枝(国際科学振興財団、早稲田大学研究院)、本田 学(国立精神・神経医療研究センター神経研究所)、仁科 エミ(放送大学)、大橋 力(国際科学振興財団) - 超高周波を含む音が深部脳を活性化するハイパーソニック・エフェクトの発現強度が超高周波成分の帯域の相違に応じて変化することを、先行研究において脳波α2活性を指標として見出した。本論文では、より遅い周波数成分である脳波α1の増減を分析してα2のそれと比較した。その結果、可聴音に共存させる周波数帯域に応じて、脳波α1活性も増減することが見出された。α1の増大は、可聴音と同時に80-88 kHz帯域成分を呈示した時に有意に増大し、24 kHzより低い高周波成分を付加した時に低下傾向が見られた。以上の結果はα2の超高周波の周波数に対する挙動と相似する。
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- 電気味覚を活用した炭酸飲料の刺激増幅機能を有したコップ型デバイスの開発
〇金山 純平(法政大学)、野村 伊吹(法政大学)、望月 典樹(法政大学)、小池 崇文(法政大学)、中村 壮亮(法政大学) - 我々はコップに注いだ炭酸飲料に電気刺激を与えることで炭酸の刺激が増強されることに着目し、電気味覚システムの開発に取り組んでいる。本発表では実用的なコップ型デバイスの試作として、電気味覚による炭酸飲料の刺激増幅機能を有したコップ型デバイスの開発を行った。具体的な取り組みとして入力信号生成や電気刺激生成,オペアンプへの電源電圧供給のための回路をコップに内蔵するために、小型化を意識した回路設計を行った。
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- 圧縮空気駆動型空気砲における渦輪制御に関する検証
〇林崎 智和(名城大学)、渡辺 久馬(名城大学)、野間 春生(立命館大学)、柳田 康幸(名城大学) - 空気砲から射出される渦輪を用いた香り提示を行う香りプロジェクタの研究が行われている.空気砲駆動の1つには,圧縮空気により空気を押し出す方法がある.しかし,安定して渦輪を生成するために長い筒が必要になる.一方,複数の射出孔を制御し渦輪を生成するクラスタ方式空気砲が提案されている.
本研究では,シミュレーションと実機の実験から筒の長さを縮めた際の圧縮空気駆動の渦輪生成条件を検証しクラスタ方式と比較した.
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- 味物質選択性を持つ電気刺激手法
〇原 直弥(大阪大学)、原 彰良(大阪大学)、古川 正紘(大阪大学)、前田 太郎(大阪大学) - 電解質の味物質を抑制・増強可能な味覚電気刺激について,複数の味物質が混合した場合における,選択的に特定味物質の抑制や増強が可能な電気刺激手法は知られていない.本研究では,各味物質を呈するイオンの価数や分子量の差によって生じうる陰極電極側への引力や舌上への拡散力の違いを利用し,電気泳動力学場上の2次遅れ系として電解質の移動をモデル化することで,狙った味質の操作を可能とする電気刺激手法を提案する.
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- ウェアラブル嗅覚ディスプレイの残臭低減方法の検討
〇羽生 雪子(東京工業大学)、中本 高道(東京工業大学) - 嗅覚ディスプレイはユーザーに匂いを提示する装置であるが、香料の流路に匂いが吸着することにより、香料を提示していない時間にもユーザーが匂いを感じる残臭が問題になっている。本論文では、香料が吸着しやすいデバイスの部分を探しデバイスのデザインと香料提示の条件を検討したこと、そしてデバイスへのテフロンコーティングが残臭の軽減に効果的であるかどうかを確かめた実験の結果を報告する。