Web要旨

Friday, 18 September
2020/9/18(金)
 

一般発表 13:00-14:20 身体認知

座長:伴 祐樹(東京大学)

3C3-1
生体電気インピーダンスを用いた手指状態推定システムの開発
〇星野 篤(東京工科大学)、高橋秀智(東京工科大学)
3D空間上に手指の姿勢情報を入力できるデータグローブに変わる、新しい手指状態計測システムの開発を目指す。
開発するシステムは、体組成計でも用いられる生体電気インピーダンスを使用する。これは身体の状態によって変化する。手指の姿勢変化も身体の状態が変化しているとし、測定が可能と考えた。
測定方法は新たに手指の腱の状態から測定し、デバイスを簡素化できると考えた。
本研究は1指3関節の推定が可能か検証する。
3C3-2
視触覚干渉効果による身体所有感の客観的評価
〇高祖 信宏(東京工業大学)、三武 裕玄(東京工業大学)、長谷川 晶一(東京工業大学)
現在、一人称視点VRシステムの評価を行う際、身体所有感や一体感をアンケートで調査することが一般的である。しかし、アンケートによる評価は、客観的な評価に適しているとは言い難い。そこで私は、身体所有感を客観的に評価する新しい手法として、視触覚干渉効果を提案する。視触覚干渉効果は、触覚刺激と資格刺激を与え、識別課題を行わせることで、アバターに対する身体所有感を客観的に評価できると考えられる。
3C3-3
鏡アバタの自律行動と容貌が運動タスクの作業速度に与える影響
〇田崎 大也(東京大学大学院情報理工学系研究科)、小川 奈美(東京大学大学院情報理工学系研究科、DMM VR lab)、鳴海 拓志(東京大学大学院情報理工学系研究科)、廣瀬 通孝(東京大学大学院情報理工学系研究科)
他者行動の観察は観察者の行動を変容させる.本研究はバーチャル環境で単純な運動タスクを行うユーザを対象に,目の前の鏡に映る自己(鏡アバタ)が鏡像の動きから自律し,速度を変えて作業を行う際のユーザの作業速度変化を調べた.実験の結果,鏡アバタの作業速度が速い/遅いほどユーザの作業速度も速く/遅くなった.また,鏡アバタの顔として自身/他者の顔を使用すると,他者の顔を使用した方が作業速度の変化が大きかった.
3C3-4
左右身体の統合による共有身体の身体性
〇HAPUARACHCHI HARIN(豊橋技術科学大学)、GOWRISHANKAR GANESH(Interactive Digital Human group; CNRS-UM Laboratoire d'Informatique, de Robotique et de Microélectronique de Montpellier (LIRMM))、北崎 充晃(豊橋技術科学大学)
VR空間である被験者の右半身と別の被験者の左半身を統合する共有身体をアバタとして実現した。これを操作する時に,どのような身体性が得られるかを身体所有感および行為主体感を計測して調べた。その結果,被験者が担当している半身についての身体所有感・行為主体験が得られるだけでなく,担当していない半身についてもある程度の行為主体感が得られた。
3C3-5
Editable arm: 状況に応じた腕の複製と融合
〇萩原 隆義(豊橋技術科学大学)、杉本 麻樹(慶應義塾大学)、稲見 昌彦(東京大学)、北崎 充晃(豊橋技術科学大学)
人は2本の腕を持っているが,VRやロボティクスを用いて制御方法や形態を変化させることが可能である.両腕を1つの腕に融合する,片手で両腕を制御する,両腕で4本の腕を制御するという3つの形態を自在に変化させることのできるEditable armを開発した.精度を重視する作業や,速度・量を重視する作業といった様々な状況に応じて制御と形態を変化させることにより,作業の最適化が可能となることが期待される.
3C3-6
不可能関節身体への身体性獲得
〇石本 浩気(豊橋技術科学大学)、杉本 麻樹(慶應義塾大学)、稲見 昌彦(東京大学)、北崎 充晃(豊橋技術科学大学)
不可能な関節運動を行うアバタ身体を構築し,自己運動と連動することで,身体性が獲得されるかを調べた。被験者をモーションキャプチャで計測し,リアルタイムに連動(同期,非同期)するアバタと関節が逆に曲がるアバタを5分間体験させた。その結果,不可能身体アバタであっても,同期して動く場合には非同期よりも高い身体所有感と行為主体感が得られ,不可能身体が獲得可能であることが示唆された。
3C3-7
融合身体を用いた身体スキル伝達に関する基礎調査
〇伊東 亮太(東京大学)、小川 奈美(東京大学、DMM VR lab)、鳴海 拓志(東京大学)、廣瀬 通孝(東京大学)
身体スキルを習う際,VRで一人称視点から熟練者の動作を観察すると学習効果が高くなることが知られている.しかし運動意図や,自らの身体でどうすれば同様の動作ができるのかを伝えるのは難しい.本研究では二者の身体動作を特定の比率で平均化した身体「融合身体」を提案し,舞踊を模したタスクでその性質を調査した結果,あたかも熟練者に身体を引っ張られ誘導されているような感覚を生起できることが示唆された.