Web要旨

Thursday, 17 September
2020/9/17(木)
 

一般発表 10:30-11:50 触力覚(温度・圧覚・柔軟感)

座長:昆陽 雅司(東北大学)

2D2-1
集束超音波による冷覚フィードバックを有するフォグディスプレイの基礎検討
〇中島 允(東京大学大学院新領域創成科学研究科)、牧野 泰才(東京大学大学院新領域創成科学研究科)、篠田 裕之(東京大学大学院新領域創成科学研究科)
本研究は,ミストによる光の半透過性を利用した特殊スクリーン系空間映像技術の一つであるフォグディスプレイにおいて,冷覚のフィードバックが得られるシステムを提案する.フォグディスプレイ上の局所領域に対し超音波フェーズドアレイから生成された集束超音波を照射し,瞬間的なミストの気化による気化熱を用いて冷却することで実現する.
2D2-2
額電気刺激による温度感覚提示の予備的検討
〇齋藤 大雅(電気通信大学)、張 建堯(電気通信大学 大学院情報学専攻)、亀岡 嵩幸(電気通信大学 大学院情報学専攻)、梶本 裕之(電気通信大学 大学院情報学専攻)
HMDに感覚提示装置を追加する取り組みが多数行われており,中でも温度提示は臨場感を向上させる目的でペルチェ素子やヒータを利用することで実現されてきた.我々は額電気刺激で温度感覚が稀に生じることを発見した.本研究はこの知見に基づき,電気刺激を用いることによるHMDにおける省スペース,省電力な温度提示を提案する.本稿では特に額中央部における陰極刺激による冷感生起について報告する.
2D2-3
手指での温冷覚誤認現象に関する実験と考察
〇橋口 哲志(龍谷大学)
温度感覚はThermal Grill IllusionやThermal Referralといった錯覚現象のように,近傍に複数の刺激があると誤認してしまう.さらに刺激箇所を増やした場合には誤認が頻出し,温覚刺激を冷たい,冷覚刺激を温かいと真逆に誤認してしまう場合もある.そこで,本稿では温度提示で最も想定される手指に装着した提示でもこの誤認現象が発生するのか確認することにした.
2D2-4
運動する柔軟球による硬平板の表現(第3報) 運動速度比と知覚曲率に関する検討
〇竹内 将大(電気通信大学)、金子 征太郎(電気通信大学、日本学術振興会 特別研究員)、梶本 裕之(電気通信大学)
2つの全く同じ曲率,弾性の物体が同じ速さで接触する時,その接触面は平面となる.この原理から,我々は指と同程度の曲率と硬度を持つ柔軟球を等速で対向させることで硬平板と同等の触覚を表現可能と考えた.前報で得られた速度比と知覚された硬度の関係をもとに,本稿では指と柔軟球の速度比によって知覚される曲率を様々な曲率サンプルとの比較によって検証する実験を行った.
2D2-5
柔軟物を表現するオノマトペと物性の関連性に関する予備的検討
〇金田 実久(電気通信大学)、竹内 将大(電気通信大学)、金子 征太郎(電気通信大学、日本学術振興会 特別研究員)、梶本 裕之(電気通信大学)
我々は日常生活において,微細な粘弾性の違いを異なったオノマトペを用いて表現することがある.本研究は,物体の柔らかさを表現する際のオノマトペの違いと物性との関連性を明らかにすることを目的とする.実験では異なる粘弾性の振る舞いを示す二次元断面の動画を用い,映像の触覚を形容するオノマトペを被験者に回答させた.実験結果からオノマトペのモーラと物性の関係性を考察した.
2D2-6
超音波のLateral Modulation刺激における刺激点移動の高解像化による振動感抑制
〇森崎 汰雄(東京大学)、藤原 正浩(東京大学)、牧野 泰才(東京大学、JST さきがけ)、篠田 裕之(東京大学)
集束超音波を用いると、非接触に触覚を提示出来る。超音波の提示力は数グラムのため、その知覚強度を向上させるLateral Modulation(LM)刺激が提案されている。LM刺激では、刺激位置をわずかに周期変位させ振動覚を与える。しかし、非振動の圧覚はより感じにくく、超音波で提示するのは未だに困難である。圧覚提示の糸口として、著者らは刺激点移動の刻み幅を小さくした際に、LM刺激の振動感が軽減されることを実験的に発見した。本研究では、LM刺激の刻み幅と振動感の関係について定量評価する。
2D2-7
皮膚色変化による圧力分布計測手法の予備的検討
〇金子 征太郎(電気通信大学、日本学術振興会)、梶本 裕之(電気通信大学)
指先にかかる圧力分布の計測は触感再現等に必要なセンシング技術の一つである.本研究では,皮膚に圧力がかかった際に色が変形することに着目し,非接触での圧力分布計測を可能にする手法を提案する.本手法は凹凸面越しの皮膚色変化をカメラによって撮影することで圧力分布の計測が可能とする.評価として皮膚の色変化がアレイセンサ上での圧力分布と対応していることを確認し,皮膚色変化が持つ空間解像度の定量評価を行った.