Wednesday, 16 September
2020/9/16(水)
一般発表 13:00-14:20 視覚(心理,教育・訓練)
座長:小泉 直也(電通大学)
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- 頭部搭載型ディスプレイの解像度品質がユーザーの重心動揺に及ぼす影響
〇三木 萌花(岐阜大学)、三輪 光一郎(株式会社大都技研)、木島 竜吾(岐阜大学) - HMDの解像度はユーザが得る臨場感・没入感にとって重要である。十分な解像度品質があれば、ユーザは現実空間と同じ知覚を得、同じ行動ができるはずである。本研究では、重心動揺をこの同等性の指標とし、被験者実験により、解像度の低下の影響を調べた。実験結果は、解像度による周波数帯域制限は0.228cpd以上では重心動揺に影響を与えず、エイリアシングによるジャギーの運動により重心動揺が大きくなることを示した。
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- HMDの解像度品質がユーザの重心動揺に与える影響- 実時間レンダリングを用いた評価 -
〇浅野 優(岐阜大学)、木島 竜吾(岐阜大学) - 人間が仮想空間と実空間にて同様な体験をするためには、HMDの解像度は重要である。本研究では、解像度の変化がユーザの与える影響とそのメカニズムを、人間の平衡を指標として被験者実験により調査した。解像度の変化は、空間周波数帯域と副産物であるジャギーの運動を変化させる。解像度を低下させると、主にジャギーの運動が人間の平衡を悪化させることが判明した。
- 1B3-3
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- 視差式立体ディスプレイにおける融像困難問題に対する焦点深度情報削除の効果
〇稲守 一晃(岐阜大学)、木島 竜吾(岐阜大学) - HMDなどの視差式ディスプレイでは、水晶体調節が固定された状態で輻輳の変化を利用して深さを提示するため、両者に齟齬が生じ、これが近距離における融像困難の原因であると指摘されている。
本研究では、マクスウェル視を用いて調節固定を排除した視差式ディスプレイを製作し、融像の困難性を定量的に測る被験者実験を行った。
実験の結果は、調節が固定されない状態でも融像困難は解決できない可能性を示した。
- 1B3-4
- 視角提示におけるフレームレートと動体視力の関係
〇南部 志門(岐阜大学)、海田 力(岐阜大学)、木島 竜吾(岐阜大学) - 現実空間に比べて仮想空間では動体視力が落ちる。単純には、HMDなどのディスプレイでは、フレーム期間中は表示内容が変わらないため、運動する物体をパースートすると生じるブラーのためと考えられるが、被験者実験の結果はこの説明とは異なり、動体視力が視角速度と更新レートの線形結合の関数であることを示した。これは静止視力における指標サイズのような仮想空間における動体視力の軸であると考えられる。
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- ヘッドアップディスプレイ(HUD)の映像投影⽅法がヒトの視覚情報処理に与える影響の評価
〇山田 和佳(東京大学)、上田 一貴(東京大学)、中尾 政之(東京大学) - ⾃動⾞の運転⽀援技術の⼀つであるヘッドアップディスプレイ(HUD)は,情報を提⽰するときだけフロントガラス上に表⽰され,ドライバは運転中に道路環境からHUD映像へ⽬を向けることで脳内への視覚情報⼊⼒を⾏う.よりユーザフレンドリなHUDを設計するためには,ドライバの視覚情報⼊⼒プロセスについて理解する必要がある.本研究ではHUDの映像投影⽅法に着⽬し,実像表⽰と虚像表⽰の機器構成の違いが⼊⼒プロセスにどのような差を与えるかを視線計測により検証した.
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- スポーツ初心者の動作習得を促す視覚的指示のための効果的な2色配色の決定
〇稲葉 洋(松江工業高等専門学校) - 本研究では,スポーツ初心者の動作習得に向け,習得したい動作と自身との差を視覚的に示すのに適した配色を定める.ここでは,差を「高いと低い」のような二通りで示すとき,それらが練習者に速く伝わる2色を実験的に調べる.自転車ペダリングを行う者に,クランク回転数が目標より高いか低いかを様々な色で示してその際の反応時間を調べたところ,高い色に暖色系,低い色に寒色系を組み合わせたときに速い反応を示した.
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- VR用視覚提示装置の幾何パラメータに関するWeb教材の作成
〇柳田 康幸(名城大学) - HMDやCAVEなどのVR用視覚提示装置において,瞳孔間距離や視野角などのパラメータやトラッキング誤差・遅延などの影響がどのような形で現れるかを幾何学的に示す教材を作成した.専門的なソフトウェアを導入せずに学習者自身がパラメータを変化させてその影響を確認できるよう,JavaScriptを使ったWebページの形で実装した.