Web予稿集

Sept. 11-13 2024
9月11-13日

OS  IVRC

座長:野嶋琢也(電気通信大学)

IVRC-00
IVRC2024 SEED Stage
〇野嶋 琢也(電気通信大学)
Interverse Virtual Reality Challengeは,学生が中心となって企画したバーチャルリアリティ(VR)に関連する多数の作品が競い合うコンテストです.IVRCは,VR技術の進歩を促進し,VRの可能性を追求することを目的として,研究者,開発者,アーティスト,ビジネス関係者など,さまざまな分野の専門家が参加する国際的なイベントであり,VR技術やコンテンツの最新動向や革新的なアイデアが発表・展示される場となっています.本OSでは,Seedステージ進出したチームが作品について発表する.
IVRC-01
きときとホタルイカ
〇竹山 翔(富山県立大学)、長谷川 知紀(富山県立大学)、村山 あかり(富山県立大学)
本企画は、仮想空間でのホタルイカのつかみ取り体験を提供する。実世界で、プールに泳がせたホタルイカの模型をトラッキングし、体験者にHMDで映像として提示する。体験者は、映像を見ながらホタルイカを捕まえようとすると、実際に配置されたホタルイカの模型に触れることができる。模型からは、振動などによる触覚提示を行うことで、リアリティのある体験を再現する。富山県の自然と文化の魅力を伝えることを目指す。
IVRC-02
Chrono-metamere -I vs me-
〇有住 拓杜(東京大学大学院情報理工学系研究科)、山下 純平(東京大学大学院情報理工学系研究科)、秋元 源希(東京大学大学院情報理工学系研究科)、何 紀婷(東京大学大学院情報理工学系研究科)
本企画では過去の自分とチャンバラを行うことで、主体的観点と客体的観点を行き来しながら自己身体を捉えることを目標とする。本作品の体験者はまずNPCと戦う。そしてその際の動きは記録され、次戦の相手の動きとして使用される。そして前回の自分の動きを模倣するその相手と戦ったときの動きは、また次の相手に反映される、というプロセスを繰り返して白熱した自己との戦いを体験する。
IVRC-03
新!神!Shine!
〇司城 勝樹(北陸先端科学技術大学院大学)、門 真菜巳(北陸先端科学技術大学院大学)、酒井 優輝(北陸先端科学技術大学院大学)
「古事記」では、天照大神が太陽を司る神とされ、「天の岩戸」の話が有名である。須佐之男命の乱暴から逃れて天照大神が岩戸に隠れると世界が闇に包まれ、再び出ると光が戻った。本企画では、体験者が仮想空間で天照大神となり、太陽を操作して影を変化させ、須佐之男命に見つからないように影の上を高速で移動し岩戸を目指す体験を提供する。現実世界では不可能な太陽の操作を駆使し、新たなインタラクティブ体験を創出する。
IVRC-04
手、そこから生えるんか
〇竹内 都倭(甲南大学)、田中 琳晟(甲南大学)、福永 昇真(甲南大学)、福井 吟祐(甲南大学)
本企画は、自身の腕を取り外して任意の体の部位に再配置する部分的な身体改造を疑似的に再現した体験を行う。体験者は HMD と触覚提示装置を装着後、視覚提示装置と触覚提示装置により錯覚を誘発させ、肩から腕を取り外したときに出る腕の消失感、自身の身体に再装着した際に感じる腕の存在感という感覚を疑似的に再現する。これにより現実では行えない身体変容を可能にする非現実体験を提供する。
IVRC-05
Voice be Chord ~眠れぬ森のケルベロス~
〇藤間 南々子(多摩大学)、岩崎 陽生(多摩大学)、高田 澪(多摩大学)
本企画では、正確で綺麗な和音から生まれる"倍音現象"を体験者の声で作り出す体験を提供する。ギリシャ神話のケルベロスを眠らせることを設定上の目的とし、VR空間内に表示されるインジケータで声の高さを調整する。体験者の声の周波数が、求める周波数と厳密に一致していない場合でも、一定範囲の周波数成分の合計を強度とし、出力する。体験者に倍音が聞こえた嬉しさと和音の心地良さを感じてもらうことを目指す。
IVRC-06
耳研澄装置製造工場
〇城戸 双汰朗(情報科学芸術大学院大学)
本企画は,「耳研澄装置」の製造工場を模した体験型のインスタレーションである.「耳研澄装置」とは,体験者が工場での製造体験を行う過程で「この装置を装着すると、透聴力が向上する」と思い込むことによって完成される装置である。また,耳研澄装置を装着し,日常の生活の中で音に耳を研ぎ澄ます体験を習慣化することでその人が持つ透聴力を無意識的に引き出し,一時的な体験に過ぎなかった透聴力の向上を現実のものにすることを試みる.
IVRC-07
Dirtist cube
〇灘 龍多(大阪芸術大学)、植田 太一(大阪芸術大学)、山本 沙充也(大阪芸術大学)、田淵 文也(大阪芸術大学)、山内 康生(大阪芸術大学)、加茂 熙海(大阪芸術大学)
Dirtist cubeは土を始めとする素材の持っている感覚を動的に再現し提示するVRサンドボックスゲーム企画です。感覚の提示は、箱型、手袋型、HMD、の三種類のデバイスで行われ、ゲーム内の素材を持った時の感覚を複合的に再現します。自由なゲーム体験の為に全ての感覚提示は動的に変更できる様にしており、箱型デバイスは独自機構を、手袋型デバイスは振動を用いた錯覚での感覚提示を用いて実現しています。
IVRC-08
次元切断刀
〇小野田 響(電気通信大学)、中村 一翔(電気通信大学)、柏木 嵐(電気通信大学)、小湊 咲(電気通信大学)、坂本 泰清(電気通信大学)、藤 亘輝(電気通信大学)
この企画では抜刀中は時が止まり、その間にVR空間のアバターの相手を切る動きをしてもらい、納刀したタイミングで時が動き実際に相手が切られるという一連の流れを体験してもらうものである。体験のリアリティを上げるために今までのVRゲームのように刀からも様々なフィードバックを行うが、今回は切られた相手からのフィードバックにも重きを置いている。これにより今までとは異なる角度からVR体験のリアリティを向上させる。
IVRC-09
君もn皮むけようぜ!(n∈ℕ)
〇長澤 宏太(青山学院大学理工学部情報テクノロジー学科)
本企画は,「剥がす」という日常生活の中で起こる行動を何度も体験できるシステムを提供する.紐による張力を,ディスクブレーキによって制御することで,物体の皮を剥がしている感覚を提示する.ユーザはHMDを装着し,触覚と同時に視覚刺激と聴覚刺激を提示することで,リアルな「剥がす」体験をユーザに提供する.
IVRC-10
足が刃になる⁉ 「切る」感覚の体験
〇温水 心琴(岐阜大学)、川上 朝香(岐阜大学)、斉藤 妃那(岐阜大学)
本企画では「切る」感覚の体験を提供する。体験者はHMDを装着し、足にトラッカーと物理デバイスを装着した状態でVR空間上のオブジェクトを切る。この時、足の動きがHMD上の映像や音声、力覚を与える物理デバイスの動きと連動することで、視覚、聴覚、触覚のフィードバックが得られ、体で直接「切る」感覚の体験を通して、道具を使って「切る」感覚とは異なる新たな感覚の体験を提供する。
IVRC-11
グラビティ・パラドックス
〇大塚 広太(工学院大学)、山下 朋也(工学院大学)、松岡 祐汰(工学院大学)、内野 蒼平(工学院大学)、宮島 裕大(工学院大学)、竹島 光一(工学院大学)、小倉 綾介(工学院大学)、大谷 駿介(工学院大学)
もし、重力が物理法則に反するような体験ができたとしたら、それはどのような感覚になるだろうか。本企画では、エッシャーの『相対性』のように異なる向きの重力が共存する空間を仮想空間上に再現する。その中を移動することで、自身に働く重力の向きが変化する、摩訶不思議な感覚を体験できるようにする。
IVRC-12
Stealth Shield -Protect your virtual privacy-
〇大久保 暖々子(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、白川 太地(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、角谷 美里(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、許 奕豪(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、沈 家宜(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、村留 一舞(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、中村 壮一(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、三堀 二知加(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)
近年、VR技術やAI技術などの最先端技術は、私たちの生活やビジネスに革命をもたらしている。しかし、このような技術進歩の裏側には個人データのプライバシーの問題が隠れている。本企画では、インターネットの進化がもたらした「常時接続されている世界」におけるデジタルプライバシー侵害の恐ろしさや危険性を表現するMRインスタレーションを制作し、体験者の注意喚起を提供する。体験者は、自身の会話を通して視覚的・聴覚的・触覚的なフィードバックを受ける。AIを使用し、リアルタイム性を追求したインタラクションを実装する。
IVRC-13
引っ張る!切る!ハタ揚げVR
〇斧口 紘也(熊本大学 KuMA)
本作品は「ハタ揚げ」と呼ばれる長崎県の伝統芸能の凧揚げをVR環境で楽しむことができる作品である.牽引力のあるVR体験をハタ揚げならではの糸が切れる感覚と共に提示するために,サーボモータによってロープを牽引したりソレノイドを用いて瞬間的にロープを緩ませたりする.さらに単一の滑車によって左右方向への牽引力を提示するために,VR空間の映像を回転させることで擬似的に牽引力を知覚させることにも挑戦する.
IVRC-14
色彩の魔法旅人 ~消えゆくカフェテラスを救え~
〇大家 東磨(大阪大学)、Lee GaYeon(大阪大学)、張 歓(大阪大学)、An Junshu(大阪大学)、ブアマニー タンピモン(大阪大学)、Eduardo Iglesius(大阪大学)
AR・VRを用いて,フィンセント・ファン・ゴッホの『夜のカフェテラス』という絵画の中の世界に入り込み,絵画の中の色の失われた部分を修復するという体験を制作した.また,システムにハンドトラッキングや触覚,温度,匂いの提示を行うデバイスを用いることで,VR単体では得られない没入感と,従来の芸術鑑賞とは異なる,動的で没入感のある新しい体験を提供する.これにより,静的な芸術を動的かつ多感覚的に楽しむ新しい体験を提供することを目標とする.
IVRC-15
マルチモーダル瞑想世界への誘い
〇松本 朋己(広島市立大学)
瞑想は,リラクゼーション効果や感情の制御, 集中力の向上などの効果が報告されている.しかし,瞑想状態を維持することは初心者には難しく,瞑想状態の判断も困難である.本企画では,体験者の生体情報により,マルチモーダル感覚呈示を動的に変化させることで,感覚が研ぎ澄まされていく体験を提示する.また,瞑想状態をバイオフィードバックとともに提示することで,瞑想体験の入口となることを目指す.
IVRC-16
大和歌 VR Recording
〇清水 紘輔(筑波大学)、一倉 弘毅(筑波大学)
本企画では,百人一首の和歌に込められた情景を,バーチャルリアリティ(VR)技術を用いて再現することを目的とする.視覚,聴覚,触覚,温度感覚に働きかけることで,和歌の世界観を没入感高く体験できるシステムを開発する.これにより,現代人が和歌の美しさや深みを再発見し,新たな創作活動につなげることが期待される.本企画は,日本文化の魅力を現代技術で表現する新しい試みであり,文化理解や芸術表現の可能性を広げるものである.
IVRC-17
中継を止めるな~究極のフォーミュラレース中継体験~
〇阪井 啓紀(岐阜大学)、小木曽 直輝(岐阜大学)、野倉 大輝(岐阜大学)
本稿では,カメラ型のデバイス,送風デバイスと立体音響スピーカーを駆使したシステムを構築しF1 中継の体験を提供する.具体的には,F1 中継で使用されるカメラを忠実に再現したインタラクティブなカメラ型デバイスを開発しマシンを撮影する体験である.さらに,送風デバイスおよび立体音響スピーカーによって,マシンの速度と距離に応じて風の強さと方向をリアルタイムで調整し,まるで本物のマシンが目の前を駆け抜けるような風と音の感覚を提供する.
IVRC-18
Fighting of Shield
〇城野 玲於奈(明治大学大学院)、吉田 晟捺(明治大学大学院)、渡邉 海(明治大学大学院)
本企画では、盾によって攻撃を防御したり、跳ね返したりするようなアクションをVR内で擬似的に行える体験を提供する。我々が制作したデバイス内には衝撃提示装置と温冷風提示装置があり、それらによって敵の攻撃に対する防御感を再現する。衝撃提示装置によって、攻撃された位置や威力を提示し、温冷風提示装置によって、魔法攻撃による温度変化を提示する。衝撃提示に変化を与えることで、盾の材質が変化する演出も行っている。
IVRC-19
バーチャル脱皮
〇賣井坂 柊誠(東京工業大学)、筒井 大翔(東京工業大学)、提箸 陸斗(東京工業大学)、安福 拓未(東京工業大学)、増森 仁士(東京工業大学)、福島 巧人(東京工業大学)
本企画では爬虫類や節足動物が行うような「脱皮」をする体験をつくりだす.HMD(Head Mounted Display)による抜け殻の視覚情報提示と腕に取り付けた脱皮感覚提示デバイスによる触覚により,体験者へ自分の腕を脱皮させる感覚を与え,一皮むける体験を提供する.
IVRC-20
遅刻回避!大体何でも融かす手
〇野田 諒太(名城大学)、宮本 陸(名城大学)、戸田 愛加(名城大学)、鉄川 樹(名城大学)、京江 茜⾳(名城大学)、西野 大智(名城大学)、⾹川 篤志(名城大学)
VRを用いた物体を融かす体験において、融ける際の手に伝わる抵抗感及び固体から液体に変化する際の液体感を提示する。体験者は各装置を装着し、システムを起動する。駅構内を移動すると壁等の障害物が現れる。その際、融解コントローラを徐々に押すことで、融解する際の物体の抵抗感を感じることができる。同時に液体感提示手袋によりスライム状の液体が流入され、融けているときの液体感を提示することができる。
IVRC-21
寝台列車ですやすや
〇奥田 煌人(立教池袋高等学校)、永野 鉄舟(立教池袋高等学校)
通学中や帰宅中の電車内でいつのまにか寝てしまっていること、また寝ている人を目撃することなど、日常生活で睡眠不足を感じる場面が多くなっている。なぜ人々は電車の中で眠りにつくのだろうか。そこには振動が関わっているとされている。今回私たちが作る作品は、寝台列車を模した空間をVRによる視覚・聴覚の観点と、縦横小刻みに動かして発生させた振動の観点から再現し、人々を快適な睡眠に誘うことが可能となるVRである。