Web予稿集

Sept. 12 2024
9月12日

口頭発表 10:10-10:50 心理

座長:森田 磨里絵(立命館大)

2D2-01
高齢者におけるバーチャルリアリティ:主観的な体験に関する探索的検討
〇長江 優太朗(中央大学大学院文学研究科)、緑川 晶(中央大学文学部心理学専攻)
高齢者が研究や介入プログラムなどでVirtual Reality(VR)を体験する機会が増加してきているが,その主観的な体験については知見が不足している。そこで,本研究では高齢者にVR体験をしてもらい,半構造化面接により主観的体験を探索的に検討した。体験に関する感想とテキストマイニングの結果を基に,臨場感,現実との比較,過去の回想,操作性,興味・選好,目標の明確さの観点から体験について考察した。
2D2-02
メタバース空間における態様の異なるNPCによるユーザの行動評価
〇河合 直樹(大日本印刷株式会社)、近藤 孝夫(大日本印刷株式会社)、田中 美苗(大日本印刷株式会社)
メタバースにスポーンした直後のユーザは初めて見る空間に戸惑いを感じやすく,ユーザを適切な方向に誘導したり掲示した情報を確実に閲覧させたりすることが望まれる.本研究では,メタバース空間に異なった態様でNPCを登場させてユーザの行動に生じる変化を検証した.実験の結果,NPCによってユーザの居心地が向上して活動が活発化したこと, NPCの移動で生じる人流の方向にユーザが誘導される傾向があることを確認した.
2D2-03
上下運動に伴うVR酔い発生状況の検討
〇渡邊 海斗(大阪電気通信大学)、大西 克彦(大阪電気通信大学)
 VR酔いは,ベクションと呼ばれる視覚刺激によって移動しているような感覚になる現象が発生要因の1つと言われてる.そこで,日常では感じることの少ない上下運動への移動を視覚的に発生させることでベクションを誘発させ,VR酔いの発生を促した.そして,実験中に生じる可能性の高いVR酔いの症状を,眼球運動によって測定することで分析した.
2D2-04
Virtual Realityによる心理的影響の客観的計測の試み
〇川畑 駿太郎(中部大学)、平手 裕市(中部大学)、中井 浩司(中部大学)、松井 藤五郎(中部大学)、小嶋 和恵(中部大学)、毛利 空広(中部大学)、和田 結佳(中部大学)
予想される緊張度の異なる2種類のVR映像、森林浴とジェットコースター乗車を視聴時に発生する生体反応を心拍変動周波数解析、非侵襲連続推定心拍出量、脈動率、血圧、心拍数、呼吸数、経皮的動脈血酸素飽和度などの生理学的指標を用いて比較した。その結果、交感神経活動の賦活化において有意な差を記録できた。生理的生体反応を利用した評価法は、VR映像が及ぼす心理的影響を定量的に計測する手段として期待できる。
2D2-05
自動運転車開発に向けた右折運転行動における心理的側面の解析
〇高寺 昭至(名古屋工業大学)、舟橋 健司(名古屋工業大学)、谷田 公二(近畿大学)、水野 慎士(愛知工業大学)
本研究では自動運転における,安全なだけでなく当該車や周囲の車の搭乗者が不快に感じない制御の実現を目的に,右折運転行動の解析について議論する.その中で,右折車とその対向車線の直進車が存在する交差点において,右折車および対向直進車の搭乗者が不快感を覚えない,覚えさせないような右折開始の判断の傾向についてVRシステムにより調査した.その結果,心理面からも検討する重要性が確認できた.
2D2-06
火のゆらぎの大きさが覚醒度に与える影響の検証
〇山中 翔馬(東京大学)、下村 祐樹(東京大学)、伴 祐樹(東京大学)、割澤 伸一(東京大学)
火が人間の覚醒度を低減する効果を持つことは多くの研究で示唆されているが、火の覚醒度上昇効果の存在については十分な検討がなされていない。そこで本研究では覚醒度を高める火の状態について検討し、激しく燃えている火や、大きくゆらいでいる火は覚醒度を高める効果を持つと仮説を立てた。今回は特に、ゆらぎの大きさが覚醒度に与える効果を検証するための実験を実施した。実験の結果、両者の間に相関は見られなかった。
2D2-07
機械学習手法を用いた動的難易度調整の研究事例に関する考察
〇郷津 優介(玉川大学 脳科学研究所)、稲邑 哲也(玉川大学 脳科学研究所)
難易度調整において,ユーザーの内発的動機付けを最大化するためには,適切な難易度によるパフォーマンスの向上だけでなく,難易度調整に必要なパフォーマンスの観測回数や設定できる目標値の自由度なども深く関係してくる.本研究では,難易度調整に関してアプローチによる分類を通して体系的に整理し,様々な分野における動的難易度調整の手法に対して上記のような観点に着目して考察する.考察の結果,ユーザーの精神的負担を考慮した場合,どの機械学習手法を取り入れたDDA手法が有望であるかを決定する.
2D2-08
アバタを通じた自己表現の世代間比較:セルフアバタ作成方略の定量化
〇笠原 千聖(同志社大学大学院 文化情報学研究科)、坂本 晶子(ワコール人間科学研究開発センター)、阪田 真己子(同志社大学大学院 文化情報学研究科)
本研究では,セルフアバタの作成方略が世代によって異なるか検討するとともに,セルフアバタが現実自己とどのような関係性にあると認識されるかを明らかにする実験を実施した.結果,セルフアバタの作成方略は大きく3つの軸に大別され,世代間に特徴はみられなかった.他方で,セルフアバタと現実自己の関係性に対する認識は世代間で異なる傾向がみられた.
2D2-09
音・振動アイコンに対する感情反応の探求
〇佐竹 茉莉花(九州大学)、ブラウニング アーロン マイケル(九州大学)、何 昕霓(九州大学)
心臓の鼓動が生命を象徴することなどのように,振動は,覚醒的で,快・不快の感情引き起こすことが知られている.本研究では,音・振動アイコンによる感情変化の効果において,触覚が象徴性を持つかどうかを調査し,その特性が振動を駆動する音とは異なるのか探究する.実験では,音から駆動する音・振動刺激を用い,振動のみ,音のみ,両刺激の各条件において刺激を提示し,感情価や覚醒度の評価を行なった.本研究により,視聴覚映像体験等の体験向上への寄与が期待される.
2D2-10
視聴触覚刺激を用いた大声発声主体感提示によるストレス軽減
〇下村 祐樹(東京大学)、伴 祐樹(東京大学)、割澤 伸一(東京大学)
精神的ストレスによる生産性の低下は近年特に問題視されており,その軽減法の確立が求められている.本研究では,デスク環境における短時間での簡易なストレス軽減手法として,聴覚刺激と喉頭への振動触覚刺激による疑似的な大声体験に着目した.本手法は実発声なしに発声体験への主体感を生起させることを目的とするが,主体感生起に必要な最小限の刺激構成しか調査がされていない.そこで,本研究では視覚的なストレス軽減の文脈提示を組みわせることで,体験のもたらす効果をより確実かつ強固に生起可能であると考え,これを検証した.
2D2-11
取り下げ
2D2-12
リアルタイム画像生成AIにより作成したアバターを用いた身体ゲームの提案
〇村留 一舞(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、脇坂 崇平(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、Armstrong Mark(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、南澤 孝太(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)
生成AIの発展により、ユーザ周囲の現実環境をリアルタイムに視覚変換する現実変容体験への可能性が開けつつある。だがそういった体験においては、文脈に沿わないイメージの出現が本質的に不可避であり、それは本来的にはエラーとして扱われてきた。本研究ではその様なイメージをエラーではなく、新たな表象の創発として捉え、現実変容を同時に体験するユーザ間のコミュニケーションにおいてどの様に記号使用されていくかを調べる。