Web予稿集

Sept. 12 2024
9月12日

口頭発表 09:30-10:10 コミュニケーション1

座長:三武 裕玄(明治大)

2A1-01
コミュニケーションの心理的ハードル低減を目的とした属性と移動を不透明化するメタバース空間の構築
〇大澤 想(三菱電機株式会社)、浅川 香(三菱電機株式会社)、西山 未央(三菱電機株式会社)
不特定多数のユーザとコミュニケーションが可能なメタバース空間において,コミュニケーションに伴う心理的なリスクの低減手法を提案した.提案手法ではユーザの属性を不透明化し,ユーザのログオフや移動のタイミングでAIが会話を引き継ぐことで,誰にもログオフや移動に気が付かせない仕組みである.これにより,ユーザはタイミング等を気にせず自由なログオフや移動が可能となる.初期検討として,人間に代われる程AIが人間らしいマルチチャットを可能か4名のユーザスタディを実施した結果,ある程度の人間らしい会話を実現できる可能性があることが分かった.
2A1-02
ソーシャルVRにおける交友関係が実空間の行動に与える影響の調査報告
〇和田 周(株式会社博報堂DYホールディングス)、平沼 英翔(株式会社博報堂DYホールディングス)、三浦 慎平(株式会社博報堂DYホールディングス)、目黒 慎吾(株式会社博報堂DYホールディングス)
本研究では,ソーシャルVRでの交友関係が,ユーザーの実空間における交友関係及びそこから派生する意思決定・行動にどのような影響を与えるかを明らかにすることを目的に,ソーシャルVR利用ユーザーを対象としたインタビュー調査および分析を行った.結果,ソーシャルVRでの活動が実空間での交友関係の拡張や深化を促進し,新たな行動挑戦のトリガーにもなること,ソーシャルVRと実空間とは相互補完関係にあることが示唆された.
2A1-03
視点取得可能な実写映像に基づく没入型テレコミュニケーション方式の検討
〇宍戸 海(筑波大学)、謝 淳(筑波大学)、井上 雅彦(鳥取大学)、北原 格(筑波大学)
一般的なビデオコミュニケーションではカメラの視野角が限定され、通信から得られる情報は限定的である。そのため、通信相手の状況や意図、関心を理解することが難しいことがある。そこで、複数のカメラとHMDを用いて視野角が限定されない映像、そして相手の視点映像を取得することが可能な没入型テレコミュニケーションシステムを構築した。このシステムは遠隔での共同作業や指導活動に応用することが可能であると考えられる。
2A1-04
非没入型のメタバースにおける実環境とバーチャル環境間のマルチタスキングに関する調査
〇畑田 裕二(東京大学)、早瀬 友裕(クラスター株式会社メタバース研究所)
本研究では、モバイル端末やPCを用いる非没入型のメタバースプレイが、身体性の伴う没入型のメタバースプレイとどのような質的違いを持つのかを調査した。VRChatやclusterのユーザーへのインタビューの結果、ユーザーは娯楽やソーシャルプレゼンスの体験を適度にカスタマイズするために、実環境とバーチャル環境間で注意を行き来させるマルチタスキングを実践していることが明らかになった。
2A1-05
バーチャルキャラクタによる身体憑依を活用した触覚インタラクション手法の提案
〇大城 和可菜(日本電信電話株式会社)、片岡 春乃(日本電信電話株式会社)、横山 正典(日本電信電話株式会社)、山本 隆二(日本電信電話株式会社)
バーチャルキャラクタとのふれあいを伴うコミュニケーションを実現するため,ユーザの身体の一部にバーチャルキャラクタが憑依したような感覚を提示することによって,ユーザの身体を用いて触覚を提示する手法を提案する.本稿では初期検討としてバーチャルキャラクタの手をユーザの手に視覚的に身体憑依させ,疑似ハイタッチができるシステムを作成した.ユーザ実験の結果から提案手法の適用可能性および改善点について検討する.
2A1-06
多重化されたVR空間におけるコプレゼンス向上手法の検討
〇上平 将裕(東京大学)、伴 祐樹(東京大学)、割澤 伸一(東京大学)
VR空間において,参加者が同じ空間を共有しているように見えながら,実際には各自が異なる空間を知覚する「VR空間多重化」技術は,ブレインストーミングでのアイデア生成を促進する可能性がある一方で,共存在感(コプレゼンス)を低下させる課題が指摘されている.本稿では,VR空間内に全参加者から常に共通して見えているオブジェクトを配置することにより,コプレゼンスの低下を抑制することを提案した.
2A1-07
仮想空間における集団との対話距離についての研究
〇大林 聖佳(東海大学)、永田 裕幸(東海大学)、田澤 賢太郎(東海大学)、餐場 凪沙(東海大学)、高橋 輝(東海大学)、水谷 賢史(東海大学)
VRはトレーニングや心的外傷の治療で利用されVR空間内でコミュニケーションが行われる。ユーザー同士の対話を行うにあたって相手は1人とは限らない。今回、アバターを増やすことで対話距離が伸びると仮説をたてた。そこで本研究ではVRにおける多人数に対する対話距離の調査を行い、対話人数を変化させそれぞれの場合について比較をすることで人数が距離に与える影響について検討する。
2A1-08
VR空間における会話相手との距離に声量が与える影響
〇永田 裕幸(東海大学)、大林 聖佳(東海大学)、田澤 賢太朗(東海大学)、杉本 亘(東海大学)、水谷 賢史(東海大学)
VR空間内では非言語コミュニケーションが現実と比べて制限を受けるため、そのような状況で言語コミュニケーションの果たす役割は重要なものである。声量は相手が受ける印象に影響を与えるとされており、VR空間内でのコミュニケーションに声量が与える影響を調べることで、VR環境の設計を手助けすることができる。本研究では、VR空間内の会話相手の声量が会話をするのに快適だと感じる距離へ及ぼす影響について調査した。
2A1-09
感情認識とヒト観察によるアバターの感情性の調査
〇淺井 魁将(埼玉大学)、プンポンサノン パリンヤ(埼玉大学)
アバターによる感情表現が、ヒトと感情認識アルゴリズムによってどのように決定されうるかを探求している。その結果、VR でコミュニケーションをとるためのアバターをデザインすることが可能になる。本研究では、ユーザの顔の特徴を追跡し、選択されたアバタ-に表示する。次に、感情認識を実行し、ユーザの感情を検出する。我々は、様々なアバターを用いて、感情認識で検出された感情結果を評価するための予備実験を行った。
2A1-10
スマートスピーカーに対する攻撃的な発話を抑制する動きに着目したインタラクションの提案
〇羽鳥 はる(法政大学 デザイン工学部)、田中 芹奈(法政大学 デザイン工学部)、王 煜堃(法政大学 デザイン工学部)、中條 麟太郎(東京大学 大学院学際情報学府)、矢作 優知(東京大学 大学院学際情報学府、日本学術振興会特別研究員DC)、松井 克文(東京大学 産学協創推進本部)、ソン ヨンア(法政大学 デザイン工学部)
会話エージェントを搭載したスマートスピーカーが普及しつつあるが,発話者が機械相手のため攻撃的な口調になることが懸念されている.会話エージェントに対する攻撃的な発話は,会話に参加していない周囲の人々にも悪影響を与える可能性があり,回避することが望まれる.本研究では,スマートスピーカーが物理的な振る舞いをすることにより,発話者の攻撃的な口調を抑制するインタラクションを提案する.既存製品と提案手法を比較し,人間の発話の変化を分析・考察する.
2A1-11
Researcher's Bar:メタバースを活用した実験プラットフォームと実装テンプレートの提案
〇Hu Yong Hao(東京大学、クラスター メタバース研究所)、畑田 裕二(東京大学)、鳴海 拓志(東京大学)、平木 剛史(クラスター メタバース研究所)
本研究では,HCI・VR研究向けの実験基盤として,メタバース上での実験プラットフォームとそこで行われる実験の実装テンプレートの構築を提案し,参加者募集・実験系作成・実験実施の加速や簡便化を目指す.また,研究者と参加者双方の交流を促す空間として機能させることや,実験報酬によるメタバース上の経済圏の活性化を通じ,研究とメタバースの相互発展を図る.プロトタイプはメタバースサービスであるclusterを用いて開発する.
2A1-12
NICU環境の新生児と親のつながりを支援する身体性オンライン面会システムの検討
〇村田 藍子(日本電信電話株式会社)、鳥谷 由貴子(岩手医科大学)、駒﨑 掲(日本電信電話株式会社)、松本 敦(岩手医科大学)、外舘 玄一朗(岩手医科大学)、渡邊 淳司(日本電信電話株式会社)、赤坂 真奈美(岩手医科大学)
子が長期的に新生児集中治療室(NICU)に入院すると,親子の身体的コミュニケーションが不足し,親の精神的健康や愛着,子の認知発達に問題が生じることが少なくない.親が子に触れることは,産後うつの減少や母乳栄養率の上昇に繋がり,親の声を聴くと,子の自律神経反応が安定すると報告されている.しかし,病原性が高く感染力が強いハイリスクな感染症への対策や,親の時間的制約のために面会機会が限られることがある.本発表では,面会機会に制限があっても,親子の身体的コミュニケーションを支援するために,親が子の映像を見ながら子の鼓動を触覚的に感じ,親の音声を保育器内の子に伝える,オンライン面会システムを提案する.