Sept. 12 2021
9月12日(日)
このプログラム速報版は7月30日更新版です。座長は掲載していません。
※「一般発表 13:00-14:20 教育」について、1C2-5を1C2-1の次に発表順を入れ替えました。
(演題番号はプログラム速報版公開時から変更しておりません)
プロコミOS 9:00-10:20 VRと倫理
一般発表 9:00-10:20 嗅覚・味覚
- 1B1-1
- ウェアラブル嗅覚ディスプレイにおける呼吸同期匂い提示の検討
〇羽生 雪子(東京工業大学)、中本 高道(東京工業大学) - 嗅覚ディスプレイはユーザーに匂いを提示する装置であるが、香料が香料の流路に吸着することにより、匂いを提示していない時間にもユーザーが匂いを感じる残臭が問題である。この問題を解決する一つの方法として、匂いの提示効率を高め、使用する香料の量を減らすことが挙げられる。本論文では、呼吸と同期した匂い提示を目指すべく、ウェアラブル嗅覚ディスプレイに呼吸センサを導入する試みについて報告する。
- 1B1-2
- インクジェット素子とSAW霧化器を用いた嗅覚ディスプレイ
〇八山 広野(東京工業大学)、中本 高道(東京工業大学) - 嗅覚情報の提示技術はVRコンテンツへの応用が期待できる。SAW霧化器を用いることで低揮発性の液体香料も瞬時に霧化できるため、様々な香料を調合する場合にSAW霧化器は有効であるが、一度に霧化可能な液量が少ないという問題もある。インクジェット素子を用いて微小な液滴を吐出することで多成分嗅覚ディスプレイにおいてSAW霧化器の適用が期待できるため、本研究ではこれらのデバイスを用いた嗅覚ディスプレイプロトタイプを開発した。
- 1B1-3
- 五感メディアに向けた嗅覚情報によるストーリーテリングに関する一検討
〇東 真希子(日本放送協会 放送技術研究所)、澤畠 康仁(日本放送協会 放送技術研究所)、小峯 一晃(日本放送協会 放送技術研究所)
- 1B1-4
- 電気味覚による炭酸水に含まれる炭酸の強さの変化に関する基礎検討
〇野村 伊吹(法政大学)、石岡 光(法政大学)、望月 典樹(法政大学)、中村 壮亮(法政大学)、小池 崇文(法政大学) - 溶解している炭酸ガス量を表す単位としてガスボリュームがあり,本稿では炭酸水のpHと温度を用いて算出した.また,舌の代わりに金属電極を用いた簡易実験装置を製作し,炭酸水に電気刺激を付加した際の,炭酸水のガスボリュームの値の変化を分析することで電気刺激による炭酸の強さの変化について検討する.これにより,炭酸水を飲む際に電気刺激を付加したとき,炭酸感が増強・抑制される機序について検討することができる.
- 1B1-5
- クラスタデジタル空気砲におけるノズル毎射出体積均一化による渦輪生成率の向上
〇待田 航太朗(立命館大学)、安藤 潤人(立命館大学)、柳田 康幸(名城大学)、野間 春生(立命館大学) - 本研究ではVR用の香り提示装置として多数の射出孔から圧縮空気を射出し渦輪を再現する独自の空気砲を提案している。従来の試作機では渦輪の生成に失敗することや、渦輪が意図せずに曲がってしまうことがあった。その原因として、個々の射出孔から射出される空気量に偏りがあることが実験的に示唆された。そこで射出される空気量が一定になるよう各射出孔に個別に空気弁を配し、空気量の偏りが射出に与える影響を評価した。
- 1B1-6
- 嗅覚反応時間を考慮した香料提示が可能な嗅覚ディスプレイの性能評価
〇佐藤 尚之(筑波大学)、橋本 悠希(筑波大学) - 本研究の目的は,人に対して嗅覚反応時間の限界値近傍における時間幅で香料を提示する際,心拍や発汗などの生理的指標の変化を測定し,香料の効果を検証することである.そのため,香料の提示時間幅を嗅覚反応時間の限界値近傍に設定可能な嗅覚ディスプレイを開発する.また,開発した嗅覚ディスプレイの単位時間あたりの香料出力量及び出力時間の分解能について評価を行う.
- 1B1-7
- 口腔内への電気刺激による辛味の増強効果
〇大野 雅貴(東京大学大学院学際情報学府)、青山 一真(東京大学先端科学技術研究センター)、雨宮 智浩(東京大学大学院情報理工学系研究科)、葛岡 英明(東京大学大学院情報理工学系研究科)、鳴海 拓志(東京大学大学院情報理工学系研究科) - バーチャルな辛味操作手法には,食事の満足感向上や塩味増強,辛味の過剰摂取による健康被害抑制が期待できる.辛味は受容体に応じて質の異なる3種類に分類可能だが,従来研究ではこれらが複合的に刺激されてきた.本研究では3種類の辛味の中で最も摂取量が多いカプサイシンが呈するHotな辛味に注目し,舌への電気刺激により神経を刺激してHotな辛味を独立提示する手法の提案とHotな辛味の増強効果を検証する.
- 1B1-8
- VR体験でのドラゴンの肉の食事が牛肉の味の認知に及ぼす影響
〇小柳 陽光(東京大学VR教育センター)、中野 萌士(奈良先端科学技術大学院大学情報科学領域) - 既存研究では、味の認知は環境などの文脈においても影響を受けることが報告されている。本研究ではドラゴンという空想上の生物を食事するという文脈を食体験に乗せることによる味覚の認知にどのような影響を及ぼすか調査する。これにより、空想でしか補完しえない文脈においても味の認知の変化が作用するのか、そして新しい味認知に繋がるのかが明らかになる。
一般発表 9:00-10:20 作業支援・評価・訓練
- 1C1-1
- 路線バスから得られるセンサーデータに基づく運転評価方法
〇山本 真平(大阪電気通信大学大学院)、白浜 勝太(株式会社ミライソフトウェア研究所)、亀谷 昌弘(みなと観光バス株式会社)、上善 恒雄(大阪電気通信大学大学院)
- 1C1-2
- 両手同士の接触判定と押しつけ圧計測を行う手洗い動作評価用センサグローブの設計
〇渡邊 達也(名城大学)、近藤 朋希(名城大学)、柳田 康幸(名城大学) - 手洗い動作での接触部位を判定することで,手洗いを評価するシステムである「手洗い評価システム」のためのセンサグローブを設計する.このセンサグローブは,感圧導電布で作られており,両手の接触および接触時の圧力変化を計測するためのものである.本研究では,このグローブの設計と推定精度の評価を行った.
- 1C1-3
- ステレオ遠隔作業支援システムによる遠隔押印の研究
〇淀渡 元貴(法政大学)、床井 浩平(和歌山大学)、大山 英明(産業技術総合研究所)、中村 壮亮(法政大学) - 新型コロナ対策として多企業がテレワークを推進している。しかし、機密書類に対する押印作業等は権限を持つ社員が出社せざるを得ないため完全なテレワーク化の障害となっている。そこで我々はAR/MR技術をベースとした遠隔作業支援システムに隠消(DR)技術の機能を付加した遠隔作業支援システムを開発している。ステレオカメラを利用したビデオシースルー型HMDを用いて試作システムを実装し、評価のための人間工学実験を行った。
- 1C1-4
- VirtualReality空間におけるHTMLに組み込み可能な新規属性を用いた360度サイト作成手法の提案
〇新井 響(北海道大学大学院 情報科学院)、坂本 雄児(北海道大学大学院 情報科学研究院) - 本手法では、HTMLの属性に着目し、新たにVirtualReality空間向けの属性を追加した360度サイト作成手法を提案する。<#%BR%#>提案手法は、既存の360度サイト作成手法よりも容易に、従来のHTMLでは対応できない3次元的表現を可能にする。<#%BR%#>また、本来のサイトの構成を崩さず二次元ディスプレイでの閲覧も可能である。<#%BR%#>本手法の有効性を確認するため、既存手法の一つであるA-Frameとの比較評価を行った。
- 1C1-5
- 発表辞退
- 1C1-6
- 小児の歯磨き指導効率向上を目的としたARばい菌表示システム
〇近藤 春希(名古屋工業大学)、舟橋 健司(名古屋工業大学) - 子供の虫歯問題を解消、低減することは今も昔も簡単なことではない。<#%BR%#>我々はこの原因を、子供たちが歯磨きを行う理由を実感できていないために歯磨きを正しく行わないからではないかと考えた。<#%BR%#>本研究ではPCのカメラを用いて取得した画像からリアルタイムに子供の歯の汚れやすい部分にばい菌が存在しているように重畳表示するシステムを提案する。<#%BR%#>本システムにより歯磨きの意義が実感できることが期待される。
- 1C1-7
- 熟練ドライバの運転追体験による運転技能向上手法の提案
〇加藤 颯(株式会社SUBARU)、佐藤 能英瑠(株式会社SUBARU)、鳥居 武史(株式会社SUBARU)
- 1C1-8
- 感覚間協応を利用した音色の可視化による演奏技術習得支援の研究
〇新井 康太(東京大学)、今野 萌音(東京大学)、平尾 悠太朗(東京大学)、吉田 成朗(東京大学)、鳴海 拓志(東京大学) - 楽器演奏で肝要な要素の1つである音色は,練習者自身での習得が難しく,外部からのフィードバック(以下FB)が不可欠である.しかし,既存のFB手法は可視化の直観性に欠ける.そこで本論文では,感覚間協応を利用し,音色を図形によってより直観的に可視化するFB手法を提案する.簡易的な演奏システムを用いた実験の結果,感覚間協応に即したFBには,FBへの依存を防ぎ習得を促進する効果があることが明らかになった.
研究委員会OS 9:00-10:20 歴史を振り返りつつ未来を語る~VRはわれわれを救えるのか~
- 1D1
- 歴史を振り返りつつ未来を語る~VRはわれわれを救えるのか~
〇大谷 智子(明治大学)、上岡 玲子(nudge LAB)、原島 博(東京大学名誉教授)、鈴木 陽一(東北文化学園大学,東北大学名誉教授)、廣瀬 通孝(東京大学名誉教授)、清川 清(奈良先端科学技術大学院大学)、安藤 英由樹(大阪芸術大学) - 昨年春から時代は大変なことになっています.これからどうなるのでしょうか.100年前にもスペイン風邪の流行がありました.思い起こせば1970年代におきたオイルショックのときも,店頭からトイレットペーパーがなくなりました.そして10年前の3.11…….
歴史は繰り返すと言います.技術はそれに対して何ができるのでしょうか.たとえばVRはこのような時代の救世主になれるのでしょうか.情報技術と文化の融合調査研究委員会の歴代委員長を中心に,この問題を考えます.
一般発表 9:00-10:20 触力覚(振動)
- 1E1-1
- 大腿部への微弱振動印加による膝関節位置覚への影響
〇大木 郁人(筑波大学)、橋本 悠希(筑波大学) - 関節の位置覚の低下は、高齢者の転倒の危険因子の一つである。体性感覚系では、機械受容器に閾値以下の振動を加えることで、触覚感度が向上することが知られている。本研究では、若年健常者20名を対象に、大腿部に加えた微弱な振動が膝の関節位置覚に及ぼす影響を検討した。膝の関節位置覚は、目標とする膝関節角度と実験参加者が再現した膝関節角度との絶対誤差によって評価した。
- 1E1-2
- 外界を表現する立体振動ディスプレイ 第2報:立体振動提示装置の設計
〇稲垣 匠馬(東北大学)、昆陽 雅司(東北大学)、田所 諭(東北大学) - 近年,振動刺激を用いた触覚技術が普及している.しかし,振動を任意の場所に,任意の波形を提示することは難しい.そこで我々は体外の振動を再現し,任意の触感で提示する手法の検討を行い,足の裏を対象としたデバイスを設計した.設計したデバイスを用いて方向定位に関して実験を行い,本手法,デバイスの有用性を確認する.
- 1E1-3
- 振動インテンシティを用いた任意波形のファントムセンセーションの生成 第2報: 位置制御性と触感維持性の評価
〇菊池 大輝(東北大学)、昆陽 雅司(東北大学)、田所 諭(東北大学) - 身体に設置した少ないアクチュエータで広範囲の位置に振動を体感させる方法として,ファントムセンセーション(PS)が知られている.従来のPSは単純な波形を仮定しているため,任意の波形に適用することができない.筆者らはヒトの高周波振動の知覚インテンシティを利用してPSを制御する方法を提案している.本稿では提案手法により刺激提示位置の制御およびPSでも任意振動の触感を維持できることを実験により実証する.
- 1E1-4
- Vibrotactile stimulation based on the vibration of a balloon with modulated ultrasound
〇ZHANG Yue(東京大学)、古本 拓朗(東京大学)、藤原 正浩(東京大学)、牧野 泰才(東京大学)、篠田 裕之(東京大学) - We propose a vibrotactile stimulation method based on the vibration of a balloon with modulated ultrasound, aiming to provide mid-air battery-less objects that can provide dynamic haptic feedback. We investigated the effective modulation frequency through the measurement of the vibration.
- 1E1-5
- 3次元硬軟構造の一体印刷を用いた振動伝播構造設計の基礎検討
〇佐久間 亮太(筑波大学)、平木 剛史(筑波大学) - 振動子を用いた触覚ディスプレイにおいて、振動子による振動は、振動子に接している構造全体に伝播してしまうため、構造の特定部位のみを振動させることは難しかった。<#%BR%#>そこで本論文では、硬い構造による振動伝播構造と柔軟な構造による振動減衰構造を、マルチマテリアル3Dプリンタを用いて一体的に造形することで、構造の特定部位にのみ触覚振動を伝播させる構造を提案し、振動伝播・減衰性能について確認した結果を報告する。
- 1E1-6
- 能動運動中の運動錯覚生起による把持物体の重さ感覚変調
〇牛山 奎悟(電気通信大学)、髙橋 哲史(電気通信大学)、梶本 裕之(電気通信大学) - 人は閉眼状態でも把持物体の重さや大きさを知覚することができる.この知覚には筋などの自己受容感覚が利用されていると知られている.そこで腱振動による運動錯覚によって自己受容感覚を変化させることで物体の知覚を変調できるのではないかと考えた.本研究では物体の重さ知覚に注目し,物体を把持し運動をしている際に運動錯覚を生起させることで,どの程度重さ感覚を変調させられるのか調査した.
研究委員会OS 13:00-14:20 AR/MR研究シーズ・ショーケース
- 1A2
- AR/MR研究シーズ・ショーケース
〇柴田 史久(立命館大学)、天野 敏之(和歌山大学)、池田 聖(大阪大学)、内山 英昭(奈良先端科学技術大学院大学)、藤本 雄一郎(奈良先端科学技術大学院大学) - 近年,AR/MR技術は様々な分野へと急速に広がりつつある.このような背景から複合現実感研究委員会では,産業界と学界の関わり方について改めて検討し,両者がより綿密に連携していく方策について模索している.その一環として,本学会の学会誌Vol. 26, No. 2では,「これからのAR/MR に期待すること ~産業界と学界の連携に向けて」という題目で産業界と学界とメンバによる座談会を企画した.その座談会の中で,学界が有する研究シーズを企業の方々に紹介するような機会があると,共同研究や新たな研究アイデアへと繋がるのではないかとの意見があった.そこで本OSでは,様々な大学が実施してきたAR/MRに関連する研究シーズを幅広く紹介し,情報交換を行うような場を提供する.
発表予定の研究シーズ:
タイトル:即興的な空間拡張現実感技術による演出および視覚補助
発表者: 天野 敏之(和歌山大学)
タイトル:粘性流体における気泡レンダリング技術
発表者: 池田 聖(大阪大学)
タイトル:環境に応じた自己位置推定の基盤構築
発表者: 内山 英昭(奈良先端科学技術大学院大学)
タイトル:イベントカメラを用いたプロジェクタカメラ
発表者: 藤本 雄一郎(奈良先端科学技術大学院大学)
一般発表 13:00-14:20 アート・エンタテインメント
- 1B2-1
- 360度パノラマ画像を用いたVR観光システムの研究開発
〇物部 寛太郎(東北学院大学)、鈴木 孝浩(東北インフォメーション・システムズ株式会社) - 近年,360 度カメラでパノラマ画像を気軽に撮影できる環境が整いつつあるが,撮影した画像を閲覧できるシステムは不足している.一方,現在,新型コロナウイルスによる影響で,観光に行くことが困難になっている.そのため,自宅に居ながら観光地を体験できるシステムの需要が高まっている.そこで,Google Streetview とパノラマ写真を組み合わせることで没入感のある仮想観光を可能とし,ユーザーの訪問意欲向上を促すシステムの研究開発を行う.
- 1B2-2
- 発表辞退
- 1B2-3
- VibeShare::Performer — Emoji・触覚・音効によるオンライン音楽ライブの双方向化
〇山崎 勇祐(REALITY株式会社、東京工業大学大学院) - コロナ禍で対面ライブの開催が制限される中、我々はオンラインで出演者と視聴者のインタラクションを実現する技術「VibeShare: Live」を開発した。有料の商業店舗におけるオンラインライブで試験実施し、視聴者から3日間で合計108,031回、Emojiが送られ、それらを会場内での拍手音やプロジェクション、出演者への触覚刺激に変換することで、視聴者の存在感を出演者に体感させることに成功した。
- 1B2-4
- プロジェクションマッピングシステムの統合制作環境の開発(第2報)
〇永野 佳孝(愛知工科大学)、杉森 順子(桜美林大学) - 我々はFPGAボードを使用して画素単位での映像の幾何補正を実現したプロジェクションマッピングシステムを開発している.本システムを簡単に操作できるように,このシステムにGUIを実装し,幾何補正の計測や映像表示位置の調整などの機能の持った総合制作環境を構築している.本報では,この統合制作環境の基本操作と機能性を高めた結果について報告する.
- 1B2-5
- 空気噴流による音楽の低周波振動再現性の検証
〇柴尾 亮成(熊本大学大学院)、嵯峨 智(熊本大学大学院) - 音楽体験には,ライブ会場に足を運ばないと体験できないものがある.<#%BR%#>楽器から直接伝達される非可聴振動を感じる体験である.我々はこれまで空気噴流による振動提示手法によりこの体験を検討してきた.リズム感提示や音楽体験の主観的音楽体験の面白さの評価を得ることができた.今回は,実際にライブ会場で感じているウーファーの振動と比較し,本提案手法の有用性を検証する.
- 1B2-6
- 日常空間を再現したVR映像の振動効果による音楽体験への影響
〇赤﨑 将人(熊本大学)
- 1B2-7
- VRを用いたクィディッチ環境の構築
〇田中 翔太郎(早稲田大学)、石部 開(早稲田大学)、佐武 陸史(早稲田大学)、相原 伸平(早稲田大学)、岩田 浩康(早稲田大学) - 本稿では、「ハリーポッター」内に登場する「クィディッチ」をもとにした、タイムアタック型のVRレースゲームを開発した。クィディッチの最大の特徴は空飛ぶ箒に乗っているという点である。これを再現するために、実際の箒を用いた操作インタフェースを作成し、箒につけたセンサと頭につけたヘッドマウントディスプレイの角度および座標をもとに移動方向と速度を算出し、VR内で箒が移動するプログラムを開発した。
一般発表 13:00-14:20 教育
- 1C2-1
- 日米学生によるバーチャルロボット設計・開発・感性評価PBLの設計と実施
〇大倉 典子(芝浦工業大学)、ラオハカンワンウィット ティポーン(芝浦工業大学)、スリーピァン ピーラヤー(芝浦工業大学)、菅谷 みどり(芝浦工業大学)、千葉 浩子(デポー大学)、バーク デイブ(デポー大学) - 芝浦工業大学とアメリカのDePauw大学は、"Involving Undergraduates in research on Design and Cross-Cultural Perceptions of Cuteness in Robotic Gadgets"と題する共同研究を行っており、その一環で、アメリカの学生が来日して芝浦工大の学生と7週間の共同作業を行うプログラムを実施している。昨年、今年と、バーチャルな来日となったが、そこでバーチャル空間で印象の異なるロボットを制作するプログラムを実施した。印象の違いは脳波と心拍で評価した。ここでは、そのプログラムの設計と実施について紹介する。
- 1C2-5
- 日米学生によるバーチャルロボットの感性評価PBLの経験
〇井村 舜(芝浦工業大学)、大倉 典子(芝浦工業大学)、ラオハカンワンウィット ティポーン(芝浦工業大学)、スリーピァン ピーラヤー(芝浦工業大学)、菅谷 みどり(芝浦工業大学)、千葉 浩子(デポー大学)、バーク デイブ(デポー大学) - 芝浦工業大学とアメリカのDePauw大学は、Unityを利用したバーチャルロボットの感性評価に関する共同研究を行っている。昨年はロボットの開発とSD法による主観評価を行ったが、今年はそれらに加え、生体情報を用いた客観評価も行った。<#%BR%#>ここでは、参加者とTA(Teaching Assistant)の両方の観点から、プロジェクトでの経験について紹介を行う。
- 1C2-2
- 屋外歴史遺産展示施設におけるXRを用いた教材コンテンツの開発
〇中村 隆敏(佐賀大学)、天賀 光広((株)とっぺん)
- 1C2-3
- 看護学部におけるARアプリ【HoloeyesEdu】を用いたオンライン解剖生理学演習
〇本間 典子(国立看護大学校) - コロナ禍において、解剖体見学等の実習や模型を用いた対面講義が中止となり、看護学部の解剖生理学教育では人体を立体的に学ぶ機会が失われた。そこで本学では、2021年12月にリリースされたARアプリ【HoloeyesEdu】を学生全員のスマートフォンにインストールし、人体を立体視するオンライン解剖生理学演習を行った。その結果、回を追うごとに学生のアプリの活用効率や対話頻度が高まり、オンライン演習の効果が高まったので紹介する。
- 1C2-4
- 裸眼立体視が可能な空間再現ディスプレイの解剖学教育における実用
〇板宮 朋基(神奈川歯科大学歯学部総合歯学教育学講座)、東 雅啓(神奈川歯科大学歯学部解剖学講座口腔解剖学分野)、小口 岳史(神奈川歯科大学歯学部解剖学講座解剖学分野)、松尾 雅斗(神奈川歯科大学歯学部解剖学講座口腔解剖学分野) - 空間再現ディスプレイ(SONY, ELF-SR1)は、内臓カメラを用いて体験者の顔の位置を高速度で認識し、裸眼立体視を可能にする。本研究では空間再現ディスプレイ用の解剖学教育アプリを開発した。頭頸部の骨格と血管の3D-CGモデルを立体表示でき、回転・拡大縮小や動脈のみの表示等の操作が容易にできる。本アプリを解剖実習中の歯学部2年生104名が体験し、アンケート調査の結果、本手法の有用性が示唆された。
- 1C2-6
- 深層学習による物体検出のパラメータから算出した類似度を用いた博物館における展示手法
〇小嶺 愛紀菜(琉球大学)、赤嶺 有平(琉球大学)、根路銘 もえ子(沖縄国際大学) - 筆者らは拡張現実技術や深層学習を用いた展示手法によって来館者の理解をより深めることや興味関心の向上を目的としたシステムを開発している.博物館には多数の展示物があり,来館者にとってそれら展示物同士の形状や模様等の細かな類似点,共通点を一度の見学で把握することは難しい.そこで深層学習モデルを活用し来館者が見ている展示物と類似した展示物を提示し展示物同士の関連性を見いだしやすい展示手法を提案する.
- 1C2-7
- MR技術を用いた採血訓練シミュレータ開発のための刺入角度のリアルタイムフィードバック機能の検討
〇伊藤 晶(秋田大学大学院理工学研究科)、齋藤 正親(秋田大学大学院理工学研究科)、菊地 由紀子(秋田大学大学院医学系研究科)、工藤 由紀子(秋田大学大学院医学系研究科)、佐々木 真紀子(秋田大学大学院医学系研究科)、藤原 克哉(秋田大学大学院理工学研究科)、水戸部 一孝(秋田大学大学院理工学研究科) - 本研究では,看護師養成課程の学生が十分な採血技術を修得でき,且つ効率よく訓練できるMR技術を用いた採血シミュレータの実現を目的としている.本報告では,手本として看護師養成課程の教員の採血時のシリンジの動きを立体映像としてHMDで観察するシステムを構築すると共に,手本に対する学習者の注射器の角度差をリアルタイムで表示する機能を実装し,その機能が学習者の手技に及ぼす影響を検討した.
- 1C2-8
- 認知リハビリテーション領域に適用できるVRを用いた主体感を付与した視行動誘導手法の提案
〇金子 宗平(東京大学)、衛 然(東京大学)、中村 美緒(東京大学)、檜山 敦(東京大学)、二瓶 美里(東京大学)、水野 純平(京都大学) - 動機付けはリハビリテーションの長期的な効果を決定する重要な要因である.運動領域のリハビリではVRを用いて主体感を持たせることで動機づけを行う方法が提案されているが,認知領域でのリハビリでは同様の手法は提案されていない.本研究では,認知領域のリハビリに対して,非明示的な視線行動手法であるリダイレクションとSDoFを実装した無誤学習VRシステムを提案した.その結果,SDoFはタスクの成績と動機付けを向上させた.
プロコミOS 13:00-14:20 自在化身体プロジェクト
- 1D2-1
- 他者の視線に応じた温度提示による遠隔コミュニケーションへの影響
〇市橋 爽介(東京大学大学院 学際情報学府)、堀江 新(東京大学大学院 工学系研究科)、柏野 善大(東京大学 先端科学技術研究センター)、吉田 成朗(東京大学 先端科学技術研究センター、国立研究開発法人科学技術振興機構 さきがけ)、稲見 昌彦 (東京大学 先端科学技術研究センター) - 温度提示は環境・触感再現だけでなく,コミュニケーションでの行動・情動喚起への応用が期待される.本稿では,遠隔コミュニケーションで他者の視線に応じた温度提示をユーザに行うシステムを提案する.赤外線による温度提示により,他者の視線がユーザに向いている,つまり他者の注視点が他者のモニタ中心に近いほど強い温度提示をユーザは受ける.本システムによる他者存在感の増大や印象の変調などについて考察する.
- 1D2-2
- 視覚効果を含む触覚ディスプレイの提案及び基礎的評価
〇村田 凌 (東京大学 情報理工学系研究科)、堀江 新(東京大学 工学系研究科)、柏野 善大(東京大学 先端科学技術研究センター)、稲見昌彦(東京大学 先端科学技術研究センター) - 本稿では視覚効果を含む触覚ディスプレイを提案する。従来は目に見える形で刺激提示を行う簡易的な触覚ディスプレイが無く、触覚体験が提示を受ける本人のみに限られていた。第三者から提示が視認できるディスプレイを提案することで触覚体験を共有し、ディスプレイを介した相互インタラクションが可能になる。そこで今回は視覚効果を含む触覚ディスプレイを作成し、刺激の空間的な流れの提示に関して基礎的評価を行った。
- 1D2-3
- マスクには仮面を:AR技術を用いた対人距離の変容
〇柏野 善大(東京大学 先端科学技術研究センター)、瓜生 大輔(東京大学 先端科学技術研究センター)、稲見 昌彦(東京大学 先端科学技術研究センター) - コロナ禍において自宅外でのマスク着用は常識となっているが、その一方で顔や表情が見えないことはコミュニケーションを阻害する要因になっている。顔本来の表現力を取り戻すためにVR技術を駆使したマスクの「改造」を通じマスクの「透明化」や表情の「代行」などを実現する技術を組み込む試みなどがなされているが、その表現力は本物には及ばない。本研究ではマスクの着用とソーシャルディスタンスの確保が求められるウィズコロナの時代において新たな方向性で視覚的な表現を試みた。具体的にはAR技術を用いてバーチャルならではの動的な表現力を持つ仮面を開発・試用し、本システムがもたらす経験を考察する。
- 1D2-4
- 対面 - 遠隔ハイブリッド型会議においてCOVID-19感染対策と円滑な音声対話を両立させる試行実験
〇瓜生 大輔(東京大学 先端科学技術研究センター)、澤田 怜旺(早稲田大学 先進理工学部応用物理学科)、柏野善大(東京大学 先端科学技術研究センター)、稲見昌彦(東京大学 先端科学技術研究センター) - 同室内に複数人が集う場とその他の遠隔参加者を交えたいわゆる「対面 - 遠隔ハイブリッド型会議」では、物理的距離の確保や飛沫拡散防止対策を行いながら全参加者の発話を鮮明に集音・配信するための工夫が求められる。本研究では、このような環境下における円滑な音声対話を実現するための音響システムを東京大学内の研究室に設置し、連続的な試用と改善を行ったプロセスを報告する。
- 1D2-5
- ウェアラブル・テレプレゼンスシステム“T-Leap”を用いた東京・渋谷での検証結果と今後の課題
〇平田 智也(東京大学 先端科学技術研究センター)、瓜生 大輔(東京大学 先端科学技術研究センター)、矢崎 武瑠(東京大学 先端科学技術研究センター)、陳意昕(国立成功大学)、郭聖文(国立台北科技大学)、劉康宜(国立台北科技大学)、廖奕雅(国立台北科技大学)、葛如鈞(国立台北科技大学) 、陳建旭 (国立成功大学)、稲見昌彦(東京大学 先端科学技術研究センター) - 本稿では、装着型の360 度カメラとマイク・スピーカーモジュールを用いたテレプレゼンスシステム“T-Leap” の改良版について報告する。小型・軽量化によるユーザビリティの向上と、通信・画像処理能力の強化を図ったT-Leapを、5G通信エリアが広がる東京・渋谷を舞台に試用した。検証結果の報告と分析を通し、市街地でT-Leap が提供できる体験やサービス、実用に向けた課題や改善点を議論する。
- 1D2-6
- 被験者実験の遠隔実施を目的とした非対面型指導システムの提案
〇岩崎 悠希子(早稲田大学)、王 卓毅(早稲田大学)、半田 匠(早稲田大学)、AlSereidi Ahmed(早稲田大学)、Vimolmongkolporn Vitvasin(早稲田大学)、加藤 史洋(早稲田大学)、岩田 浩康(早稲田大学) - COVID-19感染対策として他者との対面が制限された影響で、被験者を必要とする実験の実施が困難になっている。迅速な実験再開のため、本研究では実験者が遠隔の被験者に指示・観察を行える遠隔被験者実験支援システムの開発を目指している。本論では、指差し指示・覗き込み観察が可能なシステムプロトタイプの開発と、それを用いたユーザスタディについて報告を行う。
一般発表 13:00-14:20 触力覚(電気・疑似力覚)
- 1E2-1
- 足首の腱電気刺激による多方向への身体傾斜感覚提示
〇高橋 希実(東京大学大学院 情報理工学系研究科)、雨宮 智浩(東京大学大学院 情報理工学系研究科、東京大学バーチャルリアリティ教育研究センター)、鳴海 拓志(東京大学大学院 情報理工学系研究科)、葛岡 英明(東京大学大学院 情報理工学系研究科、東京大学バーチャルリアリティ教育研究センター)、廣瀬 通孝(東京大学先端科学技術研究センター)、青山 一真(東京大学先端科学技術研究センター) - 脚部の体性感覚は立位時や歩行時のVR体験において地形形状や身体傾斜などVR空間内の状況を把握する上で非常に重要な感覚である.しかしながら,既存の脚部への体性感覚提示手法の多くは足下の形状を機械的に変化させる大掛かりな仕組みが必要であった.本研究では特に足首の体性感覚に注目し,足首の腱への経皮電気刺激によって軽量・安価・小型な装置のみで足首の関節角の感覚を操作する手法の提案と有効性の検証を行う.
- 1E2-2
- 電気刺激を用いた牽引感提示の検討
〇中山 翔太(電気通信大学)、真鍋 光希(電気通信大学)、牛山 奎悟(電気通信大学)、宮上 昌大(電気通信大学)、髙橋 哲史(電気通信大学)、梶本 裕之(電気通信大学) - 指で把持している物体が牽引された時,皮膚受容器及び深部受容器により牽引力が知覚される.一方,電気刺激によって皮膚受容器をある程度選択的に刺激することが可能であることが知られている.本稿では電気刺激を用いて受容器の活動パターンを模擬することで,あたかも牽引されているような疑似力覚を生み出す手法を提案し,検証結果を報告する.
- 1E2-3
- 電気刺激を用いたハンガー反射現象再現の検討
〇齋藤 大雅(電気通信大学)、宮上 昌大(電気通信大学)、梶本 裕之(電気通信大学) - 頭に針金ハンガーを装着し,頭部の2点を圧迫することで不随意に頭が回旋するハンガー反射現象が知られている.我々は頭部への物理的な圧迫の代わりに電気刺激を用いて圧迫感を提示することでもハンガー反射現象が生起することを発見した.本稿では電気刺激におけるハンガー反射の生起頻度,回旋角度等を評価することでハンガー反射デバイスの小型化,軽量化を検討する.
- 1E2-4
- 皮膚電気刺激と力覚の融合による硬軟感の高品位化の検討
〇須賀 悠偉(電気通信大学)、竹内 将大(電気通信大学)、田中 叡(電気通信大学)、梶本 裕之(電気通信大学) - バーチャル空間でリアルな触覚提示を行うには皮膚感覚と固有感覚両方を喚起する必要がある。力覚または皮膚感覚で硬軟感を提示できることが知られている。本研究では、力覚提示でめり込み量に応じた反発力、皮膚感覚提示で刺激分布の広がりを提示し、それぞれで柔らかさ感覚を提示させ、それらを組み合わせ高品位な硬軟感提示を目指す。力覚の提示手段として1自由度アクチュエータを、皮膚感覚の提示手段として電気刺激を用いる。
- 1E2-5
- 入力波形による筋電気刺激の感覚の違い
〇石丸 嵩也(熊本大学大学院)、嵯峨 智(熊本大学大学院) - これまで主にリハビリテーション等の医療の分野で用いられることが多かった筋電気刺激は,触覚フィードバック技術として用いられるようにもなってきた.しかし,筋電気刺激には特有の電気感や痛みなどの感覚が伴うという特徴がある.我々は筋電気刺激波形を変化させることで,この望ましくない感覚の抑制を狙う.今回はこの筋電気刺激波形の変化による感覚の変化について実験を行い,その結果について詳述する.
- 1E2-6
- 偏加速度振動による力覚生起時の皮膚計測
金子 征太郎(電気通信大学、日本学術振興会)、〇中村 拓人(東京工業大学、日本学術振興会)、梶本 裕之(電気通信大学) - 偏加速度振動している振動子を把持することで牽引力を知覚する錯覚が知られている.これまで振動子に入力する波形の最適化や皮膚変形のモデル化などにより,現象について調査が進められてきた.しかし,本研究の発生原因は未だに解明されていない.本研究では,力覚知覚時の皮膚変形を分布的にカメラ計測することで,現象生起に必要な皮膚変形特徴を調査する.発見した特徴量をもとに,現象の発生原因を考察する.
- 1E2-7
- 皮膚せん断刺激の多点化が頭部回旋現象に及ぼす影響の調査
〇宮上 昌大(電気通信大学)、梶本 裕之(電気通信大学) - 側頭部前方に皮膚せん断刺激を提示することにより、頭部が回旋する現象はハンガー反射として知られている。本現象はこれまで眉やこめかみの高さで確認されているが、今回頬骨部分においても同様の回旋現象の生起を確認した。本稿では、頬骨部分に皮膚せん断刺激を提示した際の頭部回旋現象の生起頻度等を確認するとともに、側頭部前方と頬骨部分を同時に皮膚せん断刺激することによる頭部回旋現象への影響について調査する。
研究委員会OS 16:00-17:20 身体運動×VR×知覚認知科学
- 1A3
- 身体運動×VR×知覚認知科学
〇中村 信次(日本福祉大学)、寺本 渉(熊本大学)、瀬谷 安弘(愛知淑徳大学)、七五三木 聡(大阪大学)、樋口 貴広(東京都立大学) - 運動,健康・スポーツ,リハビリテーションに対する認知科学の貢献とVRとの接点について,基礎研究に軸足をおきながら幅広く研究を行っている研究者の方々にご講演をいただく。VRは身体の動作に対して自然で効果的な感覚フィードバックを呈示できるため,身体運動と知覚とのダイナミックな相互作用を明らかにする研究ツールとして活用されている。また現在では,スポーツやリハビリテーションにおける訓練ツールとしての利用も進んでいる。招待講演者による最先端の研究成果の紹介を通じて,認知科学研究におけるVRの可能性について改めて考え,議論することを目的とする。
一般発表 16:00-17:20 クロス・マルチモーダル1
- 1B3-1
- Pseudo-haptics効果の個人差要因解明の基礎検討
〇伴 祐樹(東京大学)、宇治土公 雄介(日本電信電話株式会社) - Pseudo-hapticsは物理的触覚提示デバイスを用いなくとも擬似的な触力覚を提示可能な現象として着目されている一方で,その効果が提示対象者に依存し,安定しないという問題を抱えている.そこで本研究ではPseudo-hapticsを安定した触覚提示技術として確立するため,多様な特性の体験者に対するPseudo-haptics効果を大規模に収集し,収集データを用いて個々人の特性が錯覚効果に与える影響を明らかにする.<#%BR%#>本稿ではその最初の検討として,デスクトップ環境でのマウスによるカーソル操作におけるPseudo-hapticsについて,体験者の年齢,性別により錯覚効果にどのような違いが現れるかを調査する.
- 1B3-2
- 多指のPseudo-Haptics表現における押下・つまみ動作に与える影響
〇松島 周平(熊本大学大学院)、嵯峨 智(熊本大学大学院) - 我々は指の見え方を変えたPseudo-haptics表現が硬軟感覚に与える影響を調査している.これまでの研究で,物体を五指で保持する動作において硬軟感の知覚量にわずかながら影響を与えていることがわかった.そこで今回は単指で物体を押す,二指で物体をつまむという動作に対しても,五指での動作と同様に硬軟感覚に対して影響を与えるかどうかを評価し,多指による効果の検証を行う.
- 1B3-3
- 強化学習を用いたリダイレクテッドハンドの予備的検討
加藤 諒(東京大学大学院情報理工学系研究科)、〇松本 啓吾(東京大学大学院情報理工学系研究科)、鳴海 拓志(東京大学大学院情報理工学系研究科)、葛岡 英明(東京大学大学院情報理工学系研究科) - 実空間でのユーザの手の動きとバーチャル空間でのバーチャルハンドの動きの対応関係を操作することで,実物体とは異なる位置や形状のバーチャルオブジェクトに触れる体験を可能にするリダイレクテッドハンドと呼ばれる手法が提案されている.本研究では,ユーザの実際の手の動きとバーチャルハンドの動きの対応関係を視触覚的破綻を負の報酬とした強化学習によって学習する手法を提案し予備的な検証を行った.
- 1B3-4
- 運動主体感による運動能力の向上
〇松宮 一道(東北大学) - 身体感覚には、身体部位が自分の身体の一部に属していると感じる経験(身体所有感)と自分が身体を制御していると感じる経験(運動主体感)の二種類がある。現在、身体所有感と運動主体感の両方が運動能力の向上に関わると考えられているが、両方の身体感覚が運動能力に影響を与えることを実証した研究はない。本研究では、二つの身体感覚を独立して制御し、運動主体感だけが運動能力の向上に関わることを示す。
- 1B3-5
- 発表辞退
- 1B3-6
- 身体部位の提示有無が身体所有感の開始時間と持続時間に及ぼす効果
〇近藤 亮太(慶応義塾大学)、杉本 麻樹(慶応義塾大学) - 身体所有感の開始時間や持続時間が報告されているものの,身体部位の提示有無によってそれらがどのように変化するかは明らかとなっていない。本研究では,バーチャルな身体を全身,手足なし,手足のみの3つの条件で提示し,身体部位の提示有無が身体所有感の開始時間と持続時間に及ぼす効果を調べた。その結果,身体の提示面積が広いほど身体所有感が強くなり,持続時間が長くなった。
- 1B3-7
- 身体所有感が注意・眼球運動に及ぼす効果
〇小森 匠(豊橋技術科学大学)、石本 浩気(豊橋技術科学大学)、Gowrishankar Ganesh(フランス国立科学研究センター)、杉本 麻樹(慶應義塾大学)、稲見 昌彦(東京大学)、北崎 充晃(豊橋技術科学大学) - 視覚と触覚を備えたVR空間内では、アバタに対して所有感が生起する。本研究では、身体所有感の新たな指標の開発のために、注意と眼球運動に対する所有感の有無の影響を調査することを目的とした。同期または非同期の触覚で、VRハンドまたは机の上のライトの位置をペダルとサッカード眼球運動で回答し、反応時間を調べた。ペダルの反応時間は、所有感の影響を受けなかったが、眼球運動は所有感がないVRハンド側の反応が速かった。
一般発表 16:00-17:20 行動・認知
- 1C3-1
- The Proteus Effect in Augmented Reality: Impact of Avatar Age and User Perspective on Walking Behaviors
〇音納 陸(奈良先端科学技術大学院大学情報科学領域)、鹿内 裕介(株式会社ディー・エヌ・エー)、中野 萌士(奈良先端科学技術大学院大学情報科学領域)、磯山 直也(奈良先端科学技術大学院大学情報科学領域)、内山 英昭(奈良先端科学技術大学院大学情報科学領域)、清川 清(奈良先端科学技術大学院大学情報科学領域) - 本研究では,3人称視点を用いたARデバイスによる拡張現実空間におけるプロテウス効果の再現と検証を行う.プロテウス効果は,アバターの見た目によってユーザの態度や行動が変容する心理効果として知られ,心的障害や社会問題の解決に寄与する可能性が考えられる.本研究で用いる3人称視点は,アバターの見た目を常時俯瞰することを可能とするため,1人称視点と比較し持続性の高いプロテウス効果の起因が期待される.
- 1C3-2
- 360度動画VRを用いた環境的文脈操作が対連合学習に与える影響
〇瑞穂 嵩人(東京大学大学院 情報理工学系研究科)、鳴海 拓志(東京大学大学院 情報理工学系研究科)、葛岡 英明(東京大学大学院 情報理工学系研究科) - 学校で習った内容を自宅や図書館で復習するといったように、環境を様々に変えながら学習を行うと記憶の定着が促進される。本研究では、360度動画で構成した7つの相異なる実写VR環境を用いて、多様なバーチャル環境下での学習体験を与えることでも、同様の記憶定着効果が生起するか検証する。同時に、現実での体験と同様に、学習時と同一の環境下では想起成績が向上するという記憶の環境的文脈依存性が見られるか検証する。
- 1C3-3
- 時計の運針速度が摂食速度に与える影響の検証
〇櫻井 翔(電気通信大学)、華 青(電気通信大学)、伴 祐樹(東京大学大学院)、野嶋 琢也(電気通信大学)、広田 光一(電気通信大学) - 早食いは世界的な健康問題である肥満や糖尿病の要因の1つである.早食いはゆっくり食べるという簡潔な方法で改善できるが,毎食時に摂食速度を意識することは容易ではない.一方,早食いの根本的な原因は未解明であり,工学的な改善手法はほとんどない.本稿では,視覚提示した時計の運針速度が無意識的な行動速度の変化をもたらす効果に着目し,早食いを防止する上で時計の運針速度制御による摂食速度の低減が可能かを検証した.
- 1C3-4
- 身体融合時の動的な寄与率制御による行為主体感向上
〇児玉 大樹(東京大学)、瑞穂 嵩人(東京大学)、畑田 裕二(東京大学)、鳴海 拓志(東京大学)、廣瀬 通孝(東京大学) - 身体スキルの定着には強い行為主体感を伴う練習が必要とされる.二者の動作の加重平均をアバタに反映させる融合身体は、教師の視点から動作を理解しつつ行為主体感を得られる学習方法として注目されている。本研究では、融合時の寄与率が低いユーザでも強い行為主体感を得ることを目指し、寄与率の動的制御を提案する.実験の結果,寄与率の高い状態から徐々に下げた場合、最初から寄与率が低い場合より高い行為主体感が得られた.
- 1C3-5
- MR環境におけるわかりやすいインタラクションの検討
〇表 柚希(成蹊大学大学院)、梶田 悠(成蹊大学)、杉山 賢二(成蹊大学)、山添 崇(成蹊大学) - 複合現実(Mix Reality, MR)では、人間の様々な動きを映像に反映し、映像からもリアクションを返すことでインタラクションが成り立つ。しかし、MR空間と現実の相互作用については未解明の部分が多く、直感的でわかりやすいインタラクションもいまだに解明されていない。本研究では、直感的にわかりやすいインタラクションの特徴と条件を明確化することを目的として、MR空間の人型オブジェクトの動作とアノテーションの関係を主観評価を用いて評価した。
- 1C3-6
- VRによる視点変換と言語教示がユーザの動作に及ぼす影響
〇笹木 海志(京都工芸繊維大学)、西崎 友規子(京都工芸繊維大学)、深田 智(京都工芸繊維大学)、来田 宣幸(京都工芸繊維大学) - 本研究では,仮想現実における「視点の変換」によって人間の思考や行動が変化する可能性があることに着目した.実験参加者には,「仮想現実内で視点が高くなる」体験をさせ,動作への影響を確認した.また映像の捉え方を統制するために言語教示として「巨大化」と「浮遊」の二通りの捉え方を与えた検討も行った.その結果,この2つの言語教示によって行動が異なる可能性があることが示唆された.
- 1C3-7
- 拡張身体の身体化に関する研究 -第一報:装着型ロボットアームの能動制御と手先方向提示による身体幅感覚への影響-
〇西田 野々香(早稲田大学)、岩崎 悠希子(早稲田大学)、加藤 史洋(早稲田大学)、Ganesh Gowrishankar(UM-CNRS Laboratoire d'Informatique, de Robotique et de Microelectronique de Montpellier (LIRMM))、岩田 浩康(早稲田大学) - 装着型の拡張身体ロボットアームの開発において,身体の幅・形が装着前と変わった状態であっても周囲と衝突しないように動き回れることが望ましい.ロボットを自分の身体として認識すれば身体幅感覚に介入できると考え,装着型ロボットへの身体性誘発の手法としてAgencyとOwnershipの誘発を目指した制御・フィードバックシステムを開発した.提案手法により身体幅の認識がロボットアーム側へ広がる可能性が示唆された.
- 1C3-8
- 急な動作変更に頑健な予測器作成に向けた予測挙動評価と動作予測アルゴリズムの基礎的検討
〇板井 俊樹(東京大学大学院)、牧野 泰才(東京大学大学院) - VR空間内でアバタを表示する際に生じる描画遅れを解消するために, 動作を予測し表示する手法が提案されている. 既存の手法では急な動作変更を行った場合,予測軌道が不連続に変化し, 違和感が生じる.この問題解消のため,予測誤差の小さいアルゴリズムの確立が必要と考えた.本稿では現在の予測方法における急な動作変更時の挙動を詳細に確認し,また既存の動作予測モデルを改良することで,予測精度を向上できるかを検証した.
一般発表 16:00-17:20 立体・空中像ディスプレイ
- 1D3-1
- 分散配置の動的パララックスバリアによる遠方空中像ディスプレイの基礎検討
〇三河 祐梨(東京大学)、鈴木 大河(東京大学)、藤原 正浩(東京大学)、牧野 泰才(東京大学)、篠田 裕之(東京大学) - 近年,裸眼空中像ディスプレイにおける,遠方ユーザに対する提示の研究が活発である.しかし,従来それらは単一のディスプレイで実現されるため,遠方になるほど巨大化し,設置の困難さ等により実用性に欠く問題があった.そこで本研究は,動的パララックスバリアの複数台の分散配置による,遠方の動的ユーザへの空中像提示システムを提案する.シミュレーションにより,本提案に必要なディスプレイの性能の検討結果が示された.
- 1D3-2
- 再帰性反射型コーナーリフレクタアレイと凹凸形状スクリーンを用いた胸像立体空中像の幾何学的キャリブレーション手法
〇矢田 捷真(法政大学)、小池 崇文(法政大学)、大西 康司(有限会社オプトセラミックス) - 飛び出し距離が長い,人物胸像立体空中像の表示システムを開発した.再帰性反射を用いた空中像の表示では,飛び出し距離が長くなるほど像がぼやけてしまう.本システムでは,短冊状のコーナーリフレクタを複数アレイ状に並べた光学系を使用し,飛び出し距離の長い空中像をぼやけさせず表示する.また,表示対象として,人物胸像の凹凸形状をもったスクリーンを使用することで,上記の光学系がもつ,逆視になる課題を解決した.
- 1D3-3
- AIR-range: 輝度連続性を考慮した空中像のテーブル面から中空までの配置手法
〇菊池 知世(東京大学)、矢作 優知(東京大学)、福嶋 政期(東京大学)、阪口 紗季(東京都立大学)、苗村 健(東京大学) - テーブル上での裸眼複合現実感システムを実現する上で、空間に実像を結ぶ再帰透過光学系は効果的である。なかでも対称ミラー構造を用いた手法は、テーブル上から宙に浮く領域の広範囲で空中像を表示することが可能である。しかしこの手法は、テーブル面を見込む領域の一部で観察される空中像が暗くぼやけた映像になり、輝度や鮮明度が不連続になるという問題を含んでいた。これはミラー反射を介して空中像生成に使われる光学素子を見込む角が、推奨値から外れる範囲で発生する。そこで本研究ではシステム内のミラー配置を変えることで、光学素子を見込む角を推奨値に近づける手法を検討する。
- 1D3-4
- 1000volumes/s高速体積型ディスプレイによる提示奥行位置と提示像のミリ秒同時制御
〇深野 悠吾(群馬大学大学院理工学府)、鳥羽 翔(群馬大学大学院理工学府)、奥 寛雅(群馬大学大学院理工学府) - ヘッドマウントディスプレイには,輻輳と焦点調節の矛盾やディスプレイの遅延といった問題がある.この二つの問題点を解決するため,我々のグループでは1000volumes/s高速体積型ディスプレイを開発している.本発表では,物体の位置に応じて提示像と提示奥行位置とを共にミリ秒の低遅延で制御する手法を開発,評価した結果を報告する.
- 1D3-5
- レイトレーシング法を用いた再帰反射による空中像のCG再現のための基礎検討
〇齋藤 旭(電気通信大学)、木内 舜司(電気通信大学)、小泉 直也(電気通信大学) - 本研究では、再帰性反射材とハーフミラーにより結像される空中像をレイトレーシング法によりシミュレーションし、その評価を行った。AIRRは空中に実像を結像できるが、再帰性反射材は高価かつ汚れやすい為、その挙動を確認することが容易でない。そこで再帰性反射材を用いた空中像表示環境の実現を目的として、レイトレーシング法を用いたシミュレーション手法を提案する。本稿では、再帰性反射材による再帰反射の様子を、Mitsubaを用いてレンダリングし実物と比較して評価した。
一般発表 16:00-17:20 触力覚(温度)
- 1E3-1
- 化学物質を用いたサーマルグリル錯覚
〇浜崎 拓海(電気通信大学)、金田 実久(電気通信大学)、張 建堯(電気通信大学)、金子 征太郎(電気通信大学)、梶本 裕之(電気通信大学) - サーマルグリル錯覚は皮膚上に温刺激と冷刺激を近距離で同時に提示すると痛覚や灼熱感が知覚されるという現象である.本研究ではカプサイシンやメントールといった化学物質によって皮膚温度を変化させない温度提示を行った際にサーマルグリル錯覚が生じるのか調査した.実験は被験者の各化学物質に対する反応を調べ,その後肌の同一箇所または隣合わせに2つの化学物質を塗布し,サーマルグリル錯覚が生じるか検証した.
- 1E3-2
- 集束超音波を用いた機械刺激と冷覚刺激の同時提示による低温物体の触感再現
〇本山 花帆(東京大学)、森崎 汰雄(東京大学)、藤原 正浩(東京大学)、牧野 泰才(東京大学)、篠田 裕之(東京大学) - 集束超音波で空中像にリアルな触感を付与すれば,デバイス装着無しにMR空間への没入感を向上できる.従来の超音波触覚では機械的触覚の再現が主であり,特定物体の温度感再現は試みられていない.本研究では,超音波を用いて氷や水など低温物体の空中像に冷覚と機械的触覚を同時提示し,対象物体の触感再現を試みる.冷覚は集束超音波の焦点にミストを噴射することで提示し,機械的触覚はその焦点音圧を変調することで提示する.
- 1E3-3
- Noncontact Heat Presentation for Whole Body Using High-intensity Airborne Ultrasound
〇朱 麒融(東京大学)、神垣 貴晶(東京大学)、増田 祐一(東京大学)、藤原 正浩(東京大学)、牧野 泰才(東京大学)、篠田 裕之(東京大学) - The research aims to provide heat sensations for the whole body by irradiating high-intensity airborne ultrasound to clothes. In this paper, we investigate the thermal effect of cloth on heat sensation by changing cloth materials.
- 1E3-4
- 接触刺激がHot-Cold Confusionに与える影響の分析
〇辻 勇太(立命館大学)、藤光 翼(立命館大学)、松室 美紀(立命館大学)、柴田 史久(立命館大学)、木村 朝子(立命館大学) - 我々は,前腕の複数箇所に温かい刺激と冷たい刺激を交互に提示することで,温かい刺激を冷たい,冷たい刺激を温かいと知覚する現象,hot-cold confusionを発見した.これまでの実験では,いくつかの条件で本現象が発生することを確認した.しかし,いずれの実験でも温度提示を行う際,参加者に装置に触れさせる必要があったため,温度以外に触感も知覚している.そこで本稿では触覚に着目し,触感の有無が本現象に与える影響を分析する.
- 1E3-5
- 額電気刺激による温度感覚提示における複数点刺激の効果の検討
〇齋藤 大雅(電気通信大学)、張 建堯(電気通信大学)、亀岡 嵩幸(電気通信大学)、梶本 裕之(電気通信大学) - VR空間における臨場感を向上する目的で,温度感覚提示装置をHMDに組み込み,ペルチェ素子やヒータ,化学物質を用いて額へ温度感覚を簡便に提示する研究が多数行われている.我々は額電気刺激を行ったところいくつかの刺激点で安定的に冷覚が生起することを確認した.本稿では,額の冷覚が生起した箇所を含む複数点を刺激した時の温度感覚強度,範囲等を評価することで,電気刺激によって広い範囲に温度感覚を提示可能か検討する.
- 1E3-6
- 不連続的な温度変化による非接触冷覚の連続性に関する評価
〇許 佳禕(筑波大学)、長谷川 晶一(東京工業大学)、黒田 嘉宏(筑波大学) - 本研究では、温度変化を時間的にゼロに保ちつつ温度感覚を変容させる非接触冷覚提示を目指し、不連続的な温度変化による冷覚を連続的に提示する方法を提案する。具体的には、冷却用の冷気源と加熱用の光源を組み合わせ、皮膚温度の上昇と下降を非接触で交互に変化する。温度が急速に低下し、ゆっくりと上昇する場合、冷覚のみが知覚される。本稿では、提案手法による非接触冷覚の連続性について評価した結果について報告する。
技術・芸術展示 14:30-15:50 技術・芸術展示
- 1G-1
- 足首の腱電気刺激による多方向への身体傾斜感覚提示
〇高橋 希実(東京大学大学院 情報理工学系研究科)、雨宮 智浩(東京大学大学院 情報理工学系研究科、東京大学バーチャルリアリティ教育研究センター)、鳴海 拓志(東京大学大学院 情報理工学系研究科)、葛岡 英明(東京大学大学院 情報理工学系研究科、東京大学バーチャルリアリティ教育研究センター)、廣瀬 通孝(東京大学先端科学技術研究センター)、青山 一真(東京大学先端科学技術研究センター) - 脚部の体性感覚は立位時や歩行時のVR体験において地形形状や身体傾斜などVR空間内の状況を把握する上で非常に重要な感覚である.しかしながら,既存の脚部への体性感覚提示手法の多くは足下の形状を機械的に変化させる大掛かりな仕組みが必要であった.本研究では特に足首の体性感覚に注目し,足首の腱への経皮電気刺激によって軽量・安価・小型な装置のみで足首の関節角の感覚を操作する手法の提案と有効性の検証を行う.
- 1G-2
- VibeShare::Performer — Emoji・触覚・音効によるオンライン音楽ライブの双方向化
〇山崎 勇祐(REALITY株式会社、東京工業大学大学院) - コロナ禍で対面ライブの開催が制限される中、我々はオンラインで出演者と視聴者のインタラクションを実現する技術「VibeShare: Live」を開発した。有料の商業店舗におけるオンラインライブで試験実施し、視聴者から3日間で合計108,031回、Emojiが送られ、それらを会場内での拍手音やプロジェクション、出演者への触覚刺激に変換することで、視聴者の存在感を出演者に体感させることに成功した。
- 1G-3
- 空気噴流による音楽の低周波振動再現性の検証
〇柴尾 亮成(熊本大学大学院)、嵯峨 智(熊本大学大学院) - 音楽体験には,ライブ会場に足を運ばないと体験できないものがある.<#%BR%#>楽器から直接伝達される非可聴振動を感じる体験である.我々はこれまで空気噴流による振動提示手法によりこの体験を検討してきた.リズム感提示や音楽体験の主観的音楽体験の面白さの評価を得ることができた.今回は,実際にライブ会場で感じているウーファーの振動と比較し,本提案手法の有用性を検証する.
- 1G-4
- The Proteus Effect in Augmented Reality: Impact of Avatar Age and User Perspective on Walking Behaviors
〇音納 陸(奈良先端科学技術大学院大学情報科学領域)、鹿内 裕介(株式会社ディー・エヌ・エー)、中野 萌士(奈良先端科学技術大学院大学情報科学領域)、磯山 直也(奈良先端科学技術大学院大学情報科学領域)、内山 英昭(奈良先端科学技術大学院大学情報科学領域)、清川 清(奈良先端科学技術大学院大学情報科学領域) - 本研究では,3人称視点を用いたARデバイスによる拡張現実空間におけるプロテウス効果の再現と検証を行う.プロテウス効果は,アバターの見た目によってユーザの態度や行動が変容する心理効果として知られ,心的障害や社会問題の解決に寄与する可能性が考えられる.本研究で用いる3人称視点は,アバターの見た目を常時俯瞰することを可能とするため,1人称視点と比較し持続性の高いプロテウス効果の起因が期待される.
- 1G-5
- クラスタデジタル空気砲におけるノズル毎射出体積均一化による渦輪生成率の向上
〇待田 航太朗(立命館大学)、安藤 潤人(立命館大学)、柳田 康幸(名城大学)、野間 春生(立命館大学) - 本研究ではVR用の香り提示装置として多数の射出孔から圧縮空気を射出し渦輪を再現する独自の空気砲を提案している。従来の試作機では渦輪の生成に失敗することや、渦輪が意図せずに曲がってしまうことがあった。その原因として、個々の射出孔から射出される空気量に偏りがあることが実験的に示唆された。そこで射出される空気量が一定になるよう各射出孔に個別に空気弁を配し、空気量の偏りが射出に与える影響を評価した。
- 1G-6
- AIR-range: 輝度連続性を考慮した空中像のテーブル面から中空までの配置手法
〇菊池 知世(東京大学)、矢作 優知(東京大学)、福嶋 政期(東京大学)、阪口 紗季(東京都立大学)、苗村 健(東京大学) - テーブル上での裸眼複合現実感システムを実現する上で、空間に実像を結ぶ再帰透過光学系は効果的である。なかでも対称ミラー構造を用いた手法は、テーブル上から宙に浮く領域の広範囲で空中像を表示することが可能である。しかしこの手法は、テーブル面を見込む領域の一部で観察される空中像が暗くぼやけた映像になり、輝度や鮮明度が不連続になるという問題を含んでいた。これはミラー反射を介して空中像生成に使われる光学素子を見込む角が、推奨値から外れる範囲で発生する。そこで本研究ではシステム内のミラー配置を変えることで、光学素子を見込む角を推奨値に近づける手法を検討する。
- 1G-7
- 触覚逆再生:時間的に逆転した振動提示による逆再生映像の違和感低減
〇伊東 健一(東京大学)、伴 祐樹(東京大学)、武田 輝(東京大学)、髙橋 潤(東京大学)、原田 和亮(東京大学)、割澤 伸一(東京大学) - 逆再生は,非現実的な現象を表現可能な映像の時間操作手法である.我々は,視覚や聴覚だけでなく触覚によっても逆再生映像を体験する「触覚逆再生」を提案する.触覚逆再生は,落下等で生じる音を映像と同時に録音し,時間的に逆転させたうえでボイスコイル型振動子を用いて振動として提示することで実現できる.コップにビー玉が落下する単純な映像を用いた予備実験により,触覚逆再生によって逆再生映像体験時の違和感が減少することが示唆された.
- 1G-8
- 動作の有無に応じた冷温提示によるVRにおける水中感覚の提示
〇伊藤 健太(東京大学)、伴 祐樹(東京大学)、割澤 伸一(東京大学)
- 1G-9
- 他者の視線に応じた温度提示による遠隔コミュニケーションへの影響
〇市橋 爽介(東京大学)、堀江 新(東京大学)、柏野 善大(東京大学)、吉田 成朗(東京大学)、稲見 昌彦(東京大学) - 温度提示は環境・触感再現だけでなく,コミュニケーションでの行動・情動喚起への応用が期待される.本稿では,遠隔コミュニケーションで他者の視線に応じた温度提示をユーザに行うシステムを提案する.赤外線による温度提示により,他者の視線がユーザに向いている,つまり他者の注視点が他者のモニタ中心に近いほど強い温度提示をユーザは受ける.本システムによる他者存在感の増大や印象の変調などについて考察する.