Web予稿集

Sept. 12 2024
9月12日

口頭発表 09:30-10:10 行動・認知

座長:井上 康之(富山県立大)

2D1-01
歩行改善支援のためのXR環境下での腕振りセンシングに基づく自動評価手法の開発
〇神田 洸士(静岡大学)、寺島 広樹(静岡大学)、藤田 憲一郎(けんごろう鍼灸整骨院)、水野 拓宏(株式会社アルファコード)、石川 翔吾(静岡大学)、桐山 伸也(静岡大学)
本研究は、VR環境を活用した歩行改善運動プログラムの開発を目指し、腕振りの特徴に基づく歩行状態の評価を検証する。特に、センサデータの分析に重点を置き、「腕振りの高さ」と「前振り横振り」の自動検出手法を開発し、14名のデータで評価した。結果、腕振りの高さは11名で専門家の評価と一致し、前振り横振りの検出手法は異なる群で有効性が確認された。今後は足や体全体のバランスも含めた評価手法の改善を進める予定である。
2D1-02
鳥アバタを用いたVR体験が昆虫食受容に与える影響
〇小関 裕介(東京大学)、大野 雅貴(東京大学)、中野 萌士(東京大学)、有川 由祐(東京大学)、葛岡 英明(東京大学)、鳴海 拓志(東京大学)
プロテウス効果に代表されるアバタの持つ効果が様々なバイアスの軽減に貢献しうることが示唆されてきたが、食にまつわる認知バイアスにどのような影響を与えるかは未知である。 本研究では、自分が人間もしくは鳥のアバタを身体化し、その際に個食、あるいは人もしくは鳥の外見を持つ他者アバタと共食する4条件において仮想的に昆虫を食べる体験を行うことが、昆虫食への意欲や新奇性恐怖に与える影響を調査した。
2D1-03
認知バイアスを考慮したMR防災訓練システム実現のための 意思決定プロセスに基づくバイアス発生メカニズムの分析
〇奧田 竜成(名古屋工業大学大学院工学研究科)、打矢 隆弘(名古屋工業大学大学院工学研究科)、内匠 逸(名古屋工業大学大学院工学研究科)
本研究はMR防災訓練による認知バイアスの軽減を最終目標とし、バイアス発生メカニズムの解明・軽減効果の検証のために、4段階の実験を進めている。具体的には、1)MR空間内の認知バイアスの検証、2)防災訓練の条件下での認知バイアスの検証、3)意思決定プロセスに基づきバイアス発生メカニズムを分析、4)認知バイアスを考慮した防災訓練システムを提案し、その有用性を検証する。今回はバイアス発生メカニズムについて分析した結果まで示す。
2D1-04
GentlePoles: 穏やかな人流制御に向けた木製ポール型アクチュエーターのデザイン
〇清水 将矢(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、吉田 貴寿(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、堀江 新(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、花光 宣尚(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、南澤 孝太(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)
無秩序な広告やサインが付加され続ける情報過多空間において,周辺環境に溶け込み認知負荷を抑えるアンビエントな情報提示の活用が求められる.そこで待ち行列に存在するスタンションポールに着目し,木の触れ心地と回転で人を穏やかに誘導することを目指したポール型アクチュエーターのデザインを提案する.ポールの回転方向と速度変化の組み合わせにより,ストレスの多い待ち並び体験の向上と認知負荷を抑えた人流誘導を目指す.
2D1-05
MR環境を用いた昆虫食に対するユーザ体験の評価
〇進藤 光晟(早稲田大学大学院)、河合 隆史(早稲田大学大学院)、伴地 芳啓(早稲田大学大学院)
代替タンパク質の一つに昆虫食が挙げられるが、文化や地域の差はあるものの、消費者の受け入れは進んでいない。そこで本研究では、昆虫食の受け入れに関わる食環境の因子として盛り付けと共食に着目し、テーブルトップ型で、二人同時に体験可能なMRシステムを構築した。そして、コオロギを対象とした食環境のMRシステムを用いて、生理・心理指標を用いた評価実験を実施し、各因子のユーザ体験に与える影響について検討を行った。
2D1-06
VR職業体験が自己拡張欲求に与える影響
〇大河内 洋平(東京大学大学院情報理工学系研究科)、畑田 裕二(東京大学大学院情報学環)、鳴海 拓志(東京大学大学院情報理工学系研究科)
自己拡張欲求が高いことは、新たな自己の発見に対して前向きであることを意味し、well-beingに関する複数の指標と正の相関があることがわかっている。本研究では、未経験の職業をVRで複数回体験することが自己拡張欲求に与える影響を調査した。その結果、同一の体験を繰り返した場合は自己拡張欲求が有意に高まることが示唆されたが、複数種類の体験をした場合は有意差が見られなかった。
2D1-07
バーチャルアバターによるプロテウス効果が仮想の壁のすり抜けに及ぼす影響の研究
〇藤江 隆希(大阪工業大学)、中泉 文孝(大阪工業大学)
バーチャル環境は自由度の高さから利用者に自由な行動を許す一方で、壁の透過といった没入感を下げる要因も作り出す。本研究は壁の侵入を引き起こす要因として視覚的なセマンティックを提唱する。バーチャル環境から受ける視覚的な情報の一貫性とその妥当性から透過の意思決定していると仮定する。一例であるプロテウス効果を利用し、バーチャル環境内における壁の透過とその妥当性を検証する。
2D1-08
声質の変化に伴う自己認識の変化についてのアンケート調査
〇國見 友亮(東京大学、産業技術総合研究所)、畑田 裕二(東京大学)、木村 健太(東京大学、産業技術総合研究所)、鳴海 拓志(東京大学)、持丸 正明(東京大学、産業技術総合研究所)
本研究の目的は声質の変化に伴い自己認識が変化するか調査することである。従来研究では、プロテウス効果同様に聴覚提示される声質の変化に伴い認知・情動が変化することが確認されていた。本調査ではソーシャルVR上で、ボイスチェンジャーを使用しているユーザ、声質を自身の発声方法を変化させることが可能な両声類のユーザに対してアンケート調査を行うことで、声質の変化前後で自己認識が変化しているか調査した結果を報告する。
2D1-09
ステレオタイプを強化・軽減する準備作業がプロテウス効果に与える影響
〇木村 江梨花(奈良先端科学技術大学院大学)、Genay Adelaide(メルボルン大学)、中野 萌士(東京大学)、平尾 悠太朗(奈良先端科学技術大学院大学)、Perusquía-Hernández Monica(奈良先端科学技術大学院大学)、鳴海 拓志(東京大学)、内山 英昭(奈良先端科学技術大学院大学)、清川 清(奈良先端科学技術大学院大学)
プロテウス効果とは,自分のアバターの外見を観察することで,アバターのステレオタイプに合わせて行動や態度が変化する現象を指す.この効果はユーザの行動変容を促す一方で,否定的な行動を意図せず引き起こす可能性があることが示唆されてている.そこで本研究ではプロテウス効果を弱める方法を検討するために,ステレオタイプとは逆方向の情報の教示を行うことでプロテウス効果への影響を探る.
2D1-10
上方から観察可能な3点の二次元特徴量を利用した歩行予測
〇日高 祐哉(東京大学大学院)、篠田 裕之(東京大学大学院)、牧野 泰才(東京大学大学院、東京大学)、高田 賢太(東京大学)、杉本 証(東京大学)
遠隔地間でアバター表示をする場合、描画遅延を少なくすることが望ましい。これまで深層学習を用いて人間の歩行先を予測する技術が研究されており、そのとき必要となる特徴量は比較的少なくてすむことが示されている。本研究では、上方から観察可能な胸部と両足の3点の二次元特徴量のみで予測できるか検証し、上方からでも観測可能な少ない特徴量のみを使って集団の動きを解析できることを確認した。
2D1-11
セルフアバタによる身体化がVR回想法に与える効果
〇竹中 舜(東京大学)、瑞穂 嵩人(東京大学)、畑田 裕二(東京大学)、鳴海 拓志(東京大学)、葛岡 英明(東京大学)
回想法とは,過去の経験に関する記憶を刺激し他者と共有することで精神的健康を改善する手法である.再現度の高い体験を提供可能なVR技術は回想法の効果を高める手法として注目されている.VRアバタはエピソード記憶を促進することが知られているが,その回想法への効果は未だ十分に調べられていない.そこで本研究では,VRセルフアバタを通じた身体化が,回想法において想起される思い出の量や精神的健康の改善に与えるかを検証する.8名の大学院生を対象とした予備実験の結果,,VRセルフアバタが表示される条件では,表示されなかった場合と比較して有意に多く過去の出来事が想起された.しかし,自己認識に与える影響には有意差は確認されなかった.