Wednesday, 11 September
9月11日(水)
A会場 ハプティクス―摩擦/なぞりの触感
座長:昆陽雅司(東北大)
- VR空間上で提示された布に触れた際の質感変化
〇佃 吉央(大阪電気通信大学大学院)、小枝 正直(大阪電気通信大学大学院) - 近年3DCGの布の研究が行われているが生成される布の力学パラメータと風合いとの関連性は明らかになっておらず3DCG開発者の感覚で実装されている.今回VR空間内で布オブジェクトの視覚での風合いと能動的に布オブジェクトに触れた際の風合いの違いを検証した.結果,ある一部の力学パラメータでは視覚のみでの風合いと能動的に布に触れた場合とで真逆の評価がくだされるという評価になった.
- 4A-02
- 視触覚同時提示時に求められる一致性(第3報)-精細テクスチャにおける許容範囲の検討-
〇山口 瞬(電気通信大学)、金子 征太郎(電気通信大学)、梶本 裕之(電気通信大学) - 本研究の目的は、映像による視覚情報と現実の物体を使った触覚情報を同時に提示した際に、人間が視触覚の違いを認識できない範囲(以下、許容範囲)を測定し、VR空間上の物体の触覚表現に求められるクオリティを調査することである。これまでの調査では粗いグレーティングテクスチャを対象としていたが、本報告では1mm以下の凹凸をもつ細かいグレーティングテクスチャを対象に許容範囲を測定した。
- 4A-03
- 画像特徴量を利用した触覚振動表現における 重み付け変化の影響に関する検討
〇黒木 詢也(熊本大学)、嵯峨 智(熊本大学) - 我々は、これまで振動方向制御可能な剪断力提示装置を用いて,2 次元方向の記録振動を可能な限り正確に提示した際の触覚再現性を検討してきた.これまでの研究では,単純な記録振動の提示では再現が困難なテクスチャに対し,画像特徴量を利用した振動提示手法を提案したが,振動強度の調整手法について問題があった.本稿では,画像特徴量を振動情報に重畳する際に,振動情報の特徴点に対する重みづけを変化させることにより提示したときの影響について調査する.画像特徴量による重畳で強度が0にならないよう,重みを変化させたときの影響について,心理物理実験を通じて調査した結果について議論する.
- 4A-04
- 異なる皮膚状態の触感再現に関する研究
〇張 建堯(電気通信大学)、小林 優人(電気通信大学)、梶本 裕之(電気通信大学)、松森 孝平(株式会社資生堂)、齋藤 直輝(株式会社資生堂) - 本研究は、指が本物の皮膚をなぞる間に生じた振動を利用して異なる皮膚状態の触感を再現することを試み、触覚ディスプレイを試作した。指の皮膚をなぞる加速度を加速度センサーで記録し、それを振動として再生する。人肌ゲルを用いて基本的な肌触りを確保し、振動を加えることで荒い皮膚の触感を表現する。その上、モーター付きのスライドボリュームを用いて指に反力や推進力を与え、摩擦や滑らかさを表現することも可能である。
- 4A-05
- 非接触触覚提示による離散点刺激と連続刺激の類似度比較
〇森崎 汰雄(東京大学)、藤原 正浩(東京大学)、牧野 泰才(東京大学)、篠田 裕之(東京大学) - 離散点触覚刺激は物理的な連続刺激を再現でき、これは仮現運動などとして知られる。この錯覚は触覚デバイスにおいて複雑な機構無しに動きのある触覚提示を可能にする。一方で、この錯覚で得られる刺激はその連続性のみ評価されており、再現したい連続刺激とどの程度近い触感を有するかは明らかでない。本研究では、超音波による非接触刺激を持ちいて、離散点刺激と連続刺激の知覚における類似性について調査する。
- 4A-06
- 指紋を有する指先のStick-Slipシミュレーション
〇田川 和義(愛知工科大学、立命館大学)、井垣 友貴(立命館大学)、田中 弘美(立命館大学) - 織物のような表面微小構造が非一様で複雑な柔軟物などに触れたときの触感を再現・提示できれば,遠隔ショッピングなどで有効である.ヒトの指腹部には指紋が存在し,指を物体表面に触れて滑らせた際に,指紋に固着・滑りを繰り返すStick-Slip現象による振動が生じる.これにより, ヒトは物体表面の微小な粗さによる触感を認識している. そのため, 指先で物体に触れた際の触感を再現するには, 指先に生じるStick-Slip現象による指紋の変形・振動を求める必要がある.そこで本発表では,指紋を有する指先のStick-Slipシミュレーションを作成し,その評価を行ったので報告する.
- 4A-07
- ウェアラブル回転円筒型接触子によるなぞり感覚の再現
〇原茂 帆乃夏(首都大学東京)、YEM VIBOL(首都大学東京)、池井 寧(首都大学東京) - 本研究では、ウェアラブル回転円筒型接触子によって指先に振動やスティック・スリップ感覚を与えることで、木材やゴムなど様々な素材をなぞった感覚の再現を目的としている。接触子は無限回転できるため、連続にスティック・スリップ感覚を与えることができる。本稿はウェアラブル装置の機構を紹介し、力センサで素材をなぞって測定したデータに基づいてなぞり感覚の再現について評価する。
- 4A-08
- 表面粗さ感提示に向けた音波による平板振動生成
〇岡本 裕大(関西学院大学)、山﨑 陽一(関西学院大学)、井村 誠孝(関西学院大学) - 物体表面の粗さ感を触覚提示する手法として,接触面への振動付与がある.しかし,一般的な振動子による直接的な振動生起では,広帯域の振動提示が困難である.本研究では音波に着目し,様々な周波数と振幅の音波を接触面に対して放射することで振動を生成して触感提示を行う手法を提案する.音響装置にパラメトリックスピーカを用いた実験を行い,音波の放射位置,周波数,振幅を変更することで異なる触感が得られることを確認した.
- 4A-09
- LABNIRSによるVHI発生時の脳賦活状態の計測
〇小杉 宏明(名古屋大学大学院)、大岡 昌博(名古屋大学大学院情報科学研究科)、小村 啓(名古屋大学大学院) - VHI(Velvet Hand Illusion)とは,2本のワイヤーを平行に張り両手ではさみ滑らせると,ベルベット生地のようなすべすべした触り心地がする錯覚現象であり,Hapticデバイスへの応用が期待されている.本研究では,全頭型のNIRS(Near-infrared Spectroscopy)により脳の賦活状態を計測する.実験の結果得られたVHI発生時と未発生時の脳の活性化状態を比較することで,VHI発生に関係する脳領域を解明する.実験の結果,VHI時に右の中前頭回に顕著な賦活領域が認められた.