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感覚情報提示の新潮流:マルチモーダルからクロスモーダルへ

題目

感覚情報提示の新潮流:マルチモーダルからクロスモーダルへ (New Trend in Sensory Information Presentation: from Multi-modal to Cross-modal Approach)

概要

これまで,VRをはじめとしたデジタルメディアでは,各感覚器と対応した刺激を提示することで,人間の五感に対して情報を提示してきた.こうした手法を組み合わせた,いわば「マルチモーダル」な感覚情報提示は,高いリアリティを生むための基本的なアプローチとなっている.一方,感覚間の相互作用を利用することで,感覚入力と直接対応していない刺激を提示しているにもかかわらず,本来的なその感覚が生じたときの効果を発生させる知覚/認知ベースの情報提示手法が登場するようになっている.このような「クロスモーダル」な感覚情報提示は,従来よりもシンプルな機構をベースとしつつも複雑な体験を提供できる可能性を持っていることから,感覚情報提示の新しいアプローチとして注目されつつある.本稿では,クロスモーダルな感覚情報提示手法について,研究の現状を踏まえた上で,その可能性や適用限界について議論する.

著者

鳴海 拓志 (東京大学) , 渡邊 恵太 (JST ERATO 五十嵐デザインインタフェースプロジェクト) , 渡邊 淳司 (NTTコミュニケーション科学基礎研究所) , 稲見 昌彦 (慶應義塾大学)