題目
前腕部体毛の立毛制御による驚き感情の増幅 (Enhancement of Surprise Feelings by Controlling Piloerection on the Forearm)
概要
椅子やジャケットなどに振動子を組み込み、映画などの視聴覚コンテンツに則して触覚を提示する装置が提案されている。これらは触刺激によってコンテンツのリアリティを高める事で高い没入感や感動を喚起させている。これに対して我々は、視聴覚コンテンツによって喚起される感情や生理変化を直接促すことで高い没入感や感動を作り出すことを提案する。本稿では生理変化の一種として、人が感動した際や興奮した際に生じる立毛現象に着目する。体毛は帯電した絶縁体を接近させると立毛する。我々は身体周辺を絶縁体で覆い、その絶縁体に高電圧を印加する事で静電気力によって全身の体毛を立毛させる。特に人の立毛現象は交感神経によって支配されているので、交感神経の活動と共に立毛を制御すれば自然な情動提示が実現すると思われる。そこで我々は皮膚電位反応によって人の交感神経活動を計測し、その計測結果に則して立毛現象を制御し、コンテンツへの没入感や感動を高める。
著者
福嶋 政期 (電気通信大学) , 梶本 裕之 (電気通信大学)