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脳波を利用したマスタースイッチの開発 -BCI型拡張現実の常時利用に向けて-

題目

脳波を利用したマスタースイッチの開発 -BCI型拡張現実の常時利用に向けて- (Development of Master Switch Based on EEG -Toward BCI based Augmented Reality for Daily Use-)

概要

脳波を利用することで感情や無意識の状態を反映した情報を、拡張現実(AR)に表示できるようなBCI型ARへの期待が高まっている。例えば、BCIによって無意識下の脳情報を検出・解析することで、陳列された商品の中から、無意識に欲するものに属した商品情報を選択前に提示し、各使用者の状態に応じて商品広告や選択を促進するようなARである。ところが、脳波を用いたシステムは、使用意図の有無に応じて動作させる機構が欠如しているため、常時使用した場合に高い誤作動の危険性があった。そこで本研究では、脳波を用いたARの安全性を高めるために、ARを随意に起動・終了する「脳波スイッチ」を提案し、開発を行った。随伴陰性変動の惹起とサポートベクターマシンを識別器に利用した評価実験の結果、起動・終了を意図した条件では99%、意図しない条件では98%と、高精度な識別に成功した。以上から、提案する脳波スイッチが、ARの安全性を高めるマスタースイッチとして機能する高い実現性を示した。

著者

加藤 康広 (玉川大学 脳科学研究所) , 米村 朋子 (大阪大学大学院 情報科学研究科) , 鮫島 和行 (玉川大学 脳科学研究所) , 前田 太郎 (大阪大学大学院 情報科学研究科) , 安藤 英由樹 (大阪大学大学院 情報科学研究科)