Thursday, 12 September
9月12日(木)
A会場 ハプティクス―温冷覚
座長:岡本正吾(名古屋大学)
- 5A-01
- 刺激の提示面積が温冷感覚誤認現象に与える影響の分析
〇奥川 夏輝(立命館大学大学院)、橋口 哲志(龍谷大学)、松室 美紀(立命館大学)、柴田 史久(立命館大学)、木村 朝子(立命館大学) - 我々はこれまでに,前腕の複数箇所に温覚と冷覚を交互に提示することで,温覚刺激を冷覚,冷覚刺激を温覚として知覚する現象を確認した.この現象について,刺激の提示数,提示間隔,提示温度などの条件がどのように影響するかを分析してきた.一方,人間が知覚する温度は,提示面積のみの変更によって変わることが知られている.そこで次のステップとして,本稿では提示面積に着目し,本現象の発生傾向を分析する.
- 5A-02
- 水流を用いた大面積温度ディスプレイの提示温度と面積に関する評価
〇坂口 正道(名古屋工業大学)、梶河 拓真(名古屋工業大学) - バーチャルリアリティの普及に伴い,触覚提示技術に関する研究が盛んに行われている.我々はこれまで温冷覚に着目し,熱媒体に水を用いた大面積温度提示システムを提案してきた.熱媒体に水を用いることで大面積の提示部に対して温度提示が可能となる.本報はこのシステムを用いて,提示温度や面積とヒトの生理反応との関係を,主観値と心拍を基に評価した.
- 5A-03
- ペルチェ素子を用いた温熱覚提示装置の開発
〇川田 涼馬(北見工業大学大学院)、橋本 泰成(北見工業大学大学院) - VRからの感覚フィードバックの一つとして、温熱覚の提示法が注目されている。本研究では、ペルチェ素子を用いてVR使用者の手に局所的に熱を与え、その熱量をVR内の手と仮想的な「火」の距離に応じて変化させるシステムをフィードフォワード制御を使って実現した。これにより従来のシステムよりも応答性、柔軟性を高めることを狙った。また男性4名に実際に使用させ、視覚フィードバックが体感温度に与える影響を調査した。
- 5A-04
- 空中ミストの制御による遠隔冷覚提示
〇中島 允(東京大学大学院新領域創成科学研究科)、牧野 泰才(東京大学大学院新領域創成科学研究科)、篠田 裕之(東京大学大学院新領域創成科学研究科) - 本研究では超音波ビームを用いてミストをユーザーの皮膚表面に空中輸送し,さらにその気化熱から冷却されることで遠隔冷覚提示手法を提案している.これまでに,ミストの代わりにドライアイスの冷気を用いて遠隔冷覚提示を提案したが,ミストを用いた場合の方が冷却効果が高いことが示された.本稿ではさらにミストによる冷却効果を高めるシステムを構築し,システムによるユーザーの皮膚表面の温度変化を測定した.
- 5A-05
- 風を用いた温冷覚刺激による人体への影響
〇小笠原 健太郎(名古屋工業大学)、坂口 正道(名古屋工業大学) - ヒトの温冷覚を刺激するデバイスは数多く存在するが,人体に接触することなく刺激できるものは少ない.しかし,非接触で温冷覚を刺激することには,被験者に与える拘束の少なさ,提示部位の自由度の高さなど,多くの利点があり,様々な場面での活用が見込まれる.そこで我々は,非接触でヒトの温冷覚を刺激する方法として,風を用いる.本稿では,常温の風と冷風を頸部へ提示した際の人体への影響の違いについて調査を行った.
- 5A-06
- 空気流による高速応答非接触温度提示
〇久米 祐一郎(東京工芸大学)、田中 智貴(東京工芸大学) - より高い臨場感を生起するためには温度情報の提示も必要となる。本研究では非接触で皮膚へ温度情報提示を行うために空気流を用いた。温冷の高速切り替えを行うために、2つのダクト内を定常的に流れる温風と冷風をダンパーで切り替えて出力する装置を試作した。単一ダクト内を流れる空気流のヒーターによる温冷切り替えと比較して、物理的温度変化と温度変化知覚について検討した結果、高速応答温度変化提示の可能性が示された。
- 5A-07
- レーザ光による熱放射を利用した触覚ディスプレイの提示制御の改善
〇嵯峨 智(熊本大学) - 我々は熱放射を利用した触覚ディスプレイを提案している.本ディスプレイは熱放射という光を利用して空間中の掌温度を制御する.そのため,熱画像カメラ,とレーザ光源によるシステムを提案する.これにより提示可能な領域を拡張する.本稿ではレーザ光源を利用した触覚提示における提示制御手法についての改善のため,アクティブ光源を利用した計測システムによる新しい制御手法を提案する.
- 5A-08
- タブレット用ペン型冷温覚提示デバイスの開発
〇久保 泰奈(東京理科大学)、邉田 智美(東京理科大学)、佐藤 誠(東京工業大学)、原田 哲也(東京理科大学) - 本研究は力覚と冷温覚を通して熱力学現象の理解を深めることを目的とした,タブレット型熱力学学習支援システムの開発を行っている.力覚と冷温覚の提示部はペン型とした.ペン型にすることで,タブレットの操作性を損なうことなく力覚と冷温覚の提示が可能になる.本デバイスはペルチェ素子,ヒートシンク,ファンを用いた.今後はSPIDAR-tabletとの連携を行う予定である.