セッション詳細

Wednesday, 11 September
9月11日(水)
 

C会場 VR心理

座長:繁桝博昭 (高知工科大)

4C-01
VR体験における足底振動の効果に関する研究
〇梨木 玲穏(首都大学東京)、YEM VIBOL(首都大学東京)、雨宮 智浩(東京大学)、池井 寧(首都大学東京)
遠隔の映像体験への適用を想定した足底振動刺激の効果を分析するため,提示刺激に視覚・聴覚・足底振動を使用し,VR空間を用いて実験を行なった.その結果,視覚刺激のみの場合は足底振動刺激の提示で,VR酔いの低減が確認された.また視覚刺激が酔いやすい映像の場合,足底振動刺激を提示することで,映像の不快感の低減傾向が確認された.足底振動刺激が映像に対して同期していないテンポで提示されることにより,歩行感覚強度が減少傾向にあることが明らかとなった.
4C-02
Cybersicknessのリアルタイム予測
〇曲木 拓朗(公立はこだて未来大学)、Vallance Michael(公立はこだて未来大学)
Virtual Reality (VR) 技術の発達とともに,Oculus Riftをはじめとした数多くのVR Head Mounted Display (VRHMD) が提供されている.VR技術がより身近なものになる一方,VR酔い (Cybersickness) はVRHMDを用いたVRにおいて無視することはできない問題であり,未だ解決していない.本研究では,Cybersicknessを推定可能な複数の生理学的指標から得られるCybersicknessの指標と,Cybersicknessのリアルタイム予測について考察する.そして,考案したCybersicknessの指標の評価とリアルタイム計測方法を提案する.
4C-03
特定方向への視線の維持がVR酔いに与える影響
〇三浦 直樹(芝浦工業大学大学院 理工学研究科、国立研究開発法人 産業技術総合研究所)、氏家 弘裕(国立研究開発法人 産業技術総合研究所)、大倉 典子(国立研究開発法人 産業技術総合研究所、中央大学大学院 理工学研究科)、木村 昌臣(国立研究開発法人 産業技術総合研究所、芝浦工業大学 工学部)
注視点によるVR酔い軽減効果について,その機序は明らかでない.本研究では,注視に関わる要因のうち,特定方向に視線を維持することの効果の検証を目的とした.実験では視線を誘導する流動パタンを用いた特定方向への視線維持を行い,注視点の無い場合よりも酔いの主観評価値が有意に低く,注視点を提示した場合よりも有意に高い結果を得た.従って,特定の視線方向の維持がVR酔い軽減に一定程度寄与すると考えられる.
4C-04
座位重心動揺を用いた臨場感の量的評価に関する研究
〇奥野 帆香(富山県立大学)、木下 史也(富山県立大学)、唐山 英明(富山県立大学)
ベクションの評価指標として重心動揺により身体動揺量を定量的に計測する手法がある.しかし,重心動揺の計測は,ロンベルグ姿勢やマン姿勢などの立位姿勢による計測が一般的であり,座位に着目した研究は数が少なく,その計測手法も確立されていない。そこで,本研究では音声の同期を因子としたVRコンテンツを作成し、VRコンテンツを視聴した際の身体動揺について,座位重心動揺を用いて比較を行った。
4C-05
身体感覚と視覚情報にずれが生じる低遅延没入環境におけるフレームレートが人へ与える影響
〇栃岡 陽麻里(東京大学)、早川 智彦(東京大学)、門脇 拓也(東京大学)、池田 遼(東京大学)、石川 正俊(東京大学)
自ら動作させた手が映像として投影される没入環境において,最大1000fpsの投影をすることで,100ms以下の遅延がパフォーマンスに与える影響を検証した.結果,高フレームレート条件下で,遅延に伴うパフォーマンスの低下傾向が緩やかになることが判明した.今後は試行回数を増やし条件を細分化することで,映像提示デバイスにおける人のパフォーマンス性能に関して,フレームレートが与える影響の標準化を目指す.
4C-06
一対比較法を用いた蛇の回転錯視の補償パラメータチューニング
〇久保田 祐貴(東京大学大学院)、早川 智彦(東京大学大学院)、深山 理(東京大学大学院)、石川 正俊(東京大学大学院)
多くの錯視の見えは人により異なるため,これらの錯視の映像補償を考える際には,個々人に合わせたパラメータチューニングが必要となると考えられる.本研究では,適応的な心理物理学的測定手法であるPEST法を拡張し,一対比較法における提示パラメータの組を適応的に変化させることによって個々人に合わせた最適な補償パラメータを求める手法である区間縮小型PEST法(DI-PEST法)を提案する.蛇の回転錯視を用いた被験者実験により,DI-PEST法を用いた適切なパラメータ設定による映像補償が蛇の回転錯視の錯視効果を減退させる傾向があることを示した.
4C-07
オカダンゴムシに走光性はあるのか? -昆虫用運動補償装置を用いた光刺激強度に対する走光性の評価
〇川野 雄基(京都産業大学大学院 先端情報学研究科)、大槻 圭一(京都産業大学大学院 先端情報学研究科)、阿部 真人(理化学研究所 革新知能統合研究センター)、永谷 直久(京都産業大学大学院 先端情報学研究科)、志垣 俊介(大阪大学基礎工学研究科)、藤澤 隆介(九州工業大学 情報工学研究院システム創成情報工学系)
本研究では,運動補償機構を備えた行動計測装置と円筒形LEDディスプレイを用いて,走光性の有無が明確に報告されていないオカダンゴムシを対象とした走光性の評価を行った.実験では,光刺激提示位置の切替時間条件および刺激光量条件を変化させ,移動軌跡の時間変化を計測し解析した.実験結果より,先行研究では調査されなかった強い光刺激を提示した条件では,負の走光性と考えられる特性が現れることを確認した.