Wednesday, 11 September
9月11日(水)
B会場 ハプティクス―運動・姿勢/触覚と感情
座長:石塚裕己(大阪大学)
- 2B-01
- 座位・立位時の下肢運動提示による歩行感覚表現
〇山岡 憲太郎(首都大学東京)、小出 蓮(首都大学東京)、池井 寧(首都大学東京)、YEM VIBOL(首都大学東京)、雨宮 智浩(東京大学)、北崎 充晃(豊橋技術科学大学) - 本稿では,ユーザの下肢に刺激を提示し歩行感覚を生成する下肢駆動装置の特徴について述べる.実験結果によると,本装置は実際の歩行時と近似した軌道を描くことで歩行感覚表現を可能にする.また,本装置を使用し座位と立位で比較すると,振幅量は立位の方が大きくなり,歩行感覚,移動感覚は共に立位の方が高い結果となった.立位の方が歩行感覚は表現しやすいが,座位でも歩行感覚を表現できることが示唆された.
- 2B-02
- 足底力覚提示による運動認識に関する検討
〇大谷 拓也(早稲田大学)、高西 淳夫(早稲田大学) - 人間の足底の力触覚は人間の皮膚感覚の中でも鋭敏な箇所の一つであり,運動時にも活用されていることが知られている.足底を対象とした力触覚提示は運動感覚再現に有効であると考えられる.実際に忠実に力覚提示をすることが出来れば擬似的な情報提示を自身の感覚と整合させるよう学習する必要がなくなるため,演者らはこれまでに運動時と同等の鉛直床反力を足底に印加する提示装置を開発してきた.本稿では,足底力覚提示のみによりさまざまな運動を識別できるかを検証し,ある程度の動作判別が可能である可能性が示唆された.
- 2B-03
- 超ローアングル全周動画の視聴姿勢に関する研究
〇遠藤 広樹(東京工芸大学)、遠藤 雅伸(東京工芸大学) - VR全周動画において、撮影視点と視聴視点の高さを一致させることで、良い視聴体験が得られる。超ローアングル視点の場合、うつ伏せが最も良い視聴姿勢である。それに対し、椅子に座り、かがんでテーブルに顎を着ける姿勢が、うつ伏せに近いプレゼンスが得られると実験により分かった。これにより、VRアーケードゲームやエンタテインメントVR動画で、手軽に超ローアングルを体験できると考えた。
- Re:born 〜生まれる体験出産VR〜
〇木村 正子(北陸先端科学技術大学院大学)、藤井 綺香(東京大学)、星 宏侑(北陸先端科学技術大学院大学)、田丸 黎(北陸先端科学技術大学院大学)、宮内 涼将(北陸先端科学技術大学院大学)、朝倉 一希(東京工業大学)、鈴木 章大(東京工業大学)、坪井 理人(明治大学) - 本作品は、生まれる瞬間を表現する。ユーザーが胎児となり産道を通過して自ら“生まれる“という体験を表現し、「生まれてきてよかった!」という喜びを届けることを目的とする。空気圧で制御して締め付けられる洞窟型の装置「産道筒」を通ることで、生まれるまでの苦労して暗く狭い産道を通り抜ける体験を表現する。そして、誕生の祝福感を映像や音で表現し生まれた事は奇跡的であり、誰しもが祝福の中で生まれてきた事を伝える。
- 2B-05
- 匣内ルービックキューブ
〇藤川 司(熊本県立大学) - 本企画では、匣の中からルービックキューブを解くことができる作品「匣内ルービックキューブ」の開発を行う。VR の仮想空間で人間が入れそうなサイズのルービックキューブを作ることでルービックキューブの内側からパズルを解くことを実現した。さらに,独自の足および手の操作によるデバイスから、ルービックキューブを回転させる感覚を提示することで、体全体を使った新しいルービックキューブ体験ができる。
- 2B-06
- 空中超音波触覚提示による快感覚の誘起
〇津本 海(東京大学)、松本 大知(東京大学)、藤原 正浩(東京大学)、牧野 泰才(東京大学)、篠田 裕之(東京大学) - 本研究では空中超音波を用いて前腕部に非接触な移動刺激を提示することで, 快感覚の誘起を試みた. ヒトの前腕部に存在するC触覚線維は快感覚の伝達に深く関与する. また移動する接触刺激に対するC触覚線維の反応特性はすでに明らかにされており, 比較的遅くて弱い移動刺激に最も反応することがわかっている. この事実をもとに, 非接触な触覚提示を用いて被験者実験を行ったところ, C触覚線維の反応特性に類似した傾向が得られた.
- 2B-07
- リラックス状態への誘導システム「Healing VR」の製作と誘導効果の検討
〇岩下 直人(九州大学)、上岡 玲子(九州大学) - 本研究は呼吸に応じた触覚刺激を提示する事で深い呼吸に誘導しリラックス効果を実現する「Healing VR」のシステム構築を目的とする.本論は初めのプロトタイプとして呼気・吸気・休止状態をリアルタイム計測するテキスタイルセンサーを用いたシステムを製作し,ユーザーの呼吸に応じてバルーンの触覚刺激を両手に提示し,徐々に深い呼吸へ誘導するよう触覚刺激の提示タイミングを変える事で呼吸の誘導が可能か検討した.
- 2B-08
- 振動付与による柔軟物体の硬度変化の検討
〇下川 和俊(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)、南澤 孝太(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科) - 柔軟物体に対して振動を付加した際の硬度の知覚変化についての検証を行った.実験では硬度が非常に低い柔軟物体を対象として行った.柔軟物体によって挟まれた振動子に様々な条件の波を与えることによって錯覚的に硬度変化が起こる生起条件について調査した結果を報告する.
- 2B-09
- メリーさんの電話
〇鈴永 紗也(大阪大学)、川崎 祐太(大阪大学)、西村 賢人(大阪大学)、岸 楓馬(大阪大学)、北川 玲音(大阪大学)、桑山 佳汰(大阪大学)、角谷 星哉(大阪大学) - 本企画では電話ボックス型の空間を舞台に,HMDやディスプレイなどの視覚情報に重きを置くデバイスを用いずに,触覚情報を与えることで全身にぞくぞくとした恐怖感を感じさせるVR空間を実現する.受話器型デバイスを用いて予期しないタイミングで耳に気配や冷気を提示することで,触覚情報から恐怖感を提示する.都市伝説「メリーさんの電話」をモチーフに,電話ボックスの中でメリーさんからの電話をとる体験を用意する.