題目
扇情的な鏡:表情変形フィードバックによる感情喚起システム (Incendiary reflection: evoking emotion through deformed facial feedback)
概要
本研究では,実際に自身の表情は変化していないものの,疑似的に表情が変化したように情報を提示することで,それを認知させ無自覚的に感情を喚起させる,表情フィードバックを用いた感情喚起システムを提案する.表情変形手法として,ユーザの顔画像から顔の輪郭情報と目や鼻,口などのパーツの位置情報を推定し,パーツ位置を動かし,表情をリアルタイムに変形させる手法を構築した.この手法を用いて,ユーザの表情画像から自身の表情変化として違和感のない表情画像を生成し,視覚的にフィードバックすることで,感情状態を狙った方向に変化させる.これまでに筆者らはプロトタイプを用いた被験者実験により,表情変形フィードバックが快・不快感情だけでなく,選好判断に影響を与えることを示した.本稿では,提案システムの展示における体験者の行動観察から得られた知見をまとめ,表情変形の効果や,体験者の感情状態や行動に与えた影響について述べる.
著者
吉田 成朗 (東京大学) , 櫻井 翔 (東京大学) , 鳴海 拓志 (東京大学) , 谷川 智洋 (東京大学) , 廣瀬 通孝 (東京大学)