題目
シート張力の非対称制御による左右に移動するしこり感の発生 (Emergence of Moving Lump Sensations by Asymmetric Tension Control)
概要
本稿では,触感提示装置上で錯覚されるしこりの位置が,左右に移動するように知覚される現象について述べる.これまでに筆者らが開発してきた提示装置は,柔軟なシートを指先に巻きつけることで柔軟面を表現し,シートの両端から張力を制御することで,様々なサイズのしこり感を使用者の指先中心部に生成することが可能であった.シートの張力を左右非対称に制御することで,知覚されるしこりが指先中心部以外にも生じることがあることを予備実験において確認した.張力を非対称かつ連続的に変化させることで,しこりが指先表面を左右に移動するように感じられる.本稿ではこの現象について計測を通して考察する.計測を行うため,本稿ではしこりを知覚していると思われる位置およびしこりのサイズ(幅)を計測可能なセンサを新しく開発した.本センサを用いた計測により,張力制御としこり位置の関係性を検討する.
著者
木村 文信 (東京大学) , 山本 晃生 (東京大学)