題目

画面上でのつまみ動作を実現する静電触感提示のための指装着型提示子の検討 (Finger-mounted Pad for Electrostatic Haptic Feedback to Realize Pinch Action on Visual Display)

概要

本稿では，指装着型提示子を用いて複数指に静電摩擦制御による力覚提示を実現する手法を検討する．静電摩擦制御による触感提示では，一般に画面上の透明電極と指との間の静電吸引力により指にかかる摩擦を変化させることで，視覚と対応した触感を提示する．摩擦変化による振動を利用して指に直接刺激を提示する手法が一般的であるが，筆者らは提示子を介した間接提示により，安定して1 N程度の比較的大きな力を複数指に提示可能な手法を提案してきた．より自然な触感提示の実現に向けて提示子に介在感を低減させるために，本稿では指装着型の提示子構造を検討する．ユニバーサルジョイント機構を介して指に透明電極を装着することで，指の姿勢の自由度を残し点接触に近い状態を実現するとともに画面の視認性を向上させる．この提示子構造により片手の複数指を用いたつまみ動作など多点ならではの力覚提示を実現し，本手法による多様な触感提示の可能性を示す．

著者

中村 琢 (東京大学) , 山本 晃生 (東京大学)