題目

茶禅空 (ChaZenKu)

概要

グローバル化が進む現代，茶道の本質的な魅力を海外へ伝える必要性が高まっている．禅に発祥する茶道の魅力は，修練を積んだ者だけが経験できる精神世界である．これは，視野の狭まる集中状態と異なり，感覚が研ぎ澄まされる，独特な集中状態である．本研究では，体験者が茶を点てる所作に継続的に集中することで，視覚，聴覚，嗅覚，触覚と，感覚が徐々に広がる，茶道熟練者の独特の集中状態を疑似的に体感できる装置を狙う．集中度の計測として，Kinectを用い検出される体験者の顔向きの安定性，および加速度センサで計測される茶筅の動きの安定性から推定する．熟練者の集中状態の再現として，重畳表示を用いた茶室風景の視野の広がり，超指向性スピーカを用いた茶を点てる音・鳥や鹿威しの音の再生，加湿器を用いた抹茶の香りの発生，ペルチェ素子を用いた茶碗の温かさの再現を段階的に提示する．

著者

石川 七瀬 (関西大学) , 中谷 友香梨 (関西大学) , 吉田 侑矢 (関西大学) , 吉田 直人 (関西大学) , 河口 拓貴 (関西大学) , 冨嶋 太紀 (関西大学) , 馬瀬 春香 (関西大学)