題目

3Dマルチスリットディスプレイにおけるオブジェクトの3次元移動知覚特性 (A special property of Three-dimensional moving objects in 3D multi-slit display)

概要

マルチスリット視とは，間隔が広く配置された数本のスリットの列を通して画像パタンを提示した場合，静止したパタンを提示すると正しくパタンは知覚できないが，パタンをスクロールさせるとその形がはっきり見えるようになる錯覚現象である．我々はこれを応用して，立体視可能な3Dマルチスリットディスプレイの実現を検討している．パタンを正しく知覚させるためには，スリットからの断片画像とパタンのスクロール移動の2つが必要である．しかしながら，3次元的な奥行き方向を含むパタンのスクロール移動を行った場合には，パタンの移動速度を多義解釈する可能性があり，誤った画像パタンを知覚する可能性がある．そこで，本研究では，多義解釈と知覚画像パタンの関係を明らかにすることで，3Dマルチスリットディスプレイに適した画像パタンの設計指針について検討する．

著者

平原 誠一郎 (大阪大学) , 飯塚 博幸 (大阪大学) , 前田 太郎 (大阪大学) , 渡邊 淳司 (NTTコミュニケーション科学基礎研究所) , 安藤 英由樹 (大阪大学)