題目
操作訓練による遠隔操作型アンドロイドへの身体感覚転移の度合いの向上 (Enhancement of body ownership transfer to teleoperated android through training)
概要
遠隔操作型アンドロイド「テレノイド」は操作者の身体動作と同期して動くロボットである.テレノイドは,発話に加え,操作者の存在感を伝達する対話メディアとして作られた.しかし,操作者が遠隔操作に慣れていない場合,操作の実感が得られず,対話において身体による操作が殆どみられないことが分かってきた.すなわち,音声のみのやりとりに終始し,テレノイドによる効果が得られない問題がある.そこで本稿では,遠隔操作の訓練とその効果を検証し,効果指標としてテレノイドへの身体感覚転移の度合いを用いた.身体感覚転移とは,遠隔操作の際に,ロボットが自らの身体であると錯覚する現象である.操作者が遠隔地のテレノイドを自らの分身と感じるようになれば,身体的な操作がより活発になり,より豊かなコミュニケーションが実現できると考えた.この検証の結果,操作訓練によってテレノイドへの身体感覚転移の度合いが向上することが分かった.
著者
中道 大介 (大阪大学基礎工学研究科・国際電気通信基礎技術研究所) , 住岡 英信 (国際電気通信基礎技術研究所) , 西尾 修一 (国際電気通信基礎技術研究所) , 石黒 浩 (大阪大学基礎工学研究科・国際電気通信基礎技術研究所)