題目
系統的データ取得が可能な隠消現実感実験用スタジオ (Experimental studio for diminished reality: Enabling systematic data acquisition)
概要
現実世界に存在する物体(除去対象)を視覚的に隠蔽・消去・透過させる隠消現実感 (Diminished Reality; DR) は,体験者視点では除去対象によって隠される光景を観測し,観測結果を体験者視点に変換及び投影することで実現する.しかし,この過程において幾何学的・光学的・時間的不整合が発生し得るため,完全な視覚的除去は困難を極める.また,これら不整合の発生要因は同時発生及び互いに関与しており,除去結果のみでの要因の把握は容易ではない.そこで,本論文では,これら発生要因への還元を可能にするDR用の実験スタジオを設計・構築した.具体的には,DRにおいて既知の情報を得るため,高精度なエンコーダを備えたカメラ位置姿勢計測用のロボットアーム,調光装置,配置を変更できる実寸大及びミニチュアセットの導入を行った.最後に,このスタジオにて画像シーケンスを撮影し,これを用いて既存のDRの一般的な手法を実行することで得られた除去結果について考察した.
著者
江口 裕也 (立命館大学 情報理工学研究科) , 森 尚平 (立命館大学 理工学研究科) , 柴田 史久 (立命館大学 情報理工学研究科) , 木村 朝子 (立命館大学 情報理工学研究科) , 田村 秀行 (立命館大学 情報理工学研究科)