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視覚的な誘導刺激による二者択一判断への影響

題目

視覚的な誘導刺激による二者択一判断への影響 (The Influence of visual inducers on the judgment in two-alternative choices)

概要

2つの対象のうち,いずれかを選択する課題において,どちらか一方を指示するような視覚的な誘導刺激を加えることで誘導されたものとは反対を選ぶ心理的リアクタンスが観察されている(古賀・北島・竹田,2010).ただし,この研究で用いられた課題では,被験者の課題遂行における関与度が高くなるよう設定されており,選択場面においてその課題に固執するあまり,選択の自由が制限されるように働き誘導とは反対を選んだことが考えられる.すなわち,サンクコスト(埋没費用)効果が深く関わっている可能性がある.本研究では,被験者の課題遂行における関与度を低く抑えた場合において誘導刺激の効果を調べた.画面上に提示される2つの抽象的な線画について,どちらか好きな方を選ぶように求める選好判断課題と,2つの線画の特性を判断させる認知判断課題を行った.いずれも,先の研究と比べ課題への関与度は低いものであった.実験の結果,選好判断課題では誘導刺激による影響は見られなかったが,認知判断課題において誘導が生じていた.

著者

古賀 恭子 (九州大学大学院芸術工学府) , 北島 律之 (兵庫大学生涯福祉学部) , 竹田 仰 (九州大学大学院芸術工学研究院)