Web要旨

Sunday, 12 September
9月12日
 

技術・芸術展示 14:30-15:50 

1G-1
足首の腱電気刺激による多方向への身体傾斜感覚提示
〇高橋 希実(東京大学大学院 情報理工学系研究科)、雨宮 智浩(東京大学大学院 情報理工学系研究科、東京大学バーチャルリアリティ教育研究センター)、鳴海 拓志(東京大学大学院 情報理工学系研究科)、葛岡 英明(東京大学大学院 情報理工学系研究科、東京大学バーチャルリアリティ教育研究センター)、廣瀬 通孝(東京大学先端科学技術研究センター)、青山 一真(東京大学バーチャルリアリティ教育研究センター、東京大学先端科学技術研究センター)
脚部の体性感覚は立位時や歩行時のVR体験において地形形状や身体傾斜などVR空間内の状況を把握する上で非常に重要な感覚である.しかしながら,既存の脚部への体性感覚提示手法の多くは足下の形状を機械的に変化させる大掛かりな仕組みが必要であった.本研究では特に足首の体性感覚に注目し,足首の腱への経皮電気刺激によって軽量・安価・小型な装置のみで足首の関節角の感覚を操作する手法の提案と有効性の検証を行う.
1G-2
VibeShare::Performer — Emoji・触覚・音効によるオンライン音楽ライブの双方向化
〇山崎 勇祐(GREE VR Studio Laboratory,REALITY 株式会社、東京工業大学大学院)、白井 暁彦(GREE VR Studio Laboratory,REALITY 株式会社)
コロナ禍で対面ライブの開催が制限される中、我々はオンラインで出演者と視聴者のインタラクションを実現する技術「VibeShare: Live」を開発した。有料の商業店舗におけるオンラインライブで試験実施し、視聴者から3日間で合計108,031回、Emojiが送られ、それらを会場内での拍手音やプロジェクション、出演者への触覚刺激に変換することで、視聴者の存在感を出演者に体感させることに成功した。
1G-3
空気噴流による音楽の低周波振動再現性の検証
〇柴尾 亮成(熊本大学大学院自然科学教育部)、嵯峨 智(熊本大学大学院先端科学研究部)
音楽体験には,ライブ会場に足を運ばないと体験できないものがある.
楽器から直接伝達される非可聴振動を感じる体験である.我々はこれまで空気噴流による振動提示手法によりこの体験を検討してきた.リズム感提示や音楽体験の主観的音楽体験の面白さの評価を得ることができた.今回は,実際にライブ会場で感じているウーファーの振動と比較し,本提案手法の有用性を検証する.
1G-4
The Proteus Effect in Augmented Reality: Impact of Avatar Age and User Perspective on Walking Behaviors
〇Riku Otono(Nara Institute of Science and Technology)、Yusuke Shikanai(DeNA Co., Ltd.)、Kizashi Nakano(Nara Institute of Science and Technology)、Naoya Isoyama(Nara Institute of Science and Technology)、Hideki Uchiyama(Nara Institute of Science and Technology)、Kiyoshi Kiyokawa(Nara Institute of Science and Technology)
本研究では,3人称視点を用いたARデバイスによる拡張現実空間におけるプロテウス効果の再現と検証を行う.プロテウス効果は,アバターの見た目によってユーザの態度や行動が変容する心理効果として知られ,心的障害や社会問題の解決に寄与する可能性が考えられる.本研究で用いる3人称視点は,アバターの見た目を常時俯瞰することを可能とするため,1人称視点と比較し持続性の高いプロテウス効果の起因が期待される.
1G-5
発表辞退
1G-6
AIR-range: 輝度連続性を考慮した空中像のテーブル面から中空までの配置手法
〇菊池 知世(東京大学大学院学際情報学府)、矢作 優知(東京大学大学院学際情報学府)、福嶋 政期(東京大学大学院情報学環)、阪口 紗季(東京都立大学システムデザイン学部)、苗村 健(東京大学大学院学際情報学府/東京大学大学院情報学環)
テーブル上での裸眼複合現実感システムを実現する上で、空間に実像を結ぶ再帰透過光学系は効果的である。なかでも対称ミラー構造を用いた手法は、テーブル上から宙に浮く領域の広範囲で空中像を表示することが可能である。しかしこの手法は、テーブル面を見込む領域の一部で観察される空中像が暗くぼやけた映像になり、輝度や鮮明度が不連続になるという問題を含んでいた。これはミラー反射を介して空中像生成に使われる光学素子を見込む角が、推奨値から外れる範囲で発生する。そこで本研究ではシステム内のミラー配置を変えることで、光学素子を見込む角を推奨値に近づける手法を検討する。
1G-7
触覚逆再生:時間的に逆転した振動提示による逆再生映像の違和感低減
〇伊東 健一(東京大学大学院新領域創成科学研究科)、伴 祐樹(東京大学大学院新領域創成科学研究科)、武田 輝(東京大学教養学部柏キャンパスサイエンスキャンプ2021)、髙橋 潤(東京大学教養学部柏キャンパスサイエンスキャンプ2021)、原田 和亮(東京大学教養学部柏キャンパスサイエンスキャンプ2021)、割澤 伸一(東京大学大学院新領域創成科学研究科)
逆再生は,非現実的な現象を表現可能な映像の時間操作手法である.我々は,視覚や聴覚だけでなく触覚によっても逆再生映像を体験する「触覚逆再生」を提案する.触覚逆再生は,落下等で生じる音を映像と同時に録音し,時間的に逆転させたうえでボイスコイル型振動子を用いて振動として提示することで実現できる.コップにビー玉が落下する単純な映像を用いた予備実験により,触覚逆再生によって逆再生映像体験時の違和感が減少することが示唆された.
1G-8
動作の有無に応じた冷温提示によるVRにおける水中感覚の提示
〇伊藤 健太(東京大学大学院新領域創成科学研究科)、伴 祐樹(東京大学大学院新領域創成科学研究科)、割澤 伸一(東京大学大学院新領域創成科学研究科)
水中を模擬するVRでは,臨場感の向上に熱刺激が有効である.先行研究の多くは単調に冷やし続けるだけの提示で臨場感の向上を確認している.我々は,実際の水中で起こる「じっとしていると冷たくないが,動くと冷たくなる」現象の表現を提案する.右手を動かしたり,止めたりを繰り返すタスクを行う中で,動作の有無に応じた冷温提示をすることによって,定常温度を提示する手法に比べて臨場感が向上することを実験で示した.
1G-9
他者の視線に応じた温度提示による遠隔コミュニケーションへの影響
〇市橋 爽介(東京大学大学院 学際情報学府)、堀江 新(東京大学大学院 工学系研究科)、柏野 善大(東京大学 先端科学技術研究センター)、吉田 成朗(東京大学 先端科学技術研究センター、国立研究開発法人科学技術振興機構 さきがけ)、稲見 昌彦 (東京大学 先端科学技術研究センター)
温度提示は環境・触感再現だけでなく,コミュニケーションでの行動・情動喚起への応用が期待される.本稿では,遠隔コミュニケーションで他者の視線に応じた温度提示をユーザに行うシステムを提案する.赤外線による温度提示により,他者の視線がユーザに向いている,つまり他者の注視点が他者のモニタ中心に近いほど強い温度提示をユーザは受ける.本システムによる他者存在感の増大や印象の変調などについて考察する.