Web要旨

Thursday, 17 September
2020/9/17(木)
 

一般発表 9:00-10:20 視覚(立体ディスプレイ)

座長:吉田 俊介(NICT)

2B1-1
HMD光学系の光線空間プロジェクタによる収差補償の評価
〇犬飼 悟(岐阜大学)、木島 竜吾(岐阜大学)
光学シースルーHMDを単純な光学系で作る場合,広視野を得るためにワイドコンバージョン鏡を使用すると収差のため十分な解像度が得られない.3次元像を結像することができる光線空間プロジェクタを収差補償に用いれば,解像度制約を解消できると考えるが理論的には未整備である.本研究では,観察像の解像度を光線追跡シミュレーションと実測値によって求め,光線空間プロジェクタによる収差補償の効果を評価した.
2B1-2
光学シースルーHMDにおける周辺視野の運動知覚特性を用いたAR情報提示に関する研究
〇今村 達哉(大阪工業大学 大学院 ロボティクス&デザイン研究科)、中泉 文孝(大阪工業大学 ロボティクス&デザイン工学部 (ロボット工学科))、大須賀 美恵子(大阪工業大学 ロボティクス&デザイン工学部 (ロボット工学科))
光学シースルーHMDにおいて,中心視野にAR情報を提示すると,輻輳と調節の矛盾が生じ,現実空間の視覚情報とAR情報を同時に鮮明に知覚することができないという問題がある.これを回避する手段として,周辺視野にAR情報を提示する手法を提案する.周辺視野は輻輳と調節の矛盾が生じず,動きのある視覚情報の知覚に優れているという特性を利用する.本発表では,この手法の実現に向けて基礎的検討を行った結果を報告する
2B1-3
1000volumes/s高速体積型ディスプレイによる像提示奥行位置の実物体への追従制御
〇深野 悠吾(群馬大学大学院理工学府)、鈴木 康平(群馬大学大学院理工学府)、奥 寛雅(群馬大学大学院理工学府)
ヘッドマウントディスプレイには,輻輳と焦点調節の矛盾やディスプレイの遅延といった問題がある.この二つの問題点を解決するため,我々のグループでは1000volumes/s高速体積型ディスプレイを開発している.本発表では像提示位置のフィードバック制御を行い,実物体の奥行位置に追従した位置に虚像を提示する手法を開発,評価した結果を報告する.
2B1-4
HMD視点映像のプロジェクタ投影によるVR体験の共有
〇亀井 郁夫(東京大学)、韓 燦教(東京大学)、平木 剛史(大阪大学)、福嶋 政期(東京大学)、苗村 健(東京大学)
HMDを装着してVRを体験する際には、同じ実空間にいる他者にはその体験が伝わりにくいため体験の共有とコミュニケーションが難しい。そこで、HMDにレーザープロジェクタを装着してVRプレイヤーの視野を実空間の壁面に投影することで、周囲の人の注視の方向が同期しかつ没入感のある体験を可能にすること提案する。その際の映像投影の工夫や周囲の人がバーチャル空間に介入する手法を提案し、その実装および応用例を示す。
2B1-5
再帰性反射光の広がりによる空中結像を利用したディスプレイ空間拡張手法
〇早川 智彦(東京大学)、柯 毓珊(東京大学)、石川 正俊(東京大学)
本研究では,再帰性反射光が広がることを利用し,通常の2次元ディスプレイの背面にLED光源を並べることで空中像を生じさせ,再帰性反射材上におけるディスプレイ空間拡張手法を提案する.LED光源と再帰性反射材の距離及び角度条件を統制した実験を行い,150度で最も大きく空中像を生じことがわかったため,スマートフォンで実装した結果,空中像が生じることを確認した.今後,誘導サイン等への活用が期待される.
2B1-6
非平面スクリーンへの立体投影における焦点走査眼鏡による輻輳調節矛盾の軽減
〇木村 宙志(大阪大学)、岩井 大輔(大阪大学)、佐藤 宏介(大阪大学)
従来の両眼視差を用いた立体投影では,投影像が提示する奥行によらず常にスクリーン上に固定されているため輻輳調節矛盾が発生する.輻輳調節矛盾はユーザに不快感,眼精疲労,及び奥行知覚精度の低下などの問題を引き起こす.本発表では,高速プロジェクタと可変焦点レンズを用いて,焦点走査眼鏡と同期した時間多重化投影を行う非平面スクリーンへの立体投影システムを提案する.
2B1-7
霧型3次元ディスプレイの基礎検討
〇松野 裕生(岐阜大学)、木島 竜吾(岐阜大学)
ボリュームスキャンやプラズマ発光などの3次元空間内に実際に発光点を生成するディスプレイは、視差式に比べより自然な観察が可能であるため期待されている。本研究では、放射線検出に使用する霧箱に着想を得て、超音波を1点に集め断熱膨張によりディスプレイの画素に相当する白い雲を発生させる新たな手法を試みた。実験により白い雲の発生を確認したが、これが単に液滴が集まったものか、断熱膨張によるものかは不明であった。