Web要旨

Wednesday, 16 September
2020/9/16(水)
 

一般発表 10:30-11:50 心理

座長:繁桝 博昭(高知工科大学)

1C2-1
モンテカルロシミュレーションに基づく古典的心理物理学的測定法の推定効率比較
〇竹井 達哉(東京大学)、鈴木 颯(東京大学)、藤原 正浩(東京大学)、牧野 泰才(東京大学)、篠田 裕之(東京大学)
本研究ではモンテカルロシミュレーション手法を用いて古典的心理物理学的測定法である恒常法,調整法,極限法の推定効率を定量的に比較する.得られた結果並びに考察は,あらゆる絶対閾または弁別閾の推定における測定法並びに実験設定選択に有用な一つの定量的評価基準となる.本研究では乱数によって被験者の回答を模擬し,各古典的測定法について複数の実験設定別にシミュレーションを行った上で,各推定効率を比較する.
1C2-2
ペン先の視覚的移動量制御による粗さ知覚の変化
〇田中 徳彦(電気通信大学)、宇治土公 雄介(電気通信大学)、櫻井 翔(電気通信大学)、野嶋 琢也(電気通信大学)、広田 光一(電気通信大学)
物体表面の粗さは,皮膚変形と物体表面の凹凸をなぞることで生じる振動から知覚されるが,その知覚は視覚の影響も受ける.本稿では,ペン型デバイスを用いて物体表面をなぞる時,実際のペン先の移動量に対する視覚的な移動量の大きさの比率(CD比)を操作し,実際になぞる凹凸数の変化から粗さ知覚を変える手法を提案する.このCD比について,我々は物体表面の粗さを実際より粗く,または滑らかに知覚させるための条件を検証した.
1C2-3
クレイク・オブライエン効果を応用した投影対象の存在感を消すプロジェクションマッピング技術の一考察
〇松本 侑大(和歌山大学)、天野 敏之(和歌山大学)
クレイク・オブライエン効果は図形の輪郭付近で明度を指数的に変化させ、輪郭で明暗差を提示すると、その輪郭を挟んだ領域で知覚的な明度差が生起する錯視現象である。本研究では、プロジェクタを用いた重畳投影でこのような明度提示を非対称に行うと、暗部の知覚が実際の明るさよりも暗くなる現象に着目し、プロジェクションマッピングにおいて非投影部分の存在感を消す方法について考察する。
1C2-4
畳み込みオートエンコーダを用いた並置混色錯視の知覚再現評価
〇久保田 祐貴(東京大学)、稲見 昌彦(東京大学)
錯視は人間の多様な知覚・認知機能を表出しており,機械学習を用いた錯視再現は,知覚再現に基づく感覚操作の試金石となりうる.本研究では,畳み込みオートエンコーダを用いて並置混色錯視の定量評価を行った.ノイズ除去やブラー除去を学習した学習機に画像ピクセル値を変更した並置混色錯視を入力した結果,各々の学習特性に関連した錯視知覚特性を得た.また,学習の進行とともに錯視知覚が連続的に変化する様子が観察された.
1C2-5
身体提示領域の減少が全身所有感の生起時間に及ぼす効果
〇近藤 亮太(豊橋技術科学大学)
身体所有感の錯覚は視覚・触覚同期刺激や視覚・運動同期刺激の提示によって生じる。部分所有感であるラバーバンド錯覚は23秒で誘発され,全身所有感においては5秒間身体を観察するだけで生じる。しかし,透明身体のように身体提示領域を減らした際の生起時間は明らかとなっていない。本研究では,透明身体における全身所有感の生起時間を計測し,身体提示領域の減少が全身所有感の生起時間に及ぼす効果を調べた。
1C2-6
無意識情報が意思決定に与える影響
〇荒井 奎甫(東北大学)、立花 良(東北大学)、松宮 一道(東北大学)
無意識に処理される情報が意思決定に影響を与えると報告されている。しかし、過去の研究では無意識情報を十分に制御できていなかった。本研究では、連続フラッシュ抑制と呼ばれる実験手法を用い、VR環境で厳密に制御された無意識刺激を呈示し、無意識刺激が意思決定に与える影響を調べた。その結果、無意識刺激は意思決定の精度に影響を与えるが、意思決定時の自信には影響を与えなかった。これは、先行研究の結果を支持する。